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婚約者のすげ替えを狙う
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一方で、兄夫妻の死後、叔父夫婦は、熱心に社交界に顔を出していた。だが、マリゴールドの話題には出来るだけ触れず、他人からどうして連れてこないのか聞かれた時も、まだ子どもですからで済ませていた。彼らにはそれより大事なことがあったのだ。年ごろの二人の娘を貴族社会に売り出すことだ。
「せっかく伯爵家になれたんですものね」
認識がよくわからないが、マリゴールドの叔母はよくそう口にした。嘘も百回も言えば本当になると言うヤツだろうか。
エレンとアメリアは、マリゴールドに比べたら格段に、何と言うか貴族的な雰囲気がなかった。
物欲しそうにあたりをキョロキョロし、年頃の男性を見かけるとガン見して、二人で何ごとかコソコソささやいている。
ドレスは豪華なのだが、なんだか似合っていない。
「伯爵家の娘ですから」
叔父夫婦は誇らしげに娘たちをそう紹介した。正確には伯爵家の娘ではないだろう。それに、だから何だと言うのだろう。
誰もがそう感じ、どの男性も遠巻きにしていたが、ある夜会で二人に接触してきた男性がいた。
誰あろう、エドワード王子その人である。
「「「「まあ、殿下の方からお越しくださるだなんて!」」」」
四人はとても嬉しそうだった。理由はわからなかったが、どうも夜会では浮いているような気がしていたのである。
新生伯爵家一家という触れ込みで、マリゴールド宛ての招待状も伯爵家宛ての招待状も、一通も漏らさず全部出席してきた。なにしろ新伯爵家一家なのだ。皆様に早く知っていただきたい。
それなのに、なんだかいつも会の雰囲気が芳しくない。
みんな愛想はよいのだが、聞くことはマリゴールドの話題のみ。その後、話が続かない。ぜひ聞いて欲しい自称・新伯爵家一家の話には興味がないようで、気持ちよく相槌を打ってくれるが、それで終わり。それに高位貴族になればなるほど、二度と話しかけてこないのだ。
「貴族って、冷たくて失礼な人が多いのねえ」
だが、王子殿下が話しかけてくだされば、事情は変わるだろう。
実は叔母はマリゴールドの婚約のことを知っていた。
王子との婚約! まるで夢のようではないか!
夫が伯爵になれば、娘たちも王子と結婚できるのか? 王子様って何人いたっけ?
「男兄弟は3人だな。なぜ、そんなことを聞く」
王子殿下はうるさそうに手を振った。
「じゃあ、もう売り切れですね」
偽伯爵夫人は残念そうに感想を述べた。
「それより、マリゴールド嬢はどうしている? 母に一度家を訪ねるよう言われているのだが」
王子殿下は不機嫌そうに尋ねた。
「マリゴールドは勉強熱心なんです」
叔母は答えた。答えになっていない。
「勉強? 婚約に興味がないなら、そう言ってもらえばいい」
「当家との婚約ですか? マリゴールドでなくても、もっと美しくて王子殿下をお慕いする娘が二人も当家にはおりますわ」
エドワード殿下は、自分と同じ黒髪と茶色い目の二人の娘を見つめた。
もっと、年上がいいなーと思っていた王子の望みをかなえるような豊満な娘たちである。それが尊敬とあこがれの目でエドワード殿下を見つめていた。
「マリゴールドはちっとも肉が付かなくて」
「今でも子供のようですわ」
これはまごう方なき真実だった。マリゴールドは痩せて幽霊みたいになっていた。
「一度、お邪魔させていただこう。マリゴールド嬢本人にお目にかかり、婚約について意見をお聞きしたい」
婚約解消はよくある話だった。条件が折り合わなくなれば当然の話だ。
「マリゴールドは殿下との結婚を望んでおりませんわ」
姉のエレンが思いがけないことを言い始めた。
「せっかく伯爵家になれたんですものね」
認識がよくわからないが、マリゴールドの叔母はよくそう口にした。嘘も百回も言えば本当になると言うヤツだろうか。
エレンとアメリアは、マリゴールドに比べたら格段に、何と言うか貴族的な雰囲気がなかった。
物欲しそうにあたりをキョロキョロし、年頃の男性を見かけるとガン見して、二人で何ごとかコソコソささやいている。
ドレスは豪華なのだが、なんだか似合っていない。
「伯爵家の娘ですから」
叔父夫婦は誇らしげに娘たちをそう紹介した。正確には伯爵家の娘ではないだろう。それに、だから何だと言うのだろう。
誰もがそう感じ、どの男性も遠巻きにしていたが、ある夜会で二人に接触してきた男性がいた。
誰あろう、エドワード王子その人である。
「「「「まあ、殿下の方からお越しくださるだなんて!」」」」
四人はとても嬉しそうだった。理由はわからなかったが、どうも夜会では浮いているような気がしていたのである。
新生伯爵家一家という触れ込みで、マリゴールド宛ての招待状も伯爵家宛ての招待状も、一通も漏らさず全部出席してきた。なにしろ新伯爵家一家なのだ。皆様に早く知っていただきたい。
それなのに、なんだかいつも会の雰囲気が芳しくない。
みんな愛想はよいのだが、聞くことはマリゴールドの話題のみ。その後、話が続かない。ぜひ聞いて欲しい自称・新伯爵家一家の話には興味がないようで、気持ちよく相槌を打ってくれるが、それで終わり。それに高位貴族になればなるほど、二度と話しかけてこないのだ。
「貴族って、冷たくて失礼な人が多いのねえ」
だが、王子殿下が話しかけてくだされば、事情は変わるだろう。
実は叔母はマリゴールドの婚約のことを知っていた。
王子との婚約! まるで夢のようではないか!
夫が伯爵になれば、娘たちも王子と結婚できるのか? 王子様って何人いたっけ?
「男兄弟は3人だな。なぜ、そんなことを聞く」
王子殿下はうるさそうに手を振った。
「じゃあ、もう売り切れですね」
偽伯爵夫人は残念そうに感想を述べた。
「それより、マリゴールド嬢はどうしている? 母に一度家を訪ねるよう言われているのだが」
王子殿下は不機嫌そうに尋ねた。
「マリゴールドは勉強熱心なんです」
叔母は答えた。答えになっていない。
「勉強? 婚約に興味がないなら、そう言ってもらえばいい」
「当家との婚約ですか? マリゴールドでなくても、もっと美しくて王子殿下をお慕いする娘が二人も当家にはおりますわ」
エドワード殿下は、自分と同じ黒髪と茶色い目の二人の娘を見つめた。
もっと、年上がいいなーと思っていた王子の望みをかなえるような豊満な娘たちである。それが尊敬とあこがれの目でエドワード殿下を見つめていた。
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「今でも子供のようですわ」
これはまごう方なき真実だった。マリゴールドは痩せて幽霊みたいになっていた。
「一度、お邪魔させていただこう。マリゴールド嬢本人にお目にかかり、婚約について意見をお聞きしたい」
婚約解消はよくある話だった。条件が折り合わなくなれば当然の話だ。
「マリゴールドは殿下との結婚を望んでおりませんわ」
姉のエレンが思いがけないことを言い始めた。
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