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淫欲八姫
第47話 ねえ、今晩だけでいいから、一緒に寝てもいいかな?
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俺だけが持っている自爆攻撃ではなく、平和な世界で何も戦う術を持たない人であればこの世界にやってきた時に自動的に備わる能力だそうだ。
特別な自分だと信じていた俺は軽くショックを受けたのも事実だが、それ以上にイザーちゃんが俺の事を本当に好きでいてくれたという事を知れて嬉しい気持ちになっていた。それが何よりも素晴らしい。
「今までもボクたちが連れてきた人が何人かいたんだけど、みんな失敗してしまっているんだよ。名も無き神と会うまでは自爆攻撃をしないようにって何度も何度も強く言い聞かせていたんだけど、みんなボクたちの言う事を無視して命を落としているんだ。そのおかげで今のボクたちが存在しているともいえるんだけど、ボクたちが生き残るよりも名も無き神を滅ぼすことの方が重要なんだけどな。戦うことに慣れていない優しい人たちは、ボクたちを見捨てることなんて出来なかったのかもしれないね」
珠希ちゃんだけではなく他の八姫も今まで幾度となく他の世界から自分の恋人となった人を連れてきてはいたそうだ。
珠希ちゃんと恋人関係にあったのは魔法を使える世界の英雄だったそうなのだが、順調に名も無き神の前までたどり着くことが出来たものの、どのような魔法攻撃を行っても名も無き神には通用せず、自らの命を燃やした最終奥義によってわずかに傷を付けることしか出来なかったようだ。
その魔法使いによって鍛えられたアスモちゃんは世界一強いメイドとしての地位をさらに高めることになったのだが、いくら強くなっても名も無き神に対抗する手段はなく、周囲の敵を倒すことしか出来ない。雑魚に対しては絶対に負ける事は無いアスモちゃんではあるが、アスモちゃんの攻撃では名も無き神を倒すことは絶対に出来ないのである。
一度俺とは違う人を連れて名も無き神の前まで行ったことがあったらしいが、その彼は近くにアスモちゃんがいたこともあって不完全な自爆攻撃しかすることが出来なかった。
その結果、アスモちゃんも無事に帰ることが出来たのだが、名も無き神もわずかな怪我を負っただけで存在を抹消されるところまではいかなかったようだ。
「ボクも現場に立ち会ったからわかるんだけど、あの時のアスモちゃんはホントに辛そうだったよ。今ではすっかりそんな様子も見せなくなったし、一安心していいんじゃないかな。しばらくは誰とも言葉を交わさず、ご飯も食べてなかったからね。今のアスモちゃんを見ているとそんな感じはしないかもしれないけど、あの子なりに悲しみを背負っているんだよ」
アスモちゃんが俺の事を守ってくれるのはそんな過去があったからなのかもしれない。
寝る時も俺の隣に来るのは正直困惑していたのだが、俺を失いたくないという気持ちがあるのであれば納得も出来よう。
ただ、可愛らしくていい匂いのするアスモちゃんが隣で寝ているというのは、少しだけ精神的に落ち着かない面もあったりする。何がとは言えないが、くっつかれてしまうと緊張してしまう事もある。
「“まーくん”は大丈夫だと思うけど、アスモちゃんのことを思うのなら、イザーちゃんのことを本当に好きだって言うのであれば、名も無き神の前に出た時に全力で自爆攻撃をしてもらわないとダメだよ。近くに誰がいたって躊躇しちゃダメだし、クリーキーみたいに無駄に自爆してもダメだからね。アレは完全に命を無駄にしてるだけのバカだから、“まーくん”は大丈夫だと思うけど、名も無き神以外に対して自爆攻撃はしちゃダメだよ」
「正直に言うと、クリーキーの自爆攻撃を見て自分が使うのは怖くなってたよ。それまでは、本当に自分が自爆攻撃を出来るのか半信半疑なところもあったんだけど、あれを見たら本当に出来るんだって思ったんだよね。それで、ますます自爆攻撃をするのが怖くなってたんだけど、珠希ちゃんの話を聞いて気持ちは固まったよ。俺に出来ることがあるんだったら、この命は捧げてもいいんじゃないかって思えたんだ」
「ボクの話を聞いてそう思ってくれたのは嬉しいな。彼の死も無駄じゃなかったってことだね。ボクも“まーくん”がそう言ってくれて嬉しいよ」
俺がこの世界に命をかけてもいいと思ったのはそこではなく、イザーちゃんが俺の事を好きだとわかったからなのだ。それを言おうか少しだけ迷ったけど、ここでそんな事を言っても珠希ちゃんの気分を害するだけだという事がわかっているので、大人な俺は本当の事を言う事もなくただ黙って珠希ちゃんのことを見ていた。
「あれ、おかしいな。ボクの好きだった彼と“まーくん”は全然似てないのに、どこか似てるような気がしてきたよ。年齢も背の高さも顔の作りだって全然違うっていうのに、そっくりに見えてきちゃった。なんでだろう、“まーくん”と彼は全然違う人なのに、思っていることが同じだからなのかな?」
「俺はその人の事を知らないんでハッキリしたことは言えないけど、俺もこの世界を救いたいって思ったからかな。世界だけじゃなく、好きな相手のために命をかけたいって思ったからかもね」
「そう言ってくれるのは嬉しいな。彼もきっと“まーくん”と同じことを言ってくれたと思うよ。ねえ、今晩だけでいいから、一緒に寝てもいいかな?」
「さすがにそれはダメじゃないかな。まずいでしょ」
「大丈夫。だって、“まーくん”はいつもアスモちゃんと一緒に寝てるんでしょ? そこにボクが加わっても変わらないよ。ね、ダメかな?」
断ろうと思ってはいたが、何か強い力で俺の意志を曲げられてしまい、逆らうことは出来なかった。
本当にダメだとはわかっているけれど、逆らうことは出来なかった。
特別な自分だと信じていた俺は軽くショックを受けたのも事実だが、それ以上にイザーちゃんが俺の事を本当に好きでいてくれたという事を知れて嬉しい気持ちになっていた。それが何よりも素晴らしい。
「今までもボクたちが連れてきた人が何人かいたんだけど、みんな失敗してしまっているんだよ。名も無き神と会うまでは自爆攻撃をしないようにって何度も何度も強く言い聞かせていたんだけど、みんなボクたちの言う事を無視して命を落としているんだ。そのおかげで今のボクたちが存在しているともいえるんだけど、ボクたちが生き残るよりも名も無き神を滅ぼすことの方が重要なんだけどな。戦うことに慣れていない優しい人たちは、ボクたちを見捨てることなんて出来なかったのかもしれないね」
珠希ちゃんだけではなく他の八姫も今まで幾度となく他の世界から自分の恋人となった人を連れてきてはいたそうだ。
珠希ちゃんと恋人関係にあったのは魔法を使える世界の英雄だったそうなのだが、順調に名も無き神の前までたどり着くことが出来たものの、どのような魔法攻撃を行っても名も無き神には通用せず、自らの命を燃やした最終奥義によってわずかに傷を付けることしか出来なかったようだ。
その魔法使いによって鍛えられたアスモちゃんは世界一強いメイドとしての地位をさらに高めることになったのだが、いくら強くなっても名も無き神に対抗する手段はなく、周囲の敵を倒すことしか出来ない。雑魚に対しては絶対に負ける事は無いアスモちゃんではあるが、アスモちゃんの攻撃では名も無き神を倒すことは絶対に出来ないのである。
一度俺とは違う人を連れて名も無き神の前まで行ったことがあったらしいが、その彼は近くにアスモちゃんがいたこともあって不完全な自爆攻撃しかすることが出来なかった。
その結果、アスモちゃんも無事に帰ることが出来たのだが、名も無き神もわずかな怪我を負っただけで存在を抹消されるところまではいかなかったようだ。
「ボクも現場に立ち会ったからわかるんだけど、あの時のアスモちゃんはホントに辛そうだったよ。今ではすっかりそんな様子も見せなくなったし、一安心していいんじゃないかな。しばらくは誰とも言葉を交わさず、ご飯も食べてなかったからね。今のアスモちゃんを見ているとそんな感じはしないかもしれないけど、あの子なりに悲しみを背負っているんだよ」
アスモちゃんが俺の事を守ってくれるのはそんな過去があったからなのかもしれない。
寝る時も俺の隣に来るのは正直困惑していたのだが、俺を失いたくないという気持ちがあるのであれば納得も出来よう。
ただ、可愛らしくていい匂いのするアスモちゃんが隣で寝ているというのは、少しだけ精神的に落ち着かない面もあったりする。何がとは言えないが、くっつかれてしまうと緊張してしまう事もある。
「“まーくん”は大丈夫だと思うけど、アスモちゃんのことを思うのなら、イザーちゃんのことを本当に好きだって言うのであれば、名も無き神の前に出た時に全力で自爆攻撃をしてもらわないとダメだよ。近くに誰がいたって躊躇しちゃダメだし、クリーキーみたいに無駄に自爆してもダメだからね。アレは完全に命を無駄にしてるだけのバカだから、“まーくん”は大丈夫だと思うけど、名も無き神以外に対して自爆攻撃はしちゃダメだよ」
「正直に言うと、クリーキーの自爆攻撃を見て自分が使うのは怖くなってたよ。それまでは、本当に自分が自爆攻撃を出来るのか半信半疑なところもあったんだけど、あれを見たら本当に出来るんだって思ったんだよね。それで、ますます自爆攻撃をするのが怖くなってたんだけど、珠希ちゃんの話を聞いて気持ちは固まったよ。俺に出来ることがあるんだったら、この命は捧げてもいいんじゃないかって思えたんだ」
「ボクの話を聞いてそう思ってくれたのは嬉しいな。彼の死も無駄じゃなかったってことだね。ボクも“まーくん”がそう言ってくれて嬉しいよ」
俺がこの世界に命をかけてもいいと思ったのはそこではなく、イザーちゃんが俺の事を好きだとわかったからなのだ。それを言おうか少しだけ迷ったけど、ここでそんな事を言っても珠希ちゃんの気分を害するだけだという事がわかっているので、大人な俺は本当の事を言う事もなくただ黙って珠希ちゃんのことを見ていた。
「あれ、おかしいな。ボクの好きだった彼と“まーくん”は全然似てないのに、どこか似てるような気がしてきたよ。年齢も背の高さも顔の作りだって全然違うっていうのに、そっくりに見えてきちゃった。なんでだろう、“まーくん”と彼は全然違う人なのに、思っていることが同じだからなのかな?」
「俺はその人の事を知らないんでハッキリしたことは言えないけど、俺もこの世界を救いたいって思ったからかな。世界だけじゃなく、好きな相手のために命をかけたいって思ったからかもね」
「そう言ってくれるのは嬉しいな。彼もきっと“まーくん”と同じことを言ってくれたと思うよ。ねえ、今晩だけでいいから、一緒に寝てもいいかな?」
「さすがにそれはダメじゃないかな。まずいでしょ」
「大丈夫。だって、“まーくん”はいつもアスモちゃんと一緒に寝てるんでしょ? そこにボクが加わっても変わらないよ。ね、ダメかな?」
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本当にダメだとはわかっているけれど、逆らうことは出来なかった。
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