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高校生編1
林田さんは僕の味方
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「じゃあ、クラス代表である林田さんのサポートは齋藤君にお願いするね。困った時は先生の事を頼ってくれていいからね」
「はい、私も一人で頑張るのが限界だと思ってたので、齋藤君に助けてもらえるのは嬉しです。なるべく先生のお手を煩わせないように気を付けますが、どうしようもなくなった時はお願いしますね」
「うん、先生は林田さんと齋藤君に比べたら頼りないかもしれないけど、大人にしか出来ない許可取りとかは任せちゃってね」
「私達もそういうのはまだ無理だと思うので、よろしくお願いします」
僕が職員室に呼ばれた理由はクラスの代表である林田さんのサポートを頼まれるという事だった。きっとそんな事なんだろうなとは思っていたのだけれど、職員室の入口近くにある応接コーナーの椅子は思いのほかふかふかで座り心地も良く、私立と公立の違いをそこはかとなく感じてしまった。
ただ、僕には林田さんのサポートという言葉がどうにも引っかかってしまっていた。
「サポートって何をしたらいいんですか?」
「そうね、林田さんは一人で何でも出来ちゃうと思うんだけど、そんな林田さんが困った時は力になってあげてね」
「林田さんって、中学の時もクラス代表をやってたんですよね?」
「そうだよ。小学校高学年からずっとやってるかも」
「クラス代表って何をするんですか?」
「何か行事がある時の取りまとめとか、提出物の管理だとか、クラスに問題が起こった時は迅速に対応して解決に向けて行動を起こすとかかな。例えば、齋藤君をクラスの副代表に指名したりとかね」
「僕を指名したのって何か関係あるんですか?」
「先生は齋藤君がクラスの男子から無視されてるってのは何となく気付いていたんだけどね、齋藤君がそれに対して全く何の反応も無かったからいじめだとは気付かなかったんだ。林田さんに言われて気付いたんだけど、男子全員から無視されるのって完全にいじめだったよね。外部生だから馴染めてないだけなのかなって思ってたんだけど、そうじゃないって気が付かなくてごめんね」
「いや、僕は昔からそういう事は気にしてないんで先生も気にしなくていいですよ」
「そう言ってくれるのはありがたいんだけどね。先生も気付いてしまった以上は放置しておくことなんて出来ないのよ。齋藤君が平気だって言っても強がっているように思えちゃうのね。だから、先生と林田さんでちゃんと守ってあげるからね」
「そうだよ。私も先生も昌晃君の味方だからさ。いじめなんかに負けないで頑張ろうね」
「本当に僕はいじめられてるって思ってないから。みんなが陽香の事で勘違いしているって知ってるし、その誤解さえ解ければいいと思うよ。それに、ほとんどの人が僕と陽香がいとこ同士だって知ってくれるようになったからさ、いじめとか無視とか気にする事でもないと思うんだよね」
「齋藤君はそう思ってるかもしれないけど、林田さんはまだ気になることがあるみたいなのよね。齋藤君も先生も気付かないような何かを林田さんは気になってるみたいだし、クラスの副代表の前に自分の問題を解決するのも大事だと思うよ」
「だから、僕の問題って本当に気にしなくても大丈夫なんですよ。そもそも問題でもないと思うんですよね」
「大丈夫だよ。昌晃君はちゃんと現実と向き合おうね。そうすればみんなきっとわかってくれるよ。でも、みんなが昌晃君の事をわかってくれなかったとしても、私は最後まで味方だからね」
僕と林田さんの話は平行線のままかみ合うことは無かったのだけれど、林田さんなりに僕の事を気にかけていてくれたのだと思うと嬉しくなってしまった。
隣に座っているとはいえ、林田さんが話すたびに僕の膝や太ももを触ってくるのはいったいどういう意味があるのだろうか。それを尋ねようにも真剣な表情を崩さない林田さんに聞くことは出来なかったのである。
「はい、私も一人で頑張るのが限界だと思ってたので、齋藤君に助けてもらえるのは嬉しです。なるべく先生のお手を煩わせないように気を付けますが、どうしようもなくなった時はお願いしますね」
「うん、先生は林田さんと齋藤君に比べたら頼りないかもしれないけど、大人にしか出来ない許可取りとかは任せちゃってね」
「私達もそういうのはまだ無理だと思うので、よろしくお願いします」
僕が職員室に呼ばれた理由はクラスの代表である林田さんのサポートを頼まれるという事だった。きっとそんな事なんだろうなとは思っていたのだけれど、職員室の入口近くにある応接コーナーの椅子は思いのほかふかふかで座り心地も良く、私立と公立の違いをそこはかとなく感じてしまった。
ただ、僕には林田さんのサポートという言葉がどうにも引っかかってしまっていた。
「サポートって何をしたらいいんですか?」
「そうね、林田さんは一人で何でも出来ちゃうと思うんだけど、そんな林田さんが困った時は力になってあげてね」
「林田さんって、中学の時もクラス代表をやってたんですよね?」
「そうだよ。小学校高学年からずっとやってるかも」
「クラス代表って何をするんですか?」
「何か行事がある時の取りまとめとか、提出物の管理だとか、クラスに問題が起こった時は迅速に対応して解決に向けて行動を起こすとかかな。例えば、齋藤君をクラスの副代表に指名したりとかね」
「僕を指名したのって何か関係あるんですか?」
「先生は齋藤君がクラスの男子から無視されてるってのは何となく気付いていたんだけどね、齋藤君がそれに対して全く何の反応も無かったからいじめだとは気付かなかったんだ。林田さんに言われて気付いたんだけど、男子全員から無視されるのって完全にいじめだったよね。外部生だから馴染めてないだけなのかなって思ってたんだけど、そうじゃないって気が付かなくてごめんね」
「いや、僕は昔からそういう事は気にしてないんで先生も気にしなくていいですよ」
「そう言ってくれるのはありがたいんだけどね。先生も気付いてしまった以上は放置しておくことなんて出来ないのよ。齋藤君が平気だって言っても強がっているように思えちゃうのね。だから、先生と林田さんでちゃんと守ってあげるからね」
「そうだよ。私も先生も昌晃君の味方だからさ。いじめなんかに負けないで頑張ろうね」
「本当に僕はいじめられてるって思ってないから。みんなが陽香の事で勘違いしているって知ってるし、その誤解さえ解ければいいと思うよ。それに、ほとんどの人が僕と陽香がいとこ同士だって知ってくれるようになったからさ、いじめとか無視とか気にする事でもないと思うんだよね」
「齋藤君はそう思ってるかもしれないけど、林田さんはまだ気になることがあるみたいなのよね。齋藤君も先生も気付かないような何かを林田さんは気になってるみたいだし、クラスの副代表の前に自分の問題を解決するのも大事だと思うよ」
「だから、僕の問題って本当に気にしなくても大丈夫なんですよ。そもそも問題でもないと思うんですよね」
「大丈夫だよ。昌晃君はちゃんと現実と向き合おうね。そうすればみんなきっとわかってくれるよ。でも、みんなが昌晃君の事をわかってくれなかったとしても、私は最後まで味方だからね」
僕と林田さんの話は平行線のままかみ合うことは無かったのだけれど、林田さんなりに僕の事を気にかけていてくれたのだと思うと嬉しくなってしまった。
隣に座っているとはいえ、林田さんが話すたびに僕の膝や太ももを触ってくるのはいったいどういう意味があるのだろうか。それを尋ねようにも真剣な表情を崩さない林田さんに聞くことは出来なかったのである。
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