春から一緒に暮らすことになったいとこたちは露出癖があるせいで僕に色々と見せてくる

釧路太郎

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高校生編1

吉川さんと今井さんはお互いにスカートをめくりあう

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 吉川さんと今井さんのお陰で僕はクラスの女子と話す機会が増えたのだけれど、毎週水曜日は林田さんと二人でお昼を食べるという決まりが出来てしまったのだった。
 その経緯としては、みんなの前で林田さんがそう宣言したからなのである。宣言した後にクラス代表と副代表はどうのと言ったことを付け加えていたのだけれど、みんなそんな事は気にしていないようだった。
 林田さんの言った事は誰も気にしていないようなのだけれど、僕と林田さんと陽香の事で何かあったんだろうと思っている人は多いようだ。吉川さんと今井さんもそれが気になって仕方ないといった様子なのだが、僕たちが一緒にお昼を食べているすぐそばに林田さんがいることもあって直接聞いてくることは無いのだった。

「齋藤君ってさ、前田さんの手料理を毎日食べてるわけじゃないんだ」
「そうだね。前田さんってくくりにすると毎日食べてることになるけど、陽香が作った料理って事ならそんなに食べてないかも」
「もう、そういう揚げ足取りってモテないよ。でもさ、いつだったかの休みの日に齋藤君が一緒に歩いてた綺麗な人って前田さんのお姉さんだったのかな?」
「それが本当に僕だったとしたら、沙緒莉姉さんで間違いないと思うよ」
「今度見かけた時は話しかけてもいいかな?」
「僕は構わないけど、そんなに面白いことも無いと思うよ」
「そう言えば、前田さん関連でもう一つ思い出したんだけどさ、このクラスの女子が中心となって前田さんのファンクラブを作ることにしたんだよ。一組の人も何人か協力してくれるし、他のクラスの子も結構入ってくれたりしてるさ。齋藤君もメンバーになる?」
「いや、なるわけないでしょ。僕が入るのっておかしいでしょ」
「そうなんだけどさ、特別顧問みたいな感じでどうかな?」
「どうしてそこまで陽香にこだわるの?」
「どうしてって、前田さんは頭も良いし美人だし性格も良いみたいだし、私達にはない魅力があるのよ。前田さんの魅力に齋藤君は気付いていないのかもしれないけど、きっと中学でも大学でも前田姉妹の話題で持ちきりだと思うよ」
「そこまでの物なのかな?」
「そこまでの物なのよ。実際私の妹は中学二年生なんだけど、前田さんの妹さんのファンクラブが出来たって言ってたし、雪のお姉ちゃんも高三でたまに大学に行ってるんだよね?」
「うん、お姉ちゃんは大学の講義も受けてるんで時々言ってるんだけど、沙緒莉さんって凄い人がいるって話題になってるみたいだよ。前田さんの妹さんのファンクラブの話を聞いて、私達もそれを見習わないといけないって思ってさ、一昨日から活動を開始したんだよ。って言っても、遠くから見守ってるだけなんだけどね」
「そのファンクラブってさ、陽香を見てるだけって事なの?」
「今のところそうなんだけど、私達が前田さんとの接点っていとこの齋藤君とクラスメイトって事だけなのよね。私達が一組に入れるわけも無いんでこれ以上は選択科目とかで一緒になることを期待するしかないのよね。でもさ、実際に近くに前田さんがいても緊張して話しかけられないような気がしてるんだ。それってさ、前田さんに対しても失礼なことになっちゃうんじゃないかな」
「そんなに気にすることも無いと思うけどね。普通に話しかければ答えてくれるとは思うよ。何でも出来るように見えてるかもしれないけど、意外と苦手なこともあったりするみたいだしね。あと、姉妹仲は凄くいいと思うよ」
「そうなんだ。でも、前田さんって優しそうだから姉妹仲が良いって納得かも」

 僕の昼休みは陽香の話を二人にして終わってしまった。今日のお弁当は二人に取られることは無かったのだけれど、それもファンクラブで決めた事らしい。なんでも、陽香に関わることに関しては、陽香から提供されない限り自分から催促しないという事になっているらしい。
 陽香の作ったおかずが食べたいと言えば陽香も作ってくれると思うのだけれど、このクラスの女子が全員で頼んでしまったとしたら、さすがにそれは断るだろうけどね。
 僕のお弁当は三分の一の確率で陽香が作っているという事は周知の事実となっているのだけれど、それを期待して僕とオカズ交換をするのはファンクラブの会員の中で禁止事項になっているとのことだ。

「でもさ、齋藤君に対する前田さんの態度って昔から変わらないの?」
「小学校の時以来にあったけど、昔は二人ともシャイで無口な感じだったと思うよ。お互いに異性の兄妹がいないってのもあったと思うけど、小さい時は陽香と話した記憶はほとんどないかも。沙緒莉姉さんにはよくからかわれたりもしたんだけどさ、陽香って妹の真弓の世話をよく見てた印象があるかも」
「へえ、小さい時からそんなにしっかりしてたんだね。やっぱりさ、前田さんって女神って感じするよね」
「わかる。それもさ、魔性の女って感じじゃなくて、美の化身って感じだよね。不思議とそういう悪そうなところって感じないもんね。林田さんも美人だけど、ちょっとミステリアスな感じもするよね」
「それはわかるかも。林田さんって小さい時から綺麗だもんね。ちょっと話しかけにくいってのはあるけど、それを除けばとても綺麗で見守りたいって感じだよね」
「そう言えば、毎週水曜の独占日ってさ、二人で隠れて何しているの?」
「何してるのって、たぶんご飯食べてクラスの事を話して終わりじゃないかな?」
「多分って、自分の事でしょ?」
「そうは言うけどさ、林田さんが水曜日に僕と二人でご飯を食べるって言ったのは先週の金曜だからね。まだその水曜が来てないんだからわかるわけないじゃない」
「それもそうか。そうだったそうだった。でもさ、二人っきりで個室の中にいたら変な事しちゃうのかもね。例えばこんな感じでさ」

 吉川さんは僕から視線を外して今井さんに微笑みかけると、素早く今井さんのスカートを掴んでめくりあげた。
 僕は壁際の席に座っていて、正面に今井さんがいたのでスカートの中が丸見えになってしまったのだけれど、そこには覗き防止のためなのか裾を折りたたんだハーフパンツが見えていた。

「あれ、雅美ってなんでそんなの履いてるの?」
「なんでって、雪がこんな事しそうだって思ったからだよ」
「ええ、始めたやったのに。なんでそんな気がするのさ」
「たまたまだよ。たまたま。でも、履いてて良かったなって思ったよ」
「もう、せっかく可愛いパンツ履いてるのにもったいない。齋藤君に見せてあげれば前田さんの情報を手に入れられたかもしれないのにね」
「そんなので手に入れた情報なんて嬉しくないでしょ。あ、前田さんがこっち見てるんじゃない?」

 今井さんのその言葉を聞いた吉川さんは立ち上がって今井さんの指さした方向を向いていた。今井さんはすかさず吉川さんのスカートをめくっていた。
 吉川さんの履いている白を基本として真ん中に赤くて小さいリボンのついたパンツは僕だけしか見ていないはずだ。吉川さんのパンツが見える位置関係にいるのは僕だけだと思うし、後ろの壁にも窓なんてついていないので外から見られる心配もないのだ。
 ただ、スカートをめくった今井さんではなく、目の前に座っていただけの僕が吉川さんに怒られたのは納得がいかなかった。
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