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優子が異世界に飛ばされた!(こんな巨乳女子と結婚がしたい)15

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 優子が異世界に飛ばされた!(こんな巨乳女子と結婚がしたい)15


「んんぅ?」

 ドラゴン、シンジを踏みつぶしたと思ったが、ちょっと違和感があると思ったからほんの少しだけ足を上げて目を向ける。するとシンジのペラペラになったような死体ではなく、仰向けでドラゴンの足を両手で押し返すシンジがいた。

「あぅ……っと」

 生きていたのか! とドラゴンがおどろいたその一瞬でシンジがすばやく立ち上がって移動。

「ハァハァ……いまのは……ヤバかった……死ぬかと思った」

 シンジがゼーゼー息を切らす。上から下まで特注した数百万円の戦闘服がボロボロになってしまっている。

「シンジ、今度は我がおまえを気遣ってやろう。この勝負はおまえの負けだ。だから潔く優子を我に譲れ」

 ドラゴンは思った、今度ばかりは自分の勝ちだろう。たとえ巨大化しようとも頭が八つのドラゴンに勝てるわけがないと、確実な勝利をすでにがっちり確信する。

 だがボロボロになっているシンジが思いもしないことを真顔でドラゴンに言い返す。

「ドラゴン、まさか勝ったつもりでいるのか?」

「なにぃ? シンジ、貴様この期に及んで虚勢を張るか」

「虚勢じゃない、言っただろう、おれの優子を想う熱いキモチに不可能はないと」

 てあ! と気合と共に空高くジャンプしたシンジ、太陽の光を背に受けて叫んだ。

「ナカノ・スプリットエイト!」

 その途端、シンジの体が八つに分裂した。

「な、なにぃ!」

 もう何回目かわからないが、とにかくはげしく驚いたドラゴン、八つの頭VS八つ身なので結局勝負はハンデなしとなった。だが確実に勝てると思っていた者がおどろきでテンションを下げると弱くなるというのがお約束だったりする。

「テワ!」

「テワ!」

「エワ!」

「テワ!」

「テワ!」

「テワ!」

「テワ!」

「テワ!」

 頭が八つあっても8人が相手でそれぞれボコられまくってはたまらない。さすがのドラゴンもこう思った。なんかもう戦うのがイヤになった……という風に。

「とどめだドラゴン!」

 8人のシンジがドラゴンを担ぎ上げた。そしてそのまま空高く放り投げたら、空中で無防備となったドラゴンめがけてナカノ・エクストリーム光線を出そうとする。

 が、しかし……シンジはそれをしなかったのである。いずれも光線を放ったりはしなかった。 ズーン! とすごい音がしてドラゴンが地面に落下。イタイタと言って転がり回ったが、それが落ち着いたら……すでに八つ身を解除しているシンジに問う。

「なぜだ、なぜあそこで光線を放たなかった」

「なぜだろうかな……よくわからないが、殺したくないと思った。もしかするとそれは……」

「もしかすると……なんだ?」

「同じ女に惚れた者同士だからとか……そういうのがあるのかもな」

「あぁ……もう我の負けでいい……ほんとうにもう疲れた……所詮、我は自分が好みだと思う女と結ばれることはできないのだ」

「いやいや、そんなことはないだろう」

「なぜそう思う?」

「ドラゴンはドラゴンと、ま、つまりドラゴン同士での愛を探せばいずれは幸せに巡り合えるんじゃないの? ぜひそうなって欲しいとおれは思うけどな、応援するからさ、まぁがんばれよ」

「じゃぁまぁ……相方探しの度にでも出ることにする。優子はあきらめる、すまなかったな」

「おぉ、がんばってな」

 シンジが見送って手を振る中、ドラゴンが飛び去っていく。そしてシンジはスルスルっと地上へ引っ張られるようにして40mから元のサイズという人間に戻っていった。

「優子」

 シンジは振り返る。そして離れたところでシンジを心配して見守っていた優子に歩み寄る。

「優子……ケガは?」

「ありません」

「そうか、無事でよかった」

 シンジはここで無意識に両手が動いた。ギュウっとまっすぐ優子を抱きしめたのである。今ならそれをやってもいいよな? などという下心ではなく、極めてピュアで自然に出た行動だった。

 あぁ……なんて温かくてやわらかくてキモチいいのだろう……とシンジは優子を抱きしめながら思わずにいられない。

「あの……」

 優子が声を出したとき、嫌がられているのかなとシンジはちょっと不安になった。

「助けてくれて……ほんとうにありがとうございます」

 言って優子が両腕を回した。シンジのキモチに応えるかのように、ソッとではあるが抱きしめ返すようなことをしてくれる。身長はシンジの方が高いわけであるが、それでもいま……シンジは自分のすべてがしっかりやさしく抱きしめられているようにしか思えなかった。

(あぁ……)

 生まれて初めて胸の内に澄み渡るような温かいカンゲキを覚えた。それは生まれてきた良かった、男に生まれてよかった、そしてこの人に出会てよかったという感じそのもの。

「ん……」

 もっと優子を抱きしめていたいと思ったが、シンジはここで優子から離れた。すると心地よさが丸ごと消滅してさみしいと言わざるを得ない感じに全身が覆われる。

「帰ろう」

 少しだけ歩いて振り返ったシンジ、笑顔で優子に手を伸ばす。だが優子は手を伸ばさなかった。とてもさみしそうな目をシンジに向けた。その顔はシンジの内側をせつなくかき混ぜるようなモノだった。
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