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第二章
私の正体 レティシアの場合
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肖像画の男性を私も見つめた。
マクシムス皇帝だというその男性は、確かに、真っ白い銀世界で死んだはずのロザーラの隣にいた男性と同じ服装だった。仕立ての良さそうなゆったりとした服を纏っている。金髪の髪を短く刈り込んでいて、目の色は青かった。肖像画の男性は血色が良く、薔薇色の頬をして少し微笑んでいる。そこだけが、雪の中でロザーラと話し込んでいた彼と違って見えた。
彼がジークベインリードハルトの皇帝だったということは、エウラロメス大聖堂で戴冠式をあげる前に、皇帝を決めるゲームに参加して彼も勝ち抜いたことになる。4代前の皇帝ということは、5代前の皇帝在籍中か、それより前のことだろう。
彼も勝ち抜いたのだ。『オリオン座が救う者を決める』という伝説をなぞるように進む、星座と座標と暗号と陰謀にまみれた生死をかけたこのゲームを。
先ほど、昼食の後、私たちはワインを城主にすすめられた。ランヒフルージュ城が所有する広大な葡萄畑から作り出される芳醇なワインは傑作年も多く、ジークベインリードハルトでも随一と讃えられるほど有名だ。しかし、私たちはワインを断った。最近流行り出したコーヒーを城主にお願いした。敵に命を狙われているのだし、私たちは第8の宝石を見つけ出さねばならないから。
でも、マクシムス皇帝の肖像画を見た今は、私は無性にワインが欲しい。
城の窓からゆったりと流れる川が見えて、小さな支流が城内にも流れ込んでいる。支流に美しい橋がかかり、回廊が上に築造されていた。水面が太陽の光を反射して煌めき、絵のように魅惑的な光景を窓から堪能できた。
さっきまでは、私とケネスと手を握り合い、見つめあって微笑んでいた。窓からゆったりとした景色を眺めていると、今日私の両親が参加してショーンブルクの大聖堂で結婚式を行えたことが、とても嬉しくなった。私たちは晴れて夫婦になれたのだ。
今晩は初夜だ。ただ、そんな甘いことを考えてはいられないことが起きている。
肖像画の男性が4代前のマクシムス皇帝だと分かると、私は妙な考えに囚われてしまった。今考えるべきことではないとわかっているのに、なぜか彼のことがとても気になる。ロザーラも同じようだ。
――ロザーラが死んだ時、雪の中でロザーラが話していた男性が4代前に亡くなったはずのマクシムス皇帝……これはどういう意味なのだろう?
そもそもロザーラは彼のことを『死神さま』と呼んだ。その言葉は私にしか聞こえていなかったようだったが。
マクシムス皇帝に妻はいなかった。たった一人で『次の皇帝』を決めるゲームに奔走したのかもしれないと思うと、私はなんだか泣けてきた。ラファエルは幸せ者だ。ロザーラも私もケネスも一緒なのだから。
マクシムス皇帝は肖像画の中でかすみ草を手に持っていた。かすみ草の花言葉は「永遠の愛」だ。城門を抜けたところに咲いていた花だ。
――つまり、マクシムス皇帝には恋人がいたということになるかしら?
私はハッとして城主を振り返った。
「もしかして、この城はマクシムス皇帝の居城だったのでしょうか。そしてマクシムス皇帝に恋人はいたのでしょうか?」
私は思わず城主に聞いた。城主は頷いた。私の隣でロザーラが不思議そうな顔で私を見た。
「そうですよ。この城はマクシムス皇帝が住んでいた城でした。皇帝の住む城だったのです。収蔵室に彼の日記があります。彼の恋人の絵もありますよ。見ますか?」
「見せていただきたいです」
私は思わず城主に頼み込んだ。城主はチラリとケネスのことを見て、「今日、結婚されたのですよね?」聞いてきた。
私とケネスは思わず微笑みあって、二人で同時に答えた。
「そうです」
「そうですよ」
城主は首を振って何かをつぶやいたが、私の耳にはなんと言ったのかまでは聞き取れなかった。
私たちは城主に連れられて、城の大きくて立派な収蔵室に案内された。そこで、三冊の羊皮紙のノートのようなものを手渡された。
「日記ですよ。そして、こちらがマクシムス皇帝の恋人です。結婚の約束をしていたようです」
城主が布を取り払った絵画に私は目を奪われた。
――もしかして、この城の庭にいる私?
私は自分がこのランヒフルージュ城を訪れたことを忘れていたのだろうかと思った。私はジークベインリードハルトの公爵家の娘だ。これまでにフルトの街を訪れていたとしてもおかしくない。
でも、私はこの街には訪れたことがななかったはずだ。この城にも来たことがないはずだ。そもそもこれほど素晴らしいランヒフルージュ城を訪ねたとすれば、決して忘れないだろう。絵画の中の私は今とそれほど変わらない年齢に見える。
「レティシアにとても似ているね……」
ケネスは驚いてささやいてきたけれども、私にはわかった。これは私だ。4代前のマクシムス皇帝の恋人は、私にそっくりだ。
「ええ、レティシアさまに似ていらしゃいますよね。私も今日、とても驚きました」
城主の声がとても遠くに聞こえる。頭の中に何か分からないものが蘇ってくる感じがある。なんだろう?
皇帝の孫の花嫁はロザーラだ。彼女は今、皇帝の孫であるラファエルと一緒に、次の皇帝を決めるゲームに参加を余儀なくされている。4代前に亡くなったマクシムス皇帝も、『オリオン座が救う者を決める』という伝説と共に、この皇帝を決めるゲームに参加させられたのだろう。そしてマクシムスは勝ったということだ。
――彼は勝った……?
彼に妻はいなかった。たった一人でこの謎解きに奔走したのかもしれない。
――マクシムス皇帝……?マクシムス・リシェール・ジークベインリードハルト?そういえば、彼の名前にもリシェールが入っているわ。私は何かを知っている気がする。たった一人で謎解きに奔走していた……?
私は所蔵室の小さな窓に駆け寄った。混乱してきて、深呼吸をする。窓の外を見つめた。
耳の奥底で『スワヒリ海岸』とささやく誰かの声が聞こえた。笑い声も。窓の外には、川の向こうに広大な葡萄畑が広がっているのが見える。地図を広げて、笑いながら交易の中継地点であるアフリカの海岸の話をしているのは誰だろう?私はこの同じ景色を見ながら、昔、誰かと話し込んでいた気がする。
――城の庭に流れ込む支流に橋をかけたのは私……?私が昔見たのは、何もない支流と、そこに橋を造る作業だわ。思い出したわ。回廊ができる前の景色を確かに私は見たことがあるわ。
しかし、回廊が出来上がったのは、私、レティシア・コーネリー・モンテヌオーヴォが公爵家に生まれるより随分前のことだ。
私は何か訳の分からない感覚に打ちのめされるようだった。震えが止まらない。
耳の奥で、私の声が話している『死神の契約』の話が聞こえる。満点の星空の下で、草原に広がるオリオン座を形取ったストーンサークルと、天に燦然と輝くオリオン座を仰ぐ若いマクシムスの姿が見える。彼は『死の王冠』を誤って手にしてしまい、敵に襲われて死んだ。
そのとき、わたしも一度その契約をした。私は掟を破った。『死の王冠』で死にかけた彼を助けた。
――皇帝……
――マクシムス……?
――この時の私は『死神』側だわ!
――そうよ。マクシムスと私の関係上は、私の方が『死神』だ。マクシムスが命を助けられる側だった?……私の思い出した記憶が正しければ、私のその時の家業は『死神』だ!
私はロザーラと彼を雪の中で見た光景を頭の中で再現した。ロザーラは、戻った5分の間に人生の選択を変えて死を回避した。
私の記憶が蘇る。私とマクシムスの契約は、結局は失敗した。私は一度目の契約のあと、『死の王冠』ではなく『生の王冠』を手にした彼の恋人になった。
――天使のようなレティシア。
彼の耳元でささやく声が蘇る。私は神だった。レティシアという名の『死神』だった。
しかし、最終的には死神の私とマクシムスの取引は失敗した。
マクシムス皇帝だというその男性は、確かに、真っ白い銀世界で死んだはずのロザーラの隣にいた男性と同じ服装だった。仕立ての良さそうなゆったりとした服を纏っている。金髪の髪を短く刈り込んでいて、目の色は青かった。肖像画の男性は血色が良く、薔薇色の頬をして少し微笑んでいる。そこだけが、雪の中でロザーラと話し込んでいた彼と違って見えた。
彼がジークベインリードハルトの皇帝だったということは、エウラロメス大聖堂で戴冠式をあげる前に、皇帝を決めるゲームに参加して彼も勝ち抜いたことになる。4代前の皇帝ということは、5代前の皇帝在籍中か、それより前のことだろう。
彼も勝ち抜いたのだ。『オリオン座が救う者を決める』という伝説をなぞるように進む、星座と座標と暗号と陰謀にまみれた生死をかけたこのゲームを。
先ほど、昼食の後、私たちはワインを城主にすすめられた。ランヒフルージュ城が所有する広大な葡萄畑から作り出される芳醇なワインは傑作年も多く、ジークベインリードハルトでも随一と讃えられるほど有名だ。しかし、私たちはワインを断った。最近流行り出したコーヒーを城主にお願いした。敵に命を狙われているのだし、私たちは第8の宝石を見つけ出さねばならないから。
でも、マクシムス皇帝の肖像画を見た今は、私は無性にワインが欲しい。
城の窓からゆったりと流れる川が見えて、小さな支流が城内にも流れ込んでいる。支流に美しい橋がかかり、回廊が上に築造されていた。水面が太陽の光を反射して煌めき、絵のように魅惑的な光景を窓から堪能できた。
さっきまでは、私とケネスと手を握り合い、見つめあって微笑んでいた。窓からゆったりとした景色を眺めていると、今日私の両親が参加してショーンブルクの大聖堂で結婚式を行えたことが、とても嬉しくなった。私たちは晴れて夫婦になれたのだ。
今晩は初夜だ。ただ、そんな甘いことを考えてはいられないことが起きている。
肖像画の男性が4代前のマクシムス皇帝だと分かると、私は妙な考えに囚われてしまった。今考えるべきことではないとわかっているのに、なぜか彼のことがとても気になる。ロザーラも同じようだ。
――ロザーラが死んだ時、雪の中でロザーラが話していた男性が4代前に亡くなったはずのマクシムス皇帝……これはどういう意味なのだろう?
そもそもロザーラは彼のことを『死神さま』と呼んだ。その言葉は私にしか聞こえていなかったようだったが。
マクシムス皇帝に妻はいなかった。たった一人で『次の皇帝』を決めるゲームに奔走したのかもしれないと思うと、私はなんだか泣けてきた。ラファエルは幸せ者だ。ロザーラも私もケネスも一緒なのだから。
マクシムス皇帝は肖像画の中でかすみ草を手に持っていた。かすみ草の花言葉は「永遠の愛」だ。城門を抜けたところに咲いていた花だ。
――つまり、マクシムス皇帝には恋人がいたということになるかしら?
私はハッとして城主を振り返った。
「もしかして、この城はマクシムス皇帝の居城だったのでしょうか。そしてマクシムス皇帝に恋人はいたのでしょうか?」
私は思わず城主に聞いた。城主は頷いた。私の隣でロザーラが不思議そうな顔で私を見た。
「そうですよ。この城はマクシムス皇帝が住んでいた城でした。皇帝の住む城だったのです。収蔵室に彼の日記があります。彼の恋人の絵もありますよ。見ますか?」
「見せていただきたいです」
私は思わず城主に頼み込んだ。城主はチラリとケネスのことを見て、「今日、結婚されたのですよね?」聞いてきた。
私とケネスは思わず微笑みあって、二人で同時に答えた。
「そうです」
「そうですよ」
城主は首を振って何かをつぶやいたが、私の耳にはなんと言ったのかまでは聞き取れなかった。
私たちは城主に連れられて、城の大きくて立派な収蔵室に案内された。そこで、三冊の羊皮紙のノートのようなものを手渡された。
「日記ですよ。そして、こちらがマクシムス皇帝の恋人です。結婚の約束をしていたようです」
城主が布を取り払った絵画に私は目を奪われた。
――もしかして、この城の庭にいる私?
私は自分がこのランヒフルージュ城を訪れたことを忘れていたのだろうかと思った。私はジークベインリードハルトの公爵家の娘だ。これまでにフルトの街を訪れていたとしてもおかしくない。
でも、私はこの街には訪れたことがななかったはずだ。この城にも来たことがないはずだ。そもそもこれほど素晴らしいランヒフルージュ城を訪ねたとすれば、決して忘れないだろう。絵画の中の私は今とそれほど変わらない年齢に見える。
「レティシアにとても似ているね……」
ケネスは驚いてささやいてきたけれども、私にはわかった。これは私だ。4代前のマクシムス皇帝の恋人は、私にそっくりだ。
「ええ、レティシアさまに似ていらしゃいますよね。私も今日、とても驚きました」
城主の声がとても遠くに聞こえる。頭の中に何か分からないものが蘇ってくる感じがある。なんだろう?
皇帝の孫の花嫁はロザーラだ。彼女は今、皇帝の孫であるラファエルと一緒に、次の皇帝を決めるゲームに参加を余儀なくされている。4代前に亡くなったマクシムス皇帝も、『オリオン座が救う者を決める』という伝説と共に、この皇帝を決めるゲームに参加させられたのだろう。そしてマクシムスは勝ったということだ。
――彼は勝った……?
彼に妻はいなかった。たった一人でこの謎解きに奔走したのかもしれない。
――マクシムス皇帝……?マクシムス・リシェール・ジークベインリードハルト?そういえば、彼の名前にもリシェールが入っているわ。私は何かを知っている気がする。たった一人で謎解きに奔走していた……?
私は所蔵室の小さな窓に駆け寄った。混乱してきて、深呼吸をする。窓の外を見つめた。
耳の奥底で『スワヒリ海岸』とささやく誰かの声が聞こえた。笑い声も。窓の外には、川の向こうに広大な葡萄畑が広がっているのが見える。地図を広げて、笑いながら交易の中継地点であるアフリカの海岸の話をしているのは誰だろう?私はこの同じ景色を見ながら、昔、誰かと話し込んでいた気がする。
――城の庭に流れ込む支流に橋をかけたのは私……?私が昔見たのは、何もない支流と、そこに橋を造る作業だわ。思い出したわ。回廊ができる前の景色を確かに私は見たことがあるわ。
しかし、回廊が出来上がったのは、私、レティシア・コーネリー・モンテヌオーヴォが公爵家に生まれるより随分前のことだ。
私は何か訳の分からない感覚に打ちのめされるようだった。震えが止まらない。
耳の奥で、私の声が話している『死神の契約』の話が聞こえる。満点の星空の下で、草原に広がるオリオン座を形取ったストーンサークルと、天に燦然と輝くオリオン座を仰ぐ若いマクシムスの姿が見える。彼は『死の王冠』を誤って手にしてしまい、敵に襲われて死んだ。
そのとき、わたしも一度その契約をした。私は掟を破った。『死の王冠』で死にかけた彼を助けた。
――皇帝……
――マクシムス……?
――この時の私は『死神』側だわ!
――そうよ。マクシムスと私の関係上は、私の方が『死神』だ。マクシムスが命を助けられる側だった?……私の思い出した記憶が正しければ、私のその時の家業は『死神』だ!
私はロザーラと彼を雪の中で見た光景を頭の中で再現した。ロザーラは、戻った5分の間に人生の選択を変えて死を回避した。
私の記憶が蘇る。私とマクシムスの契約は、結局は失敗した。私は一度目の契約のあと、『死の王冠』ではなく『生の王冠』を手にした彼の恋人になった。
――天使のようなレティシア。
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