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しおりを挟む再び、宗介、りり、ルイと合流した馨と凪は、6人掛けのテーブルに腰を下ろした。
ルイとりりが並んで座り、その向かい側に宗介、馨、凪が並ぶ。
「わーい、なんだか楽しいね! ルイルイ」
りりがルイに顔をぐいっと寄せると、ルイは嫌そうな顔を浮かべながら、りりの額を手で押し除けた。美女であろうと容赦のない手つきに、凪は思わず「ルイだけは恨みを買わないようにしよう」と心の中で誓う。
りりは両手いっぱいに出店で買った食べ物を抱え、それを半分ルイにも持たせていた。机の上は、色とりどりの食べ物であふれかえっている。
「小鳥ちゃんはどれが好きー?」
「え? 僕?」
「うん、可愛い子が一番最初に選ぶ権利あげる~」
「だとしたら、りりさんが一番では……」
凪が当たり前のように呟いた瞬間、全員の視線が彼に集中した。
「えっと……僕、なにかいけないこと言いましたか……?」
「小鳥ちゃんって、女の子にも絶対モテるでしょ? そんな自然にお世辞言える人いないもーん。確かに、りりは可愛いけどさ」
「あの、僕、嘘をつくのが苦手なので……。本音しか言えなくて……なので、嘘ではなく、りりさんは本当にお綺麗だと思います」
「小鳥ちゃん……嬉しいっ! 大好き~!!」
りりが立ち上がって凪に抱きつこうとしたが、馨が彼女の首根っこを引っ張って阻止した。
「ルイ、ちゃんとこいつの面倒見てくんない?」
「勝手なこと言うなよ。面倒見てるこっちの身にもなれ」
2人のやり取りを聞いたりりは、頬を膨らませた。
「何よ~! 二人してひどいっ!!
ねえ? ひどいよね? 宗介くん??」
「確かにひどいっすね。女の子は丁重に扱うもんでしょ? まあ、俺もこいつ派なので申し訳ないですけど」
そう言いながら宗介が凪の頬を指先で引っ張る。凪はそれを横目で睨みつけた。
「そんだよ。その目」
「別に。なんでもない」
凪は宗介の手を払い、顔を背ける。
「あ、馨くんだ~」
突然、そんな声が聞こえてきた。振り向くと、そこには複数人の女子の集団がいた。馨に向かって手を振っている。
「さっき、宮部たちが馨くんのこと探してたよ~」
「気にしなくていいよ」
「えー、それにしても……お友達?」
そう尋ねて、凪たちの方を見た。
美男美女ばかりのこの空間に居たたまれなくなって、凪は自分の顔を隠したくなる。絶対にこの中では自分だけが浮いていると感じた。
とっさに宗介の広い背中に隠れるようにして、肩をすくめる。
「やばいんだけど!」
女子たちは、目の前にいる面々の顔を見てキャッキャッとはしゃぎ出した。そして、その中の一人が宗介に釘付けになっていることに、凪はすぐに気づいた。
赤らんだ頬で宗介に視線を送る彼女を見て、凪は伝えてあげようと宗介に目を向けた。だが彼女はその前に、馨の元に近づいて何やら耳打ちをした。
「宗介くん、この人、君に興味あるんだって。めちゃくちゃイケメンとか言ってるんだけど。連絡先も交換したいって」
馨が平然と口にした言葉に、彼女はハッとした顔をして馨の肩をバシバシと叩いた。「なんで言っちゃうの!」という声が言葉にしなくても伝わってくる。
「ごめんなさい。俺、好きな子いるんで。お友達ってだけならもちろん大丈夫ですけど、それ以上の関係望んでるってなると、ちょっとお断りで」
「……かっこいい」
断られたはずの彼女は、なぜか惚けたような表情で宗介を見つめていた。
「かっこいいすか? ありがとうございます」
「あの……よかったら、それ、どうぞ」
彼女が渡してきたのは、缶飲料がたくさん入ったビニール袋だった。宗介はそれを受け取りながら「おもっ」と一言。
「あの、差し入れだと思ってくれて大丈夫なんで。皆さんでよかったらどうぞ……」
宗介が袋の中身を覗き込む。それに釣られて凪も中を覗いた。
「ジュースだ……いっぱい入ってる」
「そうだな。凪、どれか飲みたい?」
同時に袋から顔を上げて視線が合う。至近距離の宗介の顔に、凪はどぎまぎしかけた、その瞬間、背後から腕が伸びてきて、凪の首元に回され、ぐいっと引き寄せられる。
「馨くん……どうしたの??」
「ち・か・い」
馨は一文字ずつ、はっきりと凪の耳元で告げた。
何も悪いことはしていないはずなのに、凪は思わず「ごめん」と呟いていた。
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