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137話
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なんだあの魔物……いや、バケモノは……。
穢れが絡み合った全身は一見していつかのウムトのようだが……あれとは似て非なるようにもみえる。
師匠たちが攻撃しているが怯みはしてもダメージを受けてる様子はない。
地面の至る所から穢れが湧き出てるのもあいつのせいだろうか。
「ティーナ、あれはいったいなんだ?」
「リッツさん無事でしたか! さっきの男性がルルちゃんみたいになったんです!」
「なんだって……加勢しないと!」
「待て、状況からみて三人でも十分足止めはできている。ほかに魔物がいない今、まずはエリクシールを優先したほうがいいだろう」
「アルフレッドさん……ですが……」
「心配するな。ミレイユは強い、俺が保証する」
「リッツさんいきましょう。きっと呪いを解けば穢れも収まるはずです」
「……わかった。アンジェロ、ティーナとニエを乗せて走れるか?」
「ワフッ!」
「よし、トリスタンはここで穢れを抑えてくれ。アルフレッドさん、俺が先行するのでルルをお願いします」
トリスタンの浄化と同時に俺たちは師匠に合図して奥へと進んだ。
◇
「つ、ついにみつけたッ!」
泉に囲まれた大木の根元でポツンと生えている草。
あれがエリクシール(呪)……。
一見するとなんてことないただの草にしか見えないが存在感が段違いだ。
世界樹の葉がみんなに愛される草だとすれば、エリクシールは他を寄せ付けない草の王。
キングオブ草だ!!!!
「……でも呪われてるせいか少し色合いが悪いな……本来なら葉色がもっとよさそうな気もするし葉が欠けてしまっている」
「リッツ様?」
「あぁいや、なんでもない」
元通りになればきっと綺麗な色に戻るはず。
「どうだティーナ、解呪できそうか?」
「強力な呪いですがやってみせます!」
解呪がうまくいったらすぐ師匠と合流しないとな。
しばらくティーナがエリクシールに手をかざすと大きな光が放たれた。
「――あ、あれ?」
「どうしたティー……なあああぁぁッ!?」
エリクシールが枯れ始めている!
「失敗したのか!?」
「い、いえっ! 解呪は成功しています!」
「リッツ君、すぐにここから離れたほうがいいみたいだ」
エリクシールの力が急激に弱まっているのか、大地の揺れと共に泉の底からヤバい気配が伝わってくる。
さすがにみんなを守りながらは無理だ。
「ティーナ、アンジェロに乗れ! ニエは俺が! まずはここから逃げるぞ!」
穢れが絡み合った全身は一見していつかのウムトのようだが……あれとは似て非なるようにもみえる。
師匠たちが攻撃しているが怯みはしてもダメージを受けてる様子はない。
地面の至る所から穢れが湧き出てるのもあいつのせいだろうか。
「ティーナ、あれはいったいなんだ?」
「リッツさん無事でしたか! さっきの男性がルルちゃんみたいになったんです!」
「なんだって……加勢しないと!」
「待て、状況からみて三人でも十分足止めはできている。ほかに魔物がいない今、まずはエリクシールを優先したほうがいいだろう」
「アルフレッドさん……ですが……」
「心配するな。ミレイユは強い、俺が保証する」
「リッツさんいきましょう。きっと呪いを解けば穢れも収まるはずです」
「……わかった。アンジェロ、ティーナとニエを乗せて走れるか?」
「ワフッ!」
「よし、トリスタンはここで穢れを抑えてくれ。アルフレッドさん、俺が先行するのでルルをお願いします」
トリスタンの浄化と同時に俺たちは師匠に合図して奥へと進んだ。
◇
「つ、ついにみつけたッ!」
泉に囲まれた大木の根元でポツンと生えている草。
あれがエリクシール(呪)……。
一見するとなんてことないただの草にしか見えないが存在感が段違いだ。
世界樹の葉がみんなに愛される草だとすれば、エリクシールは他を寄せ付けない草の王。
キングオブ草だ!!!!
「……でも呪われてるせいか少し色合いが悪いな……本来なら葉色がもっとよさそうな気もするし葉が欠けてしまっている」
「リッツ様?」
「あぁいや、なんでもない」
元通りになればきっと綺麗な色に戻るはず。
「どうだティーナ、解呪できそうか?」
「強力な呪いですがやってみせます!」
解呪がうまくいったらすぐ師匠と合流しないとな。
しばらくティーナがエリクシールに手をかざすと大きな光が放たれた。
「――あ、あれ?」
「どうしたティー……なあああぁぁッ!?」
エリクシールが枯れ始めている!
「失敗したのか!?」
「い、いえっ! 解呪は成功しています!」
「リッツ君、すぐにここから離れたほうがいいみたいだ」
エリクシールの力が急激に弱まっているのか、大地の揺れと共に泉の底からヤバい気配が伝わってくる。
さすがにみんなを守りながらは無理だ。
「ティーナ、アンジェロに乗れ! ニエは俺が! まずはここから逃げるぞ!」
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