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42・肝心なところで意気地なしめ!
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42・肝心なところで意気地なしめ!
「光、ちょっと話があるんだ」
夏休みももうすぐ終わりやんけ! って表現が背後まで迫った今日、わたしはさすがにガマンならないとして彼氏へ言う事にした。
「な、なに?」
「その軽快な声だと、〇〇大賞に送る小説はやり終えたんだね?」
「うん、それはちゃんとできた」
「そういうのをやって、ネットでも小説を出してとがんばる光はステキだよ、そういうがんばる彼氏とか大好きだよ」
「い、いやぁ、そんな……テレるじゃん」
「でさ、昨日アップされた新作を読んだよ」
「あ、ありがとう!」
「いや、いいんだけどさ……うん、いいんだけど……ちょっと思ったんだよ」
「え、何を?」
「あの「優子が初ビキニ! 小6でEカップの美巨乳がさく裂!」 って話を読んで思ったの。優子はビキニができるんだ……いいなぁって」
「え?」
「優子なんて去年のわたしじゃんか、わたしも小6でEカップだったから。でも、いまわたしはビキニをやりたいのにできない、いつになったらできるんだろうって待っている……待ってる……待ってる」
「え、え、え?」
「光……あと数日で夏休みが終わるよ? どうすんの? まさかわたしをプールデートに誘わないで夏休みを幕下ろしにするの?」
「あの……マリーさん?」
「あの……マリーさんじゃないつーんだよ、こっちは光にビキニ姿を見せてあげたい、見て欲しいと思って構えているのに、ふつうだったらさ、彼氏が彼女のビキニ姿を見たいとか思ってもなかなか見れないはず。それなのになんでわたしは見せてあげたいのに見てもらえないって悩まなきゃいけないの?」
「あの……」
「友だちとプールに行ってビキニになればいいとかいうの? 彼氏にビキニ姿を見せたいって女心……わかってくれないの? わかってもらえないなら女はどうやって心を落ち着かせたらいいの?」
光はわたしの押しに対してたっぷり緊張していますってオーラを電話の向こうから伝えてくる。
「見たい……ものすごく……マリーのビキニ姿、それを見れると思うから生きているって感じ」
「おぉ……今の言い方すごいナイス!」
「で、でも……見たいからこそ、今は見たくないっていうか」
「それ前にも言った。まだそう思ってるの?」
「え?」
「わたし……思うんだ。わたしのビキニ姿を見てドキ! っとして、今まで想像でしかなかった絵を現実に見てドワーって快感物質が出てもさ、一瞬グラっとしてもさ、そんな程度でおれの才能は損なわれたりしないぜ! というのがほんとうの天才じゃないのかなぁって」
わたしは電話しながらカレンダーを見て、あぁ、暑いなぁ……とか、夏休みが終局を迎えるにはあと数日あるのかぁ……なんてつぶやいたりする。
でも光は急にどんどん具合が悪くなっていく。こいつ……夏休みの間にわたしをプールに誘うって勇気を作っていなかったんだ、ほんとうに。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃんか……わたしたち両想いなんだよ? わたし中1でEカップって巨乳、光はわたしみたいな巨乳女子に恋い焦がれるおっぱい星人、そうだよ……おっぱい星人のくせに……巨乳女子が主人公の小説も書いているのに……なんで? なんで肝心なところで意気地なしになるの? なんで怖がるの? どうしてなの?」
「ご、ごめん、ちょっと待って……」
「なに?」
「お腹が痛くて……トイレに行きたい……」
「もういい、電話切る!」
わたしは電話を切ってからベッドにどっさり仰向けとなった。そしてスマホを手から離し天井を見上げながらつぶやかずにいられなかった。
「肝心なところで意気地なし……」
「光、ちょっと話があるんだ」
夏休みももうすぐ終わりやんけ! って表現が背後まで迫った今日、わたしはさすがにガマンならないとして彼氏へ言う事にした。
「な、なに?」
「その軽快な声だと、〇〇大賞に送る小説はやり終えたんだね?」
「うん、それはちゃんとできた」
「そういうのをやって、ネットでも小説を出してとがんばる光はステキだよ、そういうがんばる彼氏とか大好きだよ」
「い、いやぁ、そんな……テレるじゃん」
「でさ、昨日アップされた新作を読んだよ」
「あ、ありがとう!」
「いや、いいんだけどさ……うん、いいんだけど……ちょっと思ったんだよ」
「え、何を?」
「あの「優子が初ビキニ! 小6でEカップの美巨乳がさく裂!」 って話を読んで思ったの。優子はビキニができるんだ……いいなぁって」
「え?」
「優子なんて去年のわたしじゃんか、わたしも小6でEカップだったから。でも、いまわたしはビキニをやりたいのにできない、いつになったらできるんだろうって待っている……待ってる……待ってる」
「え、え、え?」
「光……あと数日で夏休みが終わるよ? どうすんの? まさかわたしをプールデートに誘わないで夏休みを幕下ろしにするの?」
「あの……マリーさん?」
「あの……マリーさんじゃないつーんだよ、こっちは光にビキニ姿を見せてあげたい、見て欲しいと思って構えているのに、ふつうだったらさ、彼氏が彼女のビキニ姿を見たいとか思ってもなかなか見れないはず。それなのになんでわたしは見せてあげたいのに見てもらえないって悩まなきゃいけないの?」
「あの……」
「友だちとプールに行ってビキニになればいいとかいうの? 彼氏にビキニ姿を見せたいって女心……わかってくれないの? わかってもらえないなら女はどうやって心を落ち着かせたらいいの?」
光はわたしの押しに対してたっぷり緊張していますってオーラを電話の向こうから伝えてくる。
「見たい……ものすごく……マリーのビキニ姿、それを見れると思うから生きているって感じ」
「おぉ……今の言い方すごいナイス!」
「で、でも……見たいからこそ、今は見たくないっていうか」
「それ前にも言った。まだそう思ってるの?」
「え?」
「わたし……思うんだ。わたしのビキニ姿を見てドキ! っとして、今まで想像でしかなかった絵を現実に見てドワーって快感物質が出てもさ、一瞬グラっとしてもさ、そんな程度でおれの才能は損なわれたりしないぜ! というのがほんとうの天才じゃないのかなぁって」
わたしは電話しながらカレンダーを見て、あぁ、暑いなぁ……とか、夏休みが終局を迎えるにはあと数日あるのかぁ……なんてつぶやいたりする。
でも光は急にどんどん具合が悪くなっていく。こいつ……夏休みの間にわたしをプールに誘うって勇気を作っていなかったんだ、ほんとうに。
「そんなに怖がらなくてもいいじゃんか……わたしたち両想いなんだよ? わたし中1でEカップって巨乳、光はわたしみたいな巨乳女子に恋い焦がれるおっぱい星人、そうだよ……おっぱい星人のくせに……巨乳女子が主人公の小説も書いているのに……なんで? なんで肝心なところで意気地なしになるの? なんで怖がるの? どうしてなの?」
「ご、ごめん、ちょっと待って……」
「なに?」
「お腹が痛くて……トイレに行きたい……」
「もういい、電話切る!」
わたしは電話を切ってからベッドにどっさり仰向けとなった。そしてスマホを手から離し天井を見上げながらつぶやかずにいられなかった。
「肝心なところで意気地なし……」
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