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「やった……ついに完成したあああああああ!」
目の前に翡翠色の液体が入った瓶を置く。
「これがエリクサー……綺麗ね……」
「師匠の目と似てますね」
「あら、それはどういう意味?」
「い、いやぁ素敵だなーって! 別に恐ろしいなんて思ってませんよ!」
「……ふーん?」
師匠の手が伸びてくる。
ま、まずい……あれに捕まったら最後だ……逃げても最後だが、どうにか弁明しなければ!
「ご、誤解です! 確かに修行のときはちょっと、ほんのちょっとだけ恐いですが! ほ、ほら、騎士団のみんなだって普段の師匠なら黙ってれば綺麗だって言ってますし!」
「へぇ~あいつらがそんなことを? まだまだ鍛錬に余裕があるようね」
終わった……巻き込むつもりはなかったけど、ごめん……みんな……。
「ったく、あんたはいつも一言多いのよ」
そういって師匠はいつもなら鷲掴みするはずの俺の頭を撫でてきた。
「さ、早くそれを王様に届けてきなさい。これであなたは認められるはずよ」
「はい! あ、でもその前にちょっと失礼します――師匠、これをどうぞ。少ないですが余った分で作っておいたんです。何かあったときにでも使ってください」
俺はエリクサーを数本、机に置いた。
「あんたねぇ、こんなの何本も持ち歩けるわけないじゃない」
…………確かに。
「……まぁ、可愛い弟子からのプレゼントだもの、御守り代わりに一つもらっておくわ」
師匠は瓶を一つ取るとジッと俺を見つめた。
「ちょっと待ってなさい。えーっとあれは確か――」
ぶつぶつと部屋を出て行った師匠は鞄を手に戻ってきた。
「リッツ――はい、これ。本当は戻ったら渡そうと思ってたんだけど」
「鞄……?」
「普通の鞄じゃないわ。中に空間があってね、見た目以上に物を入れることができるのよ」
渡された鞄は少し古ぼけているが汚れやシワがほとんどない。
中を開き手を入れてみると、なんとなくだが一部屋分くらいの空間が頭に浮かんでくる。
「掘り出し物だから新品って訳にはいかないけど…………あなたにちょうどいいかなと思って」
これがあれば色々なものを持ち歩けるしわざわざ取りに戻らなくたっていい、便利なんてもんじゃない! でもマジックバッグって店で見かけたとき、桁がいくつもあって数えるのをやめた気が――。
「あの、これ……高かったんじゃ……」
「野暮なことは聞かないの。弟子の一生モノと考えれば、それくらい安いものよ」
「ミレイユ師匠っ…………大事に使わせてもらいます!」
「それと、ここにある素材は好きに持っていっていいけど、エリクサーは人にみせちゃダメよ」
「わかりました。エリクサーもしまっておくので必要なときはいつでも言ってくださいね」
準備を整えると、俺は王様に依頼されたエリクサーを届けにお城へと向かった。
目の前に翡翠色の液体が入った瓶を置く。
「これがエリクサー……綺麗ね……」
「師匠の目と似てますね」
「あら、それはどういう意味?」
「い、いやぁ素敵だなーって! 別に恐ろしいなんて思ってませんよ!」
「……ふーん?」
師匠の手が伸びてくる。
ま、まずい……あれに捕まったら最後だ……逃げても最後だが、どうにか弁明しなければ!
「ご、誤解です! 確かに修行のときはちょっと、ほんのちょっとだけ恐いですが! ほ、ほら、騎士団のみんなだって普段の師匠なら黙ってれば綺麗だって言ってますし!」
「へぇ~あいつらがそんなことを? まだまだ鍛錬に余裕があるようね」
終わった……巻き込むつもりはなかったけど、ごめん……みんな……。
「ったく、あんたはいつも一言多いのよ」
そういって師匠はいつもなら鷲掴みするはずの俺の頭を撫でてきた。
「さ、早くそれを王様に届けてきなさい。これであなたは認められるはずよ」
「はい! あ、でもその前にちょっと失礼します――師匠、これをどうぞ。少ないですが余った分で作っておいたんです。何かあったときにでも使ってください」
俺はエリクサーを数本、机に置いた。
「あんたねぇ、こんなの何本も持ち歩けるわけないじゃない」
…………確かに。
「……まぁ、可愛い弟子からのプレゼントだもの、御守り代わりに一つもらっておくわ」
師匠は瓶を一つ取るとジッと俺を見つめた。
「ちょっと待ってなさい。えーっとあれは確か――」
ぶつぶつと部屋を出て行った師匠は鞄を手に戻ってきた。
「リッツ――はい、これ。本当は戻ったら渡そうと思ってたんだけど」
「鞄……?」
「普通の鞄じゃないわ。中に空間があってね、見た目以上に物を入れることができるのよ」
渡された鞄は少し古ぼけているが汚れやシワがほとんどない。
中を開き手を入れてみると、なんとなくだが一部屋分くらいの空間が頭に浮かんでくる。
「掘り出し物だから新品って訳にはいかないけど…………あなたにちょうどいいかなと思って」
これがあれば色々なものを持ち歩けるしわざわざ取りに戻らなくたっていい、便利なんてもんじゃない! でもマジックバッグって店で見かけたとき、桁がいくつもあって数えるのをやめた気が――。
「あの、これ……高かったんじゃ……」
「野暮なことは聞かないの。弟子の一生モノと考えれば、それくらい安いものよ」
「ミレイユ師匠っ…………大事に使わせてもらいます!」
「それと、ここにある素材は好きに持っていっていいけど、エリクサーは人にみせちゃダメよ」
「わかりました。エリクサーもしまっておくので必要なときはいつでも言ってくださいね」
準備を整えると、俺は王様に依頼されたエリクサーを届けにお城へと向かった。
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