じばく男と肉欲処女

釧路太郎

文字の大きさ
15 / 48
淫欲八姫

第15話 剣を持たない魔剣王ってどういう事なの?

しおりを挟む
 窓を開けても電飾看板が眩しいだけで何の楽しみも無く、テレビもないこの部屋で出来ることなんてお話をすることくらいなのだ。
 せっかくなのでこの世界の事を色々と教えて貰おうと思ってアスモちゃんにお願いしたところ、快諾してくれたので俺はアスモちゃんの話でこの世界の事を学ぶことにした。

「“まーくん”が一番気になっているのは私たちメイドの事だと思うんだけど、メイドには二種類あって非戦闘員と戦闘員に分かれているんだ。オレはその中でも魔剣王と呼ばれる戦闘員で、そんな人間なんで“まーくん”の護衛に選ばれたってわけさ」

「ちょっと待ってもらっていいかな。色々と突っ込みたいことがあるんだけど、俺が一番気になっているのはメイドの事ではなくイザーちゃんの事なんだけど。それに、アスモちゃんが強いってのはさっきの大男を見て分かったよ。でもさ、魔剣王って言うわりにはアスモちゃんは剣なんか持ってないじゃない。剣を持たない魔剣王ってどういう事なの?」
「それにはいろいろと深いわけがあるんだよ。オレだって自由に剣を持って戦いたいんだけどさ、剣を持つと手加減出来なくなっちゃうんだよ。それこそ、剣を持ってるオレは“まーくん”のことだって殺しちゃうかもしれないんだぜ」
「殺されるのは勘弁してほしいけど、魔剣王ってなんかカッコいいよね。男の憧れだよ」
「だよな。男だったらいつの時代でも剣を振り回して最強になりたいよな」

 アスモちゃんは自分の事を男だと自認しているのだけれど、どう見ても可愛らしい女の子なんだよな。俺から見ても年の離れた妹くらいに感じるし、それがどうして自分を男だと思い込むようになったのだろう。
 お城であった人達もみんなアスモちゃんのことを男だと思っていないようだったし、何か言えない事情でもあるというのだろうか。
 それはいつか聞ける時が来たら聞いてみよう。

「“まーくん”さえよかったらオレが使ってた剣をプレゼントするけど、どうする?」
「ちょっと興味はあるけど、今はいいかな。使い方もわからないし、そんな状態で貰ったとしても持てあましちゃいそうだよ」
「意外と似合いそうだけどね。まあ、その気になったらいつでも言ってよ。誰かに頼んで持ってこさせるからさ」

 正直に言うと、魔剣王が使っている剣には物凄く惹かれるものがある。
 アスモちゃんみたいに小さくて可愛らしい女の子が振り回しているような剣を俺に合うのかわからないけど、イザーちゃんに会うまでは我慢しないとな。その時までは俺のわがままは封印しないとな。

「アスモちゃんのことはまた今度教えて貰うとして、次はイザーちゃんのことを教えてよ。この世界でイザーちゃんはどんな感じの扱いをされているのかな?」

 アスモちゃんはちょっと不満そうだったけれど、俺の気持ちを汲み取ってくれたのか渋々と言った感じで話をしてくれた。

「イザーちゃんは八姫と呼ばれる八人の召喚士の一人なんだよ。伝説の肉欲処女サキュバスを呼び出すために何かしてるって話なんだけど、それが何かはオレも知らないんだよね。そもそも、伝説の肉欲処女サキュバスってのが何の役に立つのかもわからないんだけど、皇帝の話ではその肉欲処女サキュバスは名も無き神の軍勢に対して最強の兵器になるって事らしいよ。オレ一人でも何とか出来ると思うんだけど、元を絶たないとあいつらは何度でも湧いてくるって話みたいでさ、それを抑えるのも伝説の肉欲処女サキュバスの役目なんだってさ」
「よくわかってないんだけど、イザーちゃんは召喚士でサキュバスじゃないって事なんだよね?」
「それも良くわかんないんだよ。伝説の肉欲処女サキュバスを呼び出せるのはサキュバスだけだって噂もあるし、純潔じゃないと伝説の肉欲処女サキュバスを呼び出せないって話もあるんだよ。純潔とサキュバスって全く相反するものだし、このご時世に純潔を守ってるのなんて名も無き神の軍勢にしかいないよね。“まーくん”は純潔っぽいけど、イザーちゃんに会ったらそれを捧げるつもりなのかな?」

「そんな事はわからないよ。俺とイザーちゃんは色々あったわけだし、こればっかりは相手の意見も尊重しないといけないことだからね。俺一人で決めれる事じゃないでしょ」
「意外と相手の事を考えてるんだね。“まーくん”の行動を見てればそれも納得だけどさ、あんまり自分を抑えすぎない方が良いかもしれないよ。“まーくん”がイザーちゃんに会うために乗り越えないといけない試練がいくつかありそうだしね」

 アスモちゃんはわかりやすいように神聖サキュバス帝国の地図を広げてくれた。
 首都であるこの街からイザーちゃんがいる艮という場所までは大体釧路から札幌くらいの距離があるみたいだ。
 他の八姫がいるという場所も大体同じくらいの距離があるみたいだが、そちらには特に用も無いので関係ないだろう。
 首都を中心として等間隔に八姫が配置されているのは偶然ではないと思うのだが、この配置だと八姫が首都を守るために置かれているように見える。

「“まーくん”も気付いたみたいだけど、この街を中心に八方向に配置されているのが八姫なんだよ。どうしてその場所なのかはきっと意味があるんだろうけど、オレはそんな細かいことは気にしなかったからわからないんだ。“まーくん”が文字を読めるようになったら、本屋さんで八姫簡単ガイドでも買って読むといいよ。八姫の歴史と役割がそれには書かれていると思うからね」
「歴史って、そんなに長い歴史があるとは思えないんだけど。イザーちゃんって俺と同い年のはずだし」

「それはどうだろうね。今のイザーちゃんの肉体が“まーくん”と同い年なのかもしれないけど、何度も生まれ変わってるから中身は成熟した大人なのかもしれないよ」
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

セクスカリバーをヌキました!

ファンタジー
とある世界の森の奥地に真の勇者だけに抜けると言い伝えられている聖剣「セクスカリバー」が岩に刺さって存在していた。 国一番の剣士の少女ステラはセクスカリバーを抜くことに成功するが、セクスカリバーはステラの膣を鞘代わりにして収まってしまう。 ステラはセクスカリバーを抜けないまま武闘会に出場して……

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

中1でEカップって巨乳だから熱く甘く生きたいと思う真理(マリー)と小説家を目指す男子、光(みつ)のラブな日常物語

jun( ̄▽ ̄)ノ
大衆娯楽
 中1でバスト92cmのブラはEカップというマリーと小説家を目指す男子、光の日常ラブ  ★作品はマリーの語り、一人称で進行します。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...