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第91話 ポーシャの大誤解
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セス様はカールソンさんも呼んできて、私に領地経営について講義をした。
現場のプロは違う。
微に入り細に入り、わからなさそうな顔をしていると、掘り下げて懇切丁寧に説明してくれた。
私はげっそりした。
なんて面倒臭い。
怒涛の勢いで領地について語り終えたカールソンさんが帰ると、セス様が真面目な様子になって言った。
「私も帰りますけどね、ポーシャ様」
「はい。なんでしょうか」
領地経営の話なら、もうお腹いっぱいである。
「モロゾフにグレイ様といますって、殿下に知らせたのは私ですけど」
そりゃ知ってますって。そのせいで、あんな大惨事になってしまった。
「それから、アデル嬢を呼んだのも私ですが」
本当に余計な真似をしてくれやがって。
「全部、殿下の指示ですからね」
「え?」
セス様が頷いた。
「絶対呼べと。公開断罪したいからって」
私は、この時、ものすごい間抜けヅラを晒したと思う。公開断罪って何?
なんで、そんなことをしなくてはいけないの?
「満員のモロゾフの客の前でしなくたっていいじゃありませんか」
私は今更ながら泣き言を言った。貧乳が大勢にバレてしまったではないか。
「そりゃそうですけど、まさか、王宮であれはできません。王家公認になってしまいますから」
王家公認の貧乳ってあるのか。王家はそんなことを判定する機関じゃないと思うけどな。
「王宮で公開暴露されるよりマシかもしれないけど」
私の貧乳問題……
「暴露というか……できるだけ大勢の、それも高位の貴族や平民でも富豪の方々の目前で、難癖をつけたかったのだと思います」
セス様は大きく頷きながら、爆弾発言を投げつけた。
「結婚相手としては絶対ないと」
えええええ?
なんじゃそりゃあ!
公開婚約破棄だったの?
どう言うつもりなの? 殿下? 婚約者だと堂々と紹介しながら、貧乳だなんて非難するなんて。
私に結婚願望はなかったが、お嫁に行けなくなりそうだ。しょんぼり。あ、私の場合、婿を取るのか。
「ひどいな殿下。人権侵害だと思います」
私は抗議した。
いくら貧乳だからって、結婚相手から外れたはないだろう。じゃあ、貧乳は結婚できないのか? そりゃ殿下の趣味の話だろう。難癖をつけて公開って何? ひどくない?
「そんなことのために、アデル嬢を呼んだのですか?」
セス様は私の人権侵害発言に驚いたらしかったが、頷いた。
「人権侵害と言われましても。グレイ様が疑いをかけられるのはもっともですから、人権侵害には当たりませんよ」
「いや、グレイ様の話ではなくて、私への人権侵害です」
私は訴えた。
セス様は目に見えて狼狽えた。
「ええと、あの……なんのお話ですか? 殿下はですね、ただ単にグレイ様を排除したかっただけなんですよ?」
「え? グレイ様、かわいそう」
私もかわいそう。あんなことバラされて。アデル嬢が憎い。でも、アデル嬢なんか、どうにもこうにもならない。失言のオンパレード。わかっているくせに、そんな人間をわざわざ連れて来るだなんて、殿下が悪い。
「殿下はもうグレイ様が憎たらしくて憎たらしくて、あのまま箱詰めにして元居た国に送り返したいとおっしゃっていました」
「グレイ様、この国の出身でしょ? 元居た国といっても、貿易で訪れたことがあるだけの国じゃないんですか?」
「まあ、つまり国外追放かな? 毒殺に関係があるとわかれば、ポーシャ様が怖がって、興味を失うだろうと……」
そんなわけあるか。
何回、毒殺されたと思っているのだ。
「毒殺に関係していても、怖くはありませんが」
「あ、でも、嫌いになってくれないかなとか、とにかくもう、デートの相手が許せなくてですね?」
「デートじゃなくて、捜査協力しただけなのに」
「それでもダメです。あんなエッチなドレスをプレゼントした時点で、頭のタガが外れたらしくって」
あああ……。そうか。あのドレスも一役買ったのか。デコルテのデザインが限界近い感じだったもんな。
「まあ、有る事無い事、モロゾフの客にも認識させて、あれはないと思わせたい」
あれって、貧乳女、つまりは私のことか。
「殿下のお気持ちはよくわかりました」
私はキッパリと言った。
ものすっごくイラっとする。
有る事無い事、難癖つけて、あれはないと思わせたいんですってさ。
「お嬢様、バスター様がお見えになりました」
侍女が伝えにきた。
私はキリッとして、セス様に言った。
「それでは、お引取りくださいませ。殿下のお気持ちは、承りましたとお伝えください」
セス様はどうしてだか、びっくりしていた。
「そ、それでは、ご婚約問題は了承されたと?」
「も、ち、ろ、ん、です」
私は一字一句に力を込めた。
「もう二度とお会いいたしません。殿下のお気持ちはよぉーっく伝わりました。アデル嬢まで呼んできて、私の欠点をあげつらってモロゾフの客の前で嘲笑するとは、見上げた嫌がらせです。そんなことをしなくても、いつでも婚約破棄には応じましたのに」
あれ? 誓約のキスしてたっけ? こういう場合はどうなるのかな?
「とにかく、これで一件落着ですわ!」
「えっ? ちょっと? どう言うこと? またまたポーシャ様、変なこと考えてるでしょう? いいですか? 殿下はですね?」
私はなぜか渋り、抵抗するセス様を絨毯部屋に押し込めて、魔術塔に強制送還した。
それからバスター君を迎えに行った。
現場のプロは違う。
微に入り細に入り、わからなさそうな顔をしていると、掘り下げて懇切丁寧に説明してくれた。
私はげっそりした。
なんて面倒臭い。
怒涛の勢いで領地について語り終えたカールソンさんが帰ると、セス様が真面目な様子になって言った。
「私も帰りますけどね、ポーシャ様」
「はい。なんでしょうか」
領地経営の話なら、もうお腹いっぱいである。
「モロゾフにグレイ様といますって、殿下に知らせたのは私ですけど」
そりゃ知ってますって。そのせいで、あんな大惨事になってしまった。
「それから、アデル嬢を呼んだのも私ですが」
本当に余計な真似をしてくれやがって。
「全部、殿下の指示ですからね」
「え?」
セス様が頷いた。
「絶対呼べと。公開断罪したいからって」
私は、この時、ものすごい間抜けヅラを晒したと思う。公開断罪って何?
なんで、そんなことをしなくてはいけないの?
「満員のモロゾフの客の前でしなくたっていいじゃありませんか」
私は今更ながら泣き言を言った。貧乳が大勢にバレてしまったではないか。
「そりゃそうですけど、まさか、王宮であれはできません。王家公認になってしまいますから」
王家公認の貧乳ってあるのか。王家はそんなことを判定する機関じゃないと思うけどな。
「王宮で公開暴露されるよりマシかもしれないけど」
私の貧乳問題……
「暴露というか……できるだけ大勢の、それも高位の貴族や平民でも富豪の方々の目前で、難癖をつけたかったのだと思います」
セス様は大きく頷きながら、爆弾発言を投げつけた。
「結婚相手としては絶対ないと」
えええええ?
なんじゃそりゃあ!
公開婚約破棄だったの?
どう言うつもりなの? 殿下? 婚約者だと堂々と紹介しながら、貧乳だなんて非難するなんて。
私に結婚願望はなかったが、お嫁に行けなくなりそうだ。しょんぼり。あ、私の場合、婿を取るのか。
「ひどいな殿下。人権侵害だと思います」
私は抗議した。
いくら貧乳だからって、結婚相手から外れたはないだろう。じゃあ、貧乳は結婚できないのか? そりゃ殿下の趣味の話だろう。難癖をつけて公開って何? ひどくない?
「そんなことのために、アデル嬢を呼んだのですか?」
セス様は私の人権侵害発言に驚いたらしかったが、頷いた。
「人権侵害と言われましても。グレイ様が疑いをかけられるのはもっともですから、人権侵害には当たりませんよ」
「いや、グレイ様の話ではなくて、私への人権侵害です」
私は訴えた。
セス様は目に見えて狼狽えた。
「ええと、あの……なんのお話ですか? 殿下はですね、ただ単にグレイ様を排除したかっただけなんですよ?」
「え? グレイ様、かわいそう」
私もかわいそう。あんなことバラされて。アデル嬢が憎い。でも、アデル嬢なんか、どうにもこうにもならない。失言のオンパレード。わかっているくせに、そんな人間をわざわざ連れて来るだなんて、殿下が悪い。
「殿下はもうグレイ様が憎たらしくて憎たらしくて、あのまま箱詰めにして元居た国に送り返したいとおっしゃっていました」
「グレイ様、この国の出身でしょ? 元居た国といっても、貿易で訪れたことがあるだけの国じゃないんですか?」
「まあ、つまり国外追放かな? 毒殺に関係があるとわかれば、ポーシャ様が怖がって、興味を失うだろうと……」
そんなわけあるか。
何回、毒殺されたと思っているのだ。
「毒殺に関係していても、怖くはありませんが」
「あ、でも、嫌いになってくれないかなとか、とにかくもう、デートの相手が許せなくてですね?」
「デートじゃなくて、捜査協力しただけなのに」
「それでもダメです。あんなエッチなドレスをプレゼントした時点で、頭のタガが外れたらしくって」
あああ……。そうか。あのドレスも一役買ったのか。デコルテのデザインが限界近い感じだったもんな。
「まあ、有る事無い事、モロゾフの客にも認識させて、あれはないと思わせたい」
あれって、貧乳女、つまりは私のことか。
「殿下のお気持ちはよくわかりました」
私はキッパリと言った。
ものすっごくイラっとする。
有る事無い事、難癖つけて、あれはないと思わせたいんですってさ。
「お嬢様、バスター様がお見えになりました」
侍女が伝えにきた。
私はキリッとして、セス様に言った。
「それでは、お引取りくださいませ。殿下のお気持ちは、承りましたとお伝えください」
セス様はどうしてだか、びっくりしていた。
「そ、それでは、ご婚約問題は了承されたと?」
「も、ち、ろ、ん、です」
私は一字一句に力を込めた。
「もう二度とお会いいたしません。殿下のお気持ちはよぉーっく伝わりました。アデル嬢まで呼んできて、私の欠点をあげつらってモロゾフの客の前で嘲笑するとは、見上げた嫌がらせです。そんなことをしなくても、いつでも婚約破棄には応じましたのに」
あれ? 誓約のキスしてたっけ? こういう場合はどうなるのかな?
「とにかく、これで一件落着ですわ!」
「えっ? ちょっと? どう言うこと? またまたポーシャ様、変なこと考えてるでしょう? いいですか? 殿下はですね?」
私はなぜか渋り、抵抗するセス様を絨毯部屋に押し込めて、魔術塔に強制送還した。
それからバスター君を迎えに行った。
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