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6話
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「リッツ殿、本当にお金はいいのか? よほど高価な薬を使ったんだろう?」
「いいですよ、俺が勝手にしたことなんで気にしないでください」
材料は草だしこの国には大量にあるからな。
「おにいちゃんありがとう!」
「お父さん、元気になってよかったね」
少女は頷くと嬉しそうに父親に抱き着いた。
「それじゃあ俺はこれで」
「ま、待ってくれ! 何か……そうだ、もう夜も遅い、泊まっていってはどうだ?」
「それなら――っと、そうだ。外で連れを待たせてるので呼んできてもいいですか?」
了解をもらい外に向かおうとするとアンジェロの声がする。
こんなに吠えるなんて何かあったんだろうか。
戸を開けようとした瞬間、勢いよく扉が開かれる。
「リッツさんご無事ですか!? ――あっ」
「――びっくりしたぁ……」
目の前には髪が乱れ息を切らしたティーナが不自然な姿勢で立っていた。足元ではアンジェロがティーナの服を必死に引っ張っていた。
「お、お嬢様ー! 危険ですから、お戻りになってくださーい!」
遅れてエレナさんが息も絶え絶えにやってくる。
「二人共、そんなに慌ててどうしたの?」
「リッツさん! やはり疫病が流行り始めてるようです、すぐに避難を――ってあれ?」
俺から目線の逸れたティーナは後ろで少女を抱え立っている男性をみていた。
「あぁ、この家の人ならもう治ったよ」
「えっ……ええええええええええ!?」
ティーナの叫びが家に響き、アンジェロはそんなティーナを家から離そうと引っ張り続けた。
◇
「ほ、本当にもうなんともないのですか?」
「はい、リッツ殿のおかげでこの通りです!」
「おにいちゃんがね、あっというまに、おとうさんをなおしてくれたんだよ!」
アンジェロをもふっていた少女はこちらに向かって嬉しそうに手を広げた。
「しかし、医者ですら投げ出した病を一晩足らずで治してしまうなんてそんなこと……」
エレナさんが困惑した様子でティーナをみる。
「ですがこうして治ったというのが事実であれば、街に広がる疫病もきっと……リッツさん、もし薬が残ってるのであればあるだけお売りいただけないでしょうか?」
「あぁそれならまだいっぱいあるよ」
鞄に手を入れ薬を出そうとするとエレナさんが割って入った。
「お、お嬢様! あのお金は唯一の支度金……なくなってしまえばもう家からの援助は……!」
「……いいのです。あのお金でどれだけの薬が買えるかはわかりませんが、少しでも命が助かるのであれば……こんな私でも、人々のお役に立てるのであれば安いものです」
薬を出すタイミングを逃した俺は鞄に手を突っ込んだまま話が落ち着くのを待つ。
「リッツさん、それで薬はおいくらほどになりますか?」
「そうだな、金貨一枚ってところでどうかな?」
気持ちはわかるが俺だって食っていかないといけないからな。
「十人助けるだけでも金貨十枚……お嬢様、やはりおやめになったほうがよろしいのでは……」
「え? いや、そうじゃなくて。今ある分でいいならまとめて金貨一枚でいいよ」
いったい俺をなんだと思ってるんだ。たかが解毒薬、そんなにするわけないだろ。
俺は薬を数十本ほど並べていく。
「ま、待ってください! いったい、いくつお持ちなんですか!?」
「えっ? とりあえず百本くらいと、あとは濃縮品の希釈倍率を変えればまだまだ増やせるから千はあるんじゃないかな。材料もたくさんあるし少し時間をもらえればもっと増やせるよ」
街の規模にもよるからどの程度力になれるかはわからないが――。
「あれ、みんなどうしたの?」
「せ、聖人様……神がこの国を救うために使いを送ってくださったのだ……!」
男性の言葉を聞きハッとしたようにティーナとエレナさんは顔を合わせ頷いた。
「リッツさん、そういえばお嬢様が助けてもらったお礼にと宿をお取りしてたんです!」
「そうでした! とりあえず薬の件はそちらで――皆さん、夜分遅くに失礼しました!」
「えっ、あっ、ちょっと!?」
薬を鞄に詰め込まれ俺は宿まで引っ張られていった。
「いいですよ、俺が勝手にしたことなんで気にしないでください」
材料は草だしこの国には大量にあるからな。
「おにいちゃんありがとう!」
「お父さん、元気になってよかったね」
少女は頷くと嬉しそうに父親に抱き着いた。
「それじゃあ俺はこれで」
「ま、待ってくれ! 何か……そうだ、もう夜も遅い、泊まっていってはどうだ?」
「それなら――っと、そうだ。外で連れを待たせてるので呼んできてもいいですか?」
了解をもらい外に向かおうとするとアンジェロの声がする。
こんなに吠えるなんて何かあったんだろうか。
戸を開けようとした瞬間、勢いよく扉が開かれる。
「リッツさんご無事ですか!? ――あっ」
「――びっくりしたぁ……」
目の前には髪が乱れ息を切らしたティーナが不自然な姿勢で立っていた。足元ではアンジェロがティーナの服を必死に引っ張っていた。
「お、お嬢様ー! 危険ですから、お戻りになってくださーい!」
遅れてエレナさんが息も絶え絶えにやってくる。
「二人共、そんなに慌ててどうしたの?」
「リッツさん! やはり疫病が流行り始めてるようです、すぐに避難を――ってあれ?」
俺から目線の逸れたティーナは後ろで少女を抱え立っている男性をみていた。
「あぁ、この家の人ならもう治ったよ」
「えっ……ええええええええええ!?」
ティーナの叫びが家に響き、アンジェロはそんなティーナを家から離そうと引っ張り続けた。
◇
「ほ、本当にもうなんともないのですか?」
「はい、リッツ殿のおかげでこの通りです!」
「おにいちゃんがね、あっというまに、おとうさんをなおしてくれたんだよ!」
アンジェロをもふっていた少女はこちらに向かって嬉しそうに手を広げた。
「しかし、医者ですら投げ出した病を一晩足らずで治してしまうなんてそんなこと……」
エレナさんが困惑した様子でティーナをみる。
「ですがこうして治ったというのが事実であれば、街に広がる疫病もきっと……リッツさん、もし薬が残ってるのであればあるだけお売りいただけないでしょうか?」
「あぁそれならまだいっぱいあるよ」
鞄に手を入れ薬を出そうとするとエレナさんが割って入った。
「お、お嬢様! あのお金は唯一の支度金……なくなってしまえばもう家からの援助は……!」
「……いいのです。あのお金でどれだけの薬が買えるかはわかりませんが、少しでも命が助かるのであれば……こんな私でも、人々のお役に立てるのであれば安いものです」
薬を出すタイミングを逃した俺は鞄に手を突っ込んだまま話が落ち着くのを待つ。
「リッツさん、それで薬はおいくらほどになりますか?」
「そうだな、金貨一枚ってところでどうかな?」
気持ちはわかるが俺だって食っていかないといけないからな。
「十人助けるだけでも金貨十枚……お嬢様、やはりおやめになったほうがよろしいのでは……」
「え? いや、そうじゃなくて。今ある分でいいならまとめて金貨一枚でいいよ」
いったい俺をなんだと思ってるんだ。たかが解毒薬、そんなにするわけないだろ。
俺は薬を数十本ほど並べていく。
「ま、待ってください! いったい、いくつお持ちなんですか!?」
「えっ? とりあえず百本くらいと、あとは濃縮品の希釈倍率を変えればまだまだ増やせるから千はあるんじゃないかな。材料もたくさんあるし少し時間をもらえればもっと増やせるよ」
街の規模にもよるからどの程度力になれるかはわからないが――。
「あれ、みんなどうしたの?」
「せ、聖人様……神がこの国を救うために使いを送ってくださったのだ……!」
男性の言葉を聞きハッとしたようにティーナとエレナさんは顔を合わせ頷いた。
「リッツさん、そういえばお嬢様が助けてもらったお礼にと宿をお取りしてたんです!」
「そうでした! とりあえず薬の件はそちらで――皆さん、夜分遅くに失礼しました!」
「えっ、あっ、ちょっと!?」
薬を鞄に詰め込まれ俺は宿まで引っ張られていった。
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