49 / 220
トンネルの幽霊2
しおりを挟む
トンネルの幽霊2
世界が静まり返る午前1時、真治、優子、重の3人がトンネルの前に到着した。さすが真夜中という中にある暗いトンネルの入り口。
「だ、誰が行くの?」
ドキドキしながら真治が言ってみたら、重が勇ましい態度で声を出す。
「そりゃぁ、おれと真治の2人じゃん!」
コルクガンを持ってかっこうよく振る舞っている。でもそれは優子というあこがれの巨乳女子に、自分をよく見せたいって思惑が大。どのくらいデカいかっていえば、激アツの太陽くらい。
「わたしはここで見張ってるよ。なんかあったらすぐ駆けつけるから」
大人っぽく言っている優子の声は、こわい話には男が先頭であるべき! 的な感が漂っている。
「じゃぁ……行こうか」
真治は重と並んでゆっくり進み始めた。ぽっかり開いている口みたいなトンネルは、ゾーッとするほど真っ暗。あの世への入り口って表現が似合いまくっている。
「幽霊がかわいくて巨乳な女子だったらいいのになぁ」
トンネル内で大きな声を出す重。
「ったく……少し声のボリュームを下げて……」
真治はあきれながら言っていたが、途中でセリフが切れた。歩行の足もストップした。
「あ、あれ……あれ!」
右人差し指を前方に向け、重にあれを見ろ! と促す。
「いきなり幽霊だ!」
重が言った事は正しい。トンネルのど真ん中に、学校で使っているのと同じ机とイスがあって、青白いオーラを立てながらひとりの少女が座っている。
「真治、行け!」
いきなり重は真治の背中を押す。
「なんだよ、いっしょじゃないのかよ」
「だいじょうぶだ、何かあったらおれが幽霊を撃ってやるから」
「まったくもう……」
ガクガク、ブルブル、おびえながら真治が歩き出す。あれはどう見てもこの世の人様でない。そんなところへ自ら歩み寄るっていうのは、心臓が冷え冷えするように怖い。
「きみ、わたしの彼氏になってくれる?」
突如として幽霊少女から言葉が出た。
「え、え? か、彼氏?」
おどろいた瞬間、びりびり! として真治が身動き不能と化す。
「わたし小6の女、きみも同じ小学生でしょう? だったら付き合おう。それともなに? わたしみたいな女はダメかな?」
ユラユラっとイスから立ち上がる少女。その動作はすべてがエア的でうつくしい。ユラーっと空気の海を泳ぐようにして、真治へ向かってくる。
「い、いや……ぼ、ぼく……」
「どうしたの? わたしってそんなにブスかな?」
「ぶ、ブスじゃないけど……」
真治はちょっと言いづらかった。幽霊少女は決してブスではない。でもそれと好みは別の問題。さらに言うと、幽霊少女は巨乳とはまったく無縁。真治のハートがブルブルする事はない。
「真治! どけ、おれに任せろ!」
後方にいた重が、腕につけたライトを照らしながら、持っていたコルクガンを撃つ。それが幽霊少女の顔面に当たる。
「どうして? かわいい女の子を攻撃して胸が痛んだりしないの?」
幽霊少女に言われると、重は連射しながら叫んだ。
「かわいいけど好みじゃない! それに全然巨乳じゃないアウトオブ眼中! 立ち去れ幽霊! ここはおまえのいる世界じゃない!」
重が吠えて攻撃する。でもそれは幽霊少女を怒らせた。途端に表情が本格ホラーとなる。口が避けトラのような犬歯が出る。
「失せろ!」
幽霊少女が腕を降ると、触られてもいないのに重はつよく押された。固いカベに背中をはげしく打ち付けたことで、ばったり倒れて気絶する。
「えぇ、橘高……いきなり気絶?」
両足をガクブルさせる真治、幽霊少女に睨まれ問われた。
「おまえは巨乳が好きなのか?」
「は、はい……大好き……」
バカ正直に答えたりするから、幽霊少女の顔がますます崩れておそろしいモノになる。今にも泣きだしそうな真治を、猛獣みたいな口で食い殺しかねない。
そのとき、2人の戻りが遅いからと心配していた優子がやってくる。弟を心配する姉は、当然ながら名前を読んだ。
「真治!」
その声を聞くと幽霊少女の目が、真治から優子へと移動。そうして突然に何かを思い出したかのようにワナワナ震えだす。
「女、おまえ……わたしと同じ小6くらいだろう!」
幽霊に怒鳴られドキドキしながらも、優子は毅然と返事をする。
「そ、そうだけど……それがなに?」
「おまえ……そのTシャツのふくらみ具合はかなりの巨乳と見た! 何カップか言え!」
「え? え?」
「言わないとおまえの弟を食い殺す!」
「ま、待って、い、今のところ……い、Eカップ……」
「Eカップ? 乳は? 乳は何cm?」
「ち、乳っていうかおっぱいは……89cmくらい……」
「89cm……Eカップ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
優子のサイズを聞いたら幽霊少女が発狂した。トンネル内に響き渡るほど絶叫すると、憎しみの目を優子に向けて言うのだった。
「わたしが生きていたとき……めちゃくちゃ性格の悪い巨乳がクラスメートにいたんだ。おまえはその女にちょっと似ている。自分の乳が豊かだからって自慢ばっかりして、全然胸の無かったわたしを散々バカにした。だからわたしは自殺なんかしてしまったんだよ」
すると優子はおびえつつもキッパリと反論。
「わたし、そんなひどいこと思ったりやったりしない。そんな女と一緒にされたくない」
するとますます幽霊少女は怒りに燃えていく。
「だまれ、だまれ、だまれ! 巨乳はみんな性格が悪いんだ。乳ばっかり考え、頭と心を何も養わないボンクラ。人の心を学ばず乳しか育成しないクソったれなんだ。それが巨乳って女の正体なんだ」
かなしい、あまりにもかなしい……そんな幽霊少女は真っ赤な目で優子をおびえさせると、ギッとつよく睨みつけた。
「ぁぅ……」
優子の体に生じたビキビキ縛り。それは極上の金縛りと呼ぶにふさわしい。まったく、どうあっても解けず動けない。そこに幽霊少女の声がかけられる。
「いい事を思いついた。今から巨乳の体をのっとる! 自分の体が巨乳だったら、どれくらいたのしくてキモチイイかたっぷり味わう。それからあの世に旅立たせてもらうわ。そうすれば巨乳、おまえはわたしの仲間になるんだ。かわいくて巨乳だけど、誰とも愛し合えない惨めな幽霊になるんだ」
ハハハハと笑い、おびえ涙うかべる優子に近づく幽霊。そしてほんとうに優子の中にスーッと入っていた。消えたのではなく入ったってことは、優子に生じる変化が証明となる。
「ふふふ」
突然に優子の両目が赤くなる。そうして口からトラもびっくりするような犬歯を出す。そうして物騒な事を言うのだった。
「これが巨乳の体か……今からたっぷりたのしもう。でもその前に、犬歯が疼くからひとり葬ろうかな。弟とかいうのをこの世から抹殺しようかなぁ」
腰が抜けて動けない真治、おそろしき存在と化した姉に見つめられ絶体絶命。
「お、お姉ちゃん……」
殺されてしまう、真治はそう思った。思えば短い人生だったなぁとか、かわいくて巨乳な彼女が欲しかったなぁとか、心残りがジェットコースターみたいに駆ける。
だがそのとき! 突如としておそろしい優子が胸に手を当てた。何やら非常に苦しいようで、両膝がガクっと落ちた。
「な、なんだこの不快感は……」
優子の中にいる幽霊少女は、乗っ取りがうまくいっていない? と呼吸を乱す。それから両手を地面につけると、ぜーぜー息を切らしつぶやく。
「この感じ……これは……まさか人が持つ優しさとかいうのか……これは……この巨乳女子が持っている優しい心とかいうのか。それがわたしの持つ憎しみを包み込んでいるというのか」
ダラダラっと流れ落ちる汗。幽霊少女は優子の体を完全に乗っ取れないどころか、このままでは自分の存在が消されるような気がした。なぜなら優子のやさしさは負を払拭するだけの、まさに女神のように大きなものだったからだ。
「う……うそだ……巨乳の女に優しさなんかあるもんか……巨乳はみんな性格が悪いんだ。乳のデカい女が優しさを知っているわけがない……そんなのって……そんなのって」
幽霊少女は優子の体から追い出されそうになる。そして追い出されたら浄化されるとわかった。もう二度と苦しまないで済むという、安らぎの世界へ旅立つのだと。
「く、くやしいけど……で、でも……わたしが持っている憎しみは……この優しさには勝てない。多分、憎しみは優しさに勝てないって事なんだ」
ここでスーッと優子から青白い光が抜け出る。少女のカタチはしておらず、おだやかでかわいい玉のように見えなくもない。
「ごほごほ……」
汗いっぱいになってむせる優子。息を切らしながら立ち上がったら、とってもおちついたかわいい声で言われるのだった。
「ありがとう。あなたの優しさに触れたことで、わたしはやっと苦しみのない世界に逝ける。あなたのような優しい女の子と友だちになりたかった。でも……これで十分。ありがとう……ほんとうにありがとう」
そうして光が消えた。一瞬でトンネルは真っ暗に逆戻り。シーンと静まり返り、真夜中の休息感と波調を合わせる。
「真治、だいじょうぶ?」
立ち上がれなかった真治に、そっと手を伸ばす優子。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん!」
立ち上がった真治は、泣きながら優子に抱きつこうとした。
「アホか、甘えすぎ!」
優子が真治にビッターン! とビンタする。てっきり優しく包んでくれると思っていた真治は、ジンジン痛い頬を抑えることになった。
「さ、帰るよ」
こうして優子と真治は真夜中の世界を自宅へ向け戻って行った。そして家にたどり着いてから気づいた。橘高重を置き忘れていた……と。
世界が静まり返る午前1時、真治、優子、重の3人がトンネルの前に到着した。さすが真夜中という中にある暗いトンネルの入り口。
「だ、誰が行くの?」
ドキドキしながら真治が言ってみたら、重が勇ましい態度で声を出す。
「そりゃぁ、おれと真治の2人じゃん!」
コルクガンを持ってかっこうよく振る舞っている。でもそれは優子というあこがれの巨乳女子に、自分をよく見せたいって思惑が大。どのくらいデカいかっていえば、激アツの太陽くらい。
「わたしはここで見張ってるよ。なんかあったらすぐ駆けつけるから」
大人っぽく言っている優子の声は、こわい話には男が先頭であるべき! 的な感が漂っている。
「じゃぁ……行こうか」
真治は重と並んでゆっくり進み始めた。ぽっかり開いている口みたいなトンネルは、ゾーッとするほど真っ暗。あの世への入り口って表現が似合いまくっている。
「幽霊がかわいくて巨乳な女子だったらいいのになぁ」
トンネル内で大きな声を出す重。
「ったく……少し声のボリュームを下げて……」
真治はあきれながら言っていたが、途中でセリフが切れた。歩行の足もストップした。
「あ、あれ……あれ!」
右人差し指を前方に向け、重にあれを見ろ! と促す。
「いきなり幽霊だ!」
重が言った事は正しい。トンネルのど真ん中に、学校で使っているのと同じ机とイスがあって、青白いオーラを立てながらひとりの少女が座っている。
「真治、行け!」
いきなり重は真治の背中を押す。
「なんだよ、いっしょじゃないのかよ」
「だいじょうぶだ、何かあったらおれが幽霊を撃ってやるから」
「まったくもう……」
ガクガク、ブルブル、おびえながら真治が歩き出す。あれはどう見てもこの世の人様でない。そんなところへ自ら歩み寄るっていうのは、心臓が冷え冷えするように怖い。
「きみ、わたしの彼氏になってくれる?」
突如として幽霊少女から言葉が出た。
「え、え? か、彼氏?」
おどろいた瞬間、びりびり! として真治が身動き不能と化す。
「わたし小6の女、きみも同じ小学生でしょう? だったら付き合おう。それともなに? わたしみたいな女はダメかな?」
ユラユラっとイスから立ち上がる少女。その動作はすべてがエア的でうつくしい。ユラーっと空気の海を泳ぐようにして、真治へ向かってくる。
「い、いや……ぼ、ぼく……」
「どうしたの? わたしってそんなにブスかな?」
「ぶ、ブスじゃないけど……」
真治はちょっと言いづらかった。幽霊少女は決してブスではない。でもそれと好みは別の問題。さらに言うと、幽霊少女は巨乳とはまったく無縁。真治のハートがブルブルする事はない。
「真治! どけ、おれに任せろ!」
後方にいた重が、腕につけたライトを照らしながら、持っていたコルクガンを撃つ。それが幽霊少女の顔面に当たる。
「どうして? かわいい女の子を攻撃して胸が痛んだりしないの?」
幽霊少女に言われると、重は連射しながら叫んだ。
「かわいいけど好みじゃない! それに全然巨乳じゃないアウトオブ眼中! 立ち去れ幽霊! ここはおまえのいる世界じゃない!」
重が吠えて攻撃する。でもそれは幽霊少女を怒らせた。途端に表情が本格ホラーとなる。口が避けトラのような犬歯が出る。
「失せろ!」
幽霊少女が腕を降ると、触られてもいないのに重はつよく押された。固いカベに背中をはげしく打ち付けたことで、ばったり倒れて気絶する。
「えぇ、橘高……いきなり気絶?」
両足をガクブルさせる真治、幽霊少女に睨まれ問われた。
「おまえは巨乳が好きなのか?」
「は、はい……大好き……」
バカ正直に答えたりするから、幽霊少女の顔がますます崩れておそろしいモノになる。今にも泣きだしそうな真治を、猛獣みたいな口で食い殺しかねない。
そのとき、2人の戻りが遅いからと心配していた優子がやってくる。弟を心配する姉は、当然ながら名前を読んだ。
「真治!」
その声を聞くと幽霊少女の目が、真治から優子へと移動。そうして突然に何かを思い出したかのようにワナワナ震えだす。
「女、おまえ……わたしと同じ小6くらいだろう!」
幽霊に怒鳴られドキドキしながらも、優子は毅然と返事をする。
「そ、そうだけど……それがなに?」
「おまえ……そのTシャツのふくらみ具合はかなりの巨乳と見た! 何カップか言え!」
「え? え?」
「言わないとおまえの弟を食い殺す!」
「ま、待って、い、今のところ……い、Eカップ……」
「Eカップ? 乳は? 乳は何cm?」
「ち、乳っていうかおっぱいは……89cmくらい……」
「89cm……Eカップ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
優子のサイズを聞いたら幽霊少女が発狂した。トンネル内に響き渡るほど絶叫すると、憎しみの目を優子に向けて言うのだった。
「わたしが生きていたとき……めちゃくちゃ性格の悪い巨乳がクラスメートにいたんだ。おまえはその女にちょっと似ている。自分の乳が豊かだからって自慢ばっかりして、全然胸の無かったわたしを散々バカにした。だからわたしは自殺なんかしてしまったんだよ」
すると優子はおびえつつもキッパリと反論。
「わたし、そんなひどいこと思ったりやったりしない。そんな女と一緒にされたくない」
するとますます幽霊少女は怒りに燃えていく。
「だまれ、だまれ、だまれ! 巨乳はみんな性格が悪いんだ。乳ばっかり考え、頭と心を何も養わないボンクラ。人の心を学ばず乳しか育成しないクソったれなんだ。それが巨乳って女の正体なんだ」
かなしい、あまりにもかなしい……そんな幽霊少女は真っ赤な目で優子をおびえさせると、ギッとつよく睨みつけた。
「ぁぅ……」
優子の体に生じたビキビキ縛り。それは極上の金縛りと呼ぶにふさわしい。まったく、どうあっても解けず動けない。そこに幽霊少女の声がかけられる。
「いい事を思いついた。今から巨乳の体をのっとる! 自分の体が巨乳だったら、どれくらいたのしくてキモチイイかたっぷり味わう。それからあの世に旅立たせてもらうわ。そうすれば巨乳、おまえはわたしの仲間になるんだ。かわいくて巨乳だけど、誰とも愛し合えない惨めな幽霊になるんだ」
ハハハハと笑い、おびえ涙うかべる優子に近づく幽霊。そしてほんとうに優子の中にスーッと入っていた。消えたのではなく入ったってことは、優子に生じる変化が証明となる。
「ふふふ」
突然に優子の両目が赤くなる。そうして口からトラもびっくりするような犬歯を出す。そうして物騒な事を言うのだった。
「これが巨乳の体か……今からたっぷりたのしもう。でもその前に、犬歯が疼くからひとり葬ろうかな。弟とかいうのをこの世から抹殺しようかなぁ」
腰が抜けて動けない真治、おそろしき存在と化した姉に見つめられ絶体絶命。
「お、お姉ちゃん……」
殺されてしまう、真治はそう思った。思えば短い人生だったなぁとか、かわいくて巨乳な彼女が欲しかったなぁとか、心残りがジェットコースターみたいに駆ける。
だがそのとき! 突如としておそろしい優子が胸に手を当てた。何やら非常に苦しいようで、両膝がガクっと落ちた。
「な、なんだこの不快感は……」
優子の中にいる幽霊少女は、乗っ取りがうまくいっていない? と呼吸を乱す。それから両手を地面につけると、ぜーぜー息を切らしつぶやく。
「この感じ……これは……まさか人が持つ優しさとかいうのか……これは……この巨乳女子が持っている優しい心とかいうのか。それがわたしの持つ憎しみを包み込んでいるというのか」
ダラダラっと流れ落ちる汗。幽霊少女は優子の体を完全に乗っ取れないどころか、このままでは自分の存在が消されるような気がした。なぜなら優子のやさしさは負を払拭するだけの、まさに女神のように大きなものだったからだ。
「う……うそだ……巨乳の女に優しさなんかあるもんか……巨乳はみんな性格が悪いんだ。乳のデカい女が優しさを知っているわけがない……そんなのって……そんなのって」
幽霊少女は優子の体から追い出されそうになる。そして追い出されたら浄化されるとわかった。もう二度と苦しまないで済むという、安らぎの世界へ旅立つのだと。
「く、くやしいけど……で、でも……わたしが持っている憎しみは……この優しさには勝てない。多分、憎しみは優しさに勝てないって事なんだ」
ここでスーッと優子から青白い光が抜け出る。少女のカタチはしておらず、おだやかでかわいい玉のように見えなくもない。
「ごほごほ……」
汗いっぱいになってむせる優子。息を切らしながら立ち上がったら、とってもおちついたかわいい声で言われるのだった。
「ありがとう。あなたの優しさに触れたことで、わたしはやっと苦しみのない世界に逝ける。あなたのような優しい女の子と友だちになりたかった。でも……これで十分。ありがとう……ほんとうにありがとう」
そうして光が消えた。一瞬でトンネルは真っ暗に逆戻り。シーンと静まり返り、真夜中の休息感と波調を合わせる。
「真治、だいじょうぶ?」
立ち上がれなかった真治に、そっと手を伸ばす優子。
「お姉ちゃん……お姉ちゃん!」
立ち上がった真治は、泣きながら優子に抱きつこうとした。
「アホか、甘えすぎ!」
優子が真治にビッターン! とビンタする。てっきり優しく包んでくれると思っていた真治は、ジンジン痛い頬を抑えることになった。
「さ、帰るよ」
こうして優子と真治は真夜中の世界を自宅へ向け戻って行った。そして家にたどり着いてから気づいた。橘高重を置き忘れていた……と。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語
jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ
★作品はマリーの語り、一人称で進行します。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる