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おっぱい星人の大ピンチ!1
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「いやぁ、今日は実にいい天気だなぁ」
いま、真治が小さく大げさっぽくつぶやいた。学校が終わって帰宅してすでに午後3時40分だというのに、まるで晴天の朝を迎えた喜びみたいな笑顔。でもそういう笑みが浮かぶにはちゃんとした理由があった。
本日、真治は近所のブックオフに出向き、前々から欲しいと思っていたIカップ巨乳アイドルの写真集「愛カップのほほえみをあなたに」をこっそり購入するつもり。分厚く立派なそれは1000円であり、小4の真治はちょっとつらい値段。しかしその本の帯にはこう書かれているのだ、「ビキニ姿、ブラジャー姿が満載!」と。こうなるともう買うが男子、買わなきゃ男子じゃない! となる。そして1500円を持っている今の真治は、その写真集を購入してデレデレしたいと胸を踊らせている。そしていざ出陣! と、おっぱい星人の生き様を見せつけるように意気揚々とブックオフを目指して歩き出す。
―その頃―
ブックオフの近くでとある売れない女子アイドル、正確にはこれからはばたく予定の存在がビラ配りをやっていた。なんで輝くべく存在の自分がこんなみじめな仕事を……と内心腹を立てつつ、愛嬌のふりまきという能力を活かして路上ワークに励む。
「今度ライブやりまーす、CDも出まーす、握手会もやりーます、よろしくお願いしまーす」
ビラ配りをやる女子アイドルの名前は呪井益代(のろいますよ)であり、見た目は18歳くらいだが高1だったりする。最大の魅力は早くから濃厚な出汁みたいに備わっていたフェロモン。バストのボリュームには恵まれていないが、たまらない色気というのが男子ホイホイとなり、これまでに弄び捨てて泣かせた男子の数はかなりのモノだったりする。
(え、アイドル?)
夢の島ことブックオフを目指していた真治、遠目にいかにも……という感じの服装をした女子が何やらやっているのを見た。でもその反応はとっても冷静、まるで人生のプロフェッショナルみたいに。
真治はアイドルに興味がないわけではない。女子にデレデレしないわけでもない。女子の顔が自分好みだったらドキッとしたりもする。だが真治は小4ながら人生の真実を知っているみたいなレベルのおっぱい星人。呪井益代とかいう売れないアイドルがどれほどのフェロモン系であっても、バストのボリュームという点で真治の心は決して動じない。それまさに人類を代表するおっぱい星人と言っても過言ではない。
(うん?)
益代はビラ配りなんてかったるい事をやっている最中、向こうから小学生の男子がやってくるのを目にした。
(小4くらいかな……クソガキじゃん、あんなガキにアイドル目指せるわたしの魅力なんかわかるわけがない)
益代は見た目に反して性格が悪い寄りだった。しかし抜け目ない女子でもあったからすぐこう考える。
(もしかしたら、あいつには兄とかいるかもしれない。仮にあいつが小4だとして4つ上の兄がいるとしたら、それは中2くらい、わたしの魅力にドキること受け合いかな。それにあいつの年齢が低いってことは父親だって若いだろうから、わたしの魅力に取りつかれて熱烈なファンになるかも)
そう考えるとガキとか内心で罵りつつ、必殺の営業スマイルが光る。だから益代は何ら興味を示さず通り過ぎようとした真治に声をかけて呼び止める。
「そこの少年、ちょい待ち!」
「え?」
「少年、きみアイドルとか好き?」
「え、別に問題がなかったら嫌いじゃないですけれど」
「ふふん、ならすごい朗報! このわたしのビラを受け取ってよーく見てみなさい。ライブの情報、グッズの情報、CDの情報など載っているでしょう?」
益代には大いなる自信があった。目の前にいる小4くらいの少年もすぐさま自分にメロってしまうだろうと。
「へぇ……」
真治はまったく興味を示さない。あ、そうなんだ? 的なクールさが益代を驚かせる。
「ちょ、ちょっと、少年、わたしアイドルなんだよ」
「がんばってください」
「え、なにその冷めたおっさんみたいな反応。きみ小学生でしょう? なんでそんな枯れたジジイみたいな返しをするわけ」
「そんなこと言われても……」
益代は何気なくアッハーン! とウインクしてみたりした。これまでは多くの男子はそれでゴキブリみたいにひっくり返った。しかしいま初めて、まーったく興味ありません! って男子が目の前にいる。
「え、少年、きみってまさかホモなの?」
「違います!」
益代はだんだんと腹が立ってきた。そして真治が自分に興味を持つまで付きまとってやろうと考えたりする。
「え、なんでついてくるんですか?」
「わたしもブックオフに用事があるから」
「ん……」
真治は困った。別に気にせずお目当ての巨乳アイドル写真集を購入してもいいとは思う。だが見知らぬアウト・オブ・眼中な年上女子に圧されて躊躇してしまう。
「少年、あんた何を買うつもりなの?」
「いや、えっと、とりあえずコミックかなぁって」
アハアハっと笑ってごまかそうとする真治だった。我ながら演技力は高いと密かに自画自賛したりもした。だが呪井益代にそれは通じない。なぜなら益代は一瞬に浮かぶ偽りを見抜くイヤな女だったから。
「こら、少年!」
益代、突然に片手で真治の首を絞めそのままグッと本棚の側面に押し付けた。
「ぁんぎぅ……な、なに……」
「嘘かましてんじゃねーぞ少年、なーにがコミックだ、ほんとうは別の何かを買うつもりなんだよね? なに、言え、早く言えつーんだよ、ブッ殺されたいか!」
「あんぐぅおぅ……」
ギュォーっと首を絞められ青ざめる真治、言うから離してと必死にアピール。
「離してもいいけど、逃げないと誓うか? ちゃんと言うか?」
「ぁんぅいい」(はいい!)
「よし!」
アイドル志望とは思いがたい高圧を見せる益代の手が真治の首から離れた。
「しゃ、写真集です」
「写真集? アニメとかの?」
「そ、そうじゃなくて……アイドルの……」
「アイドル?」
ここで益代の顔がパーっと明るくなった。なんだこの少年、実はアイドル好きだったんじゃないか、だったらほんとうは呪井益代という女にも密かに持っていたんじゃないか……と、一方的な思考が益代に余裕をもたらす。
「アイドルの名前は?」
「えっとその……」
「いいじゃん、男の子がアイドル女子にドキつくなんてこの世の常識なんだから、恥ずかしがらずに言いなよ」
アハっと笑い真治の肩を叩く益代、それからおもむろにつぶやくのであった。
「じゃぁ一緒に写真集コーナーに行こう」
「え、い、一緒に?」
真治はとっても正直な少年なので、えぇ、おまえといっしょに?と、ものすごくイヤそうな表情を隠せない。
「なにその顔、もう一度首を絞められたいってか、あぁ!」
益代が真治をにらむ表情は今にも怒り爆発させそうなメスライオンみたいだった。たったいま首を絞められていたという記憶がズワーっと風のように吹く。
「わ、わかりました」
「そう来なくっちゃ、あは!」
一瞬で表情やオーラをメスライオンから子猫に切り替える益代、それもまたフェロモン女子が多くの男子を食い散らかす事を可能とした要素のひとつだった。かくして真治はどこの誰かわからないアイドル女子といっしょに、お目当ての写真集があるコーナーへ移動するのだった。
いま、真治が小さく大げさっぽくつぶやいた。学校が終わって帰宅してすでに午後3時40分だというのに、まるで晴天の朝を迎えた喜びみたいな笑顔。でもそういう笑みが浮かぶにはちゃんとした理由があった。
本日、真治は近所のブックオフに出向き、前々から欲しいと思っていたIカップ巨乳アイドルの写真集「愛カップのほほえみをあなたに」をこっそり購入するつもり。分厚く立派なそれは1000円であり、小4の真治はちょっとつらい値段。しかしその本の帯にはこう書かれているのだ、「ビキニ姿、ブラジャー姿が満載!」と。こうなるともう買うが男子、買わなきゃ男子じゃない! となる。そして1500円を持っている今の真治は、その写真集を購入してデレデレしたいと胸を踊らせている。そしていざ出陣! と、おっぱい星人の生き様を見せつけるように意気揚々とブックオフを目指して歩き出す。
―その頃―
ブックオフの近くでとある売れない女子アイドル、正確にはこれからはばたく予定の存在がビラ配りをやっていた。なんで輝くべく存在の自分がこんなみじめな仕事を……と内心腹を立てつつ、愛嬌のふりまきという能力を活かして路上ワークに励む。
「今度ライブやりまーす、CDも出まーす、握手会もやりーます、よろしくお願いしまーす」
ビラ配りをやる女子アイドルの名前は呪井益代(のろいますよ)であり、見た目は18歳くらいだが高1だったりする。最大の魅力は早くから濃厚な出汁みたいに備わっていたフェロモン。バストのボリュームには恵まれていないが、たまらない色気というのが男子ホイホイとなり、これまでに弄び捨てて泣かせた男子の数はかなりのモノだったりする。
(え、アイドル?)
夢の島ことブックオフを目指していた真治、遠目にいかにも……という感じの服装をした女子が何やらやっているのを見た。でもその反応はとっても冷静、まるで人生のプロフェッショナルみたいに。
真治はアイドルに興味がないわけではない。女子にデレデレしないわけでもない。女子の顔が自分好みだったらドキッとしたりもする。だが真治は小4ながら人生の真実を知っているみたいなレベルのおっぱい星人。呪井益代とかいう売れないアイドルがどれほどのフェロモン系であっても、バストのボリュームという点で真治の心は決して動じない。それまさに人類を代表するおっぱい星人と言っても過言ではない。
(うん?)
益代はビラ配りなんてかったるい事をやっている最中、向こうから小学生の男子がやってくるのを目にした。
(小4くらいかな……クソガキじゃん、あんなガキにアイドル目指せるわたしの魅力なんかわかるわけがない)
益代は見た目に反して性格が悪い寄りだった。しかし抜け目ない女子でもあったからすぐこう考える。
(もしかしたら、あいつには兄とかいるかもしれない。仮にあいつが小4だとして4つ上の兄がいるとしたら、それは中2くらい、わたしの魅力にドキること受け合いかな。それにあいつの年齢が低いってことは父親だって若いだろうから、わたしの魅力に取りつかれて熱烈なファンになるかも)
そう考えるとガキとか内心で罵りつつ、必殺の営業スマイルが光る。だから益代は何ら興味を示さず通り過ぎようとした真治に声をかけて呼び止める。
「そこの少年、ちょい待ち!」
「え?」
「少年、きみアイドルとか好き?」
「え、別に問題がなかったら嫌いじゃないですけれど」
「ふふん、ならすごい朗報! このわたしのビラを受け取ってよーく見てみなさい。ライブの情報、グッズの情報、CDの情報など載っているでしょう?」
益代には大いなる自信があった。目の前にいる小4くらいの少年もすぐさま自分にメロってしまうだろうと。
「へぇ……」
真治はまったく興味を示さない。あ、そうなんだ? 的なクールさが益代を驚かせる。
「ちょ、ちょっと、少年、わたしアイドルなんだよ」
「がんばってください」
「え、なにその冷めたおっさんみたいな反応。きみ小学生でしょう? なんでそんな枯れたジジイみたいな返しをするわけ」
「そんなこと言われても……」
益代は何気なくアッハーン! とウインクしてみたりした。これまでは多くの男子はそれでゴキブリみたいにひっくり返った。しかしいま初めて、まーったく興味ありません! って男子が目の前にいる。
「え、少年、きみってまさかホモなの?」
「違います!」
益代はだんだんと腹が立ってきた。そして真治が自分に興味を持つまで付きまとってやろうと考えたりする。
「え、なんでついてくるんですか?」
「わたしもブックオフに用事があるから」
「ん……」
真治は困った。別に気にせずお目当ての巨乳アイドル写真集を購入してもいいとは思う。だが見知らぬアウト・オブ・眼中な年上女子に圧されて躊躇してしまう。
「少年、あんた何を買うつもりなの?」
「いや、えっと、とりあえずコミックかなぁって」
アハアハっと笑ってごまかそうとする真治だった。我ながら演技力は高いと密かに自画自賛したりもした。だが呪井益代にそれは通じない。なぜなら益代は一瞬に浮かぶ偽りを見抜くイヤな女だったから。
「こら、少年!」
益代、突然に片手で真治の首を絞めそのままグッと本棚の側面に押し付けた。
「ぁんぎぅ……な、なに……」
「嘘かましてんじゃねーぞ少年、なーにがコミックだ、ほんとうは別の何かを買うつもりなんだよね? なに、言え、早く言えつーんだよ、ブッ殺されたいか!」
「あんぐぅおぅ……」
ギュォーっと首を絞められ青ざめる真治、言うから離してと必死にアピール。
「離してもいいけど、逃げないと誓うか? ちゃんと言うか?」
「ぁんぅいい」(はいい!)
「よし!」
アイドル志望とは思いがたい高圧を見せる益代の手が真治の首から離れた。
「しゃ、写真集です」
「写真集? アニメとかの?」
「そ、そうじゃなくて……アイドルの……」
「アイドル?」
ここで益代の顔がパーっと明るくなった。なんだこの少年、実はアイドル好きだったんじゃないか、だったらほんとうは呪井益代という女にも密かに持っていたんじゃないか……と、一方的な思考が益代に余裕をもたらす。
「アイドルの名前は?」
「えっとその……」
「いいじゃん、男の子がアイドル女子にドキつくなんてこの世の常識なんだから、恥ずかしがらずに言いなよ」
アハっと笑い真治の肩を叩く益代、それからおもむろにつぶやくのであった。
「じゃぁ一緒に写真集コーナーに行こう」
「え、い、一緒に?」
真治はとっても正直な少年なので、えぇ、おまえといっしょに?と、ものすごくイヤそうな表情を隠せない。
「なにその顔、もう一度首を絞められたいってか、あぁ!」
益代が真治をにらむ表情は今にも怒り爆発させそうなメスライオンみたいだった。たったいま首を絞められていたという記憶がズワーっと風のように吹く。
「わ、わかりました」
「そう来なくっちゃ、あは!」
一瞬で表情やオーラをメスライオンから子猫に切り替える益代、それもまたフェロモン女子が多くの男子を食い散らかす事を可能とした要素のひとつだった。かくして真治はどこの誰かわからないアイドル女子といっしょに、お目当ての写真集があるコーナーへ移動するのだった。
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