✡︎ユニオンレグヌス✡︎

〜神歌〜

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〜第六章 ファーブラ・巨人族〜

117話✡︎✡︎ドラゴンナイト✡︎✡︎

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(大丈夫、フェルミン様は逃げ切れる……
私がこのままでいれば!)
 フィリアはフェルミンの姿で闇の街道を数名の護衛と共にセレスに向かっていた。


一方クリタスの棚からは……
「フェルミン様!早く!」
護衛が無理にでもフェルミンを連れ出そうとしている。

「なりません!フィリアさんが‼︎
フィリアを助けるのです‼︎‼︎」
フェルミンが叫ぶ。

「フェルミン様!フィリア様のお気持ちを解って下さい‼︎
フェルミン様の事を守る為に、戦わずあのお姿でセレスに向かったのです‼︎‼︎」


「フィリアーー‼︎‼︎」
フェルミンが叫ぶも無情にも護衛に記憶の棚を閉められる、フェルミンはすぐにトルミアの元に走った。
 クリタスの大聖堂の近くにあるトルミアの屋敷に全力で走った。

「フェルミン女王、どうされたのですか⁈」
その様子を見てトルミアが、屋敷から出てフェルミンに聞く。

「トルミア!手練れを記憶の棚に送って下さい!フィリアがフィリアが‼︎‼︎」

 取り乱して頼んでくるフェルミン女王の姿をみてトルミアは直ぐに兵を集め、記憶の棚に向かったが、開けることが出来なかった……

 皆が絶望していた時。


「私が向かいます。皆下がりなさい……」

 その声と同時に漆黒の風が闇の大聖堂から吹き込んだ。


「オ、オプス様!」


 闇の女神オプスが現れ記憶の棚に手を当てると静かに開いた。

「フェルミンさん、フィリアを大切に思ってくれてありがとう……
時間がありませんここでお待ちなさい」


 そう言うと漆黒の風になり、闇の街道を吹き抜けて行った。
(間に合ってフィリア!)
闇の女神オプスが心で叫んでいた。



 その頃セレスの近くまで来ていた、フィリアは感じていた。
 闇の女神オプスが助けに来てくれる事を……だが時間が許さなかった。

「グアァ……」

 護衛達が殺されていく、黒い影が凄まじい速さで斬りかかってくる。
最後の二人の護衛が殺される前に、それは現れた!

 突然何も無い場所からエレナが黒い影に斬りかかった、影はその剣を弾いて突き刺そうとした時、エレナは消え黒い影の背後からユリナが斬馬刀で斬りかかる!

 ピリアだ、ピリアは影の女王の力を最大限に活かして影に襲い掛かる!

だが太刀が入っても手応えが無い……

「コイツ……逃げて!
私が時間を稼ぐから‼︎」
ピリアが叫ぶフィリアとは呼ばない……
 フィリアの気持ちを理解していたのだ。
フェルミン女王を守る為に、戦うことよりフェルミンの姿のまま囮になると……
 フィリアは頷いてセレスの方に向かって走って行った。


(大丈夫、時間さえ稼げれば私は力で
逃げ切れる……
倒せなくても時間さえ稼げば)
そうピリアが思っていた。


クリタスの棚から入ったオプスも剣を持ち戦っていた。
「闇の女神が何をしに来た!」
「通しなさい‼︎」
オプスが叫ぶ。

 何匹かいる黒い影をものともせずに、黒い剣で斬り裂いて進んでいく!
「何故だ!我らは無の力を得た!
何故斬られる!」
「愚か者!無の力が与えられると思ったのですか⁈
それはまやかしに過ぎない!」
オプスが叫びながら突き進んでいた。

(これじゃ間に合わない!
暗黒さえあれば……誰かフィリアを‼︎)
 影の余りの多さに時間を奪われて行き、オプスは焦りを感じていた。


 そしてピリアが応戦して少ししての事だった……



「フェルミン様!」
シュッ!
「グアぁ……」


 フィリアが走って行った方から悲鳴が聞こえ、ピリアは姿を消してすぐに後を追った!

「まさか、他にも!」

 ピリアが来た頃には護衛は切られ傷口から無に帰り始めていた。
 そしてフィリアも紫の血をかなりの量を流して倒れていた……


 その影が人型にはっきりとなり、フィリアに止めを刺そうと斬りかかった剣をピリアが受け止めた。
(しまった……)
 ピリアは蹴りを腹に受けて壁に叩きつけられてしまう。

 そしてピリアには見向きもせずに、影が再びフェルミンに斬りかかった時、今度は水の塊が黒い影を殴りつけた!


「なぁ!」
影が声を出した……


 眩い水色の光がセレスの方から見える。

エレナだ……

「ハァァ……」

深く息を吸っている。

 そして光が強く輝き、変貌を遂げて行く……足の指が竜の様に変わり、かかとから爪が生え……腹部と胸の一部と顔を残して首筋までもが水色の鱗で覆われていく……

 水の巫女が守護竜と同化した姿、ドラゴンナイトであった。
 エレナはガーラが敗れたのを知っていた為、全力で戦う為にドラゴンナイトになったが……その瞳、神の瞳で見たものに怒り凄まじい殺気を放った!

 そしてとてつも無い速さでエレナは突っ込んでいく、それは祝福を解放した時の比ではなかった。
 その速さでエレナは竜の魔力を込めたクリスタルの小太刀で、影を斬り裂いたが手応えが無かった。
 影は黒い刃でエレナを突き刺そうとしたが竜の鱗を貫けない、エレナがその刃を握り、力でへし折りその刃で影を突き刺した時!

 明らかな手応えがあり残酷なまでにその刃をねじ込む!


「ウァッこんな馬鹿な!」
「よくもフィリアを!」
エレナが叫ぶ……

 その間にピリアはフィリアに駆け寄った。
「フィリア!フィリア‼︎」
反応がない、口に鼻に手を当てても息をしていない……斬られた傷から無に帰りはじめている。
「いやぁーー!」


 ピリアとフィリア……それはエレナがユリナを産む前にユリナに考え悩んで、決まらなかった大切な名前、思い入れのある名前。

 名を持たないドッペルの姉妹に送った名前……エレナはピリアとフィリアを実の娘の様に思っていた。

 エレナの瞳から涙が流れ出していた、エレナは解っていた。
 フィリアにもう命が無いと、ドラゴンナイトと化したエレナの瞳はそれを鮮明にとらえていたのだ……


 エレナは影の刃を引き抜き、その傷口に自らの手を突き刺す、鋭い竜の手が影を深くえぐる様に骨と肉を握りつぶした!

 既に黒い影は地獄の様な痛みを味わって居るがまだ息絶えていない。
 声が出ないのかは解らないが苦しんでいるのが手にとる様に解る……

そして影の中でエレナは魔力を爆発させた!
「グオォォァア」
「冥界で永遠に苦しめ!」
 エレナがそう叫ぶと、影は水飛沫をあげると同時に赤い鮮血を飛び散らせ爆発して吹き飛んだ……

 その戦いぶりに、フェルトは驚きを隠せない……
 カナは以前に見ていたエレナがドラゴンナイトとして戦った過去を、その為にエレナよりもフィリアの為にと思った瞬間また影が現れた。

ピリアを追って来たのだ。


 すかさずエレナが黒い影に襲い掛かるが、ユリナが気付いた……。
この先の通路から戦いながら此方に向かって来る存在に。
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