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This is the moment ⑭
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「アキちゃん、見て! あの人、酉井くんに似てる」
ちょうど放送していた刑事もののドラマを見始めてすぐ、黒崎がテレビを指さしてこちらを見た。尚人もだが、涼も芸能人にいてもおかしくないような顔面偏差値を持っている。だから人気のある俳優たちに対して引けを取らないし、よく俳優の〇〇に似てる、と言われることも多い。黒崎が指摘した俳優も、涼に似てるよな、と前から話題にしていた俳優だった。
「ああ、この俳優な。似てるよな。まあ、涼の方がイケメンだけどな」
「アキちゃん……。まさか、酉井くんによからぬ気持ちがあるんじゃないよね」
「あるわけないだろ。それに、涼はノンケだから」
「ノンケだろうとなんだろうと、アキちゃんの色気と可愛さにかかったら、酉井くんもコロリといくかもしれないじゃん」
「ないって」
「どうだか……」
晃良を疑うような目で黒崎がこちらを見ていた。ほんとにこいつは、と思いながら、黒崎をきもち上目使いでじっと見る。こういう拗ねモードの黒崎の扱いには慣れてきた。
「涼はな、弟みたいなもんなんだって。そんな目で見たことない。それより……」
そう言って、そっと腕を伸ばして黒崎のカーディガンの裾を軽く引っ張る。晃良のできる限りの甘えた仕草で。
「俺たちのことに集中しねぇ? せっかく、2人きりなんだし」
「……アキちゃん」
「ん?」
「可愛い過ぎる」
「え? おわっ」
もの凄い勢いでソファに押し倒された。黒崎の右手が素早く服の中に入ってきて、そのまま首筋や耳を舐められる。晃良の思惑通り黒崎の機嫌は秒速で直ったが、勢いよく押し倒されていきなりここでヤろうとするほど上機嫌になるのは計算外だった。なんでこいつは毎回毎回ソファでヤりたがるのだろうか、と半ば呆れながら抵抗する。
「ちょ、黒崎! ベッドで!」
「いいじゃん。家のソファじゃないし。汚れても大丈夫でしょ?」
「だけど、あっちに立派なベッドあんじゃん。こんな窮屈なところでヤんなくてもいいじゃん」
「じゃあ、こっちでもあっちでもしたらいいじゃん」
「……お前、一体何回ヤるつもりなわけ? 昼もしただろ」
「えー? 力の限り、精一杯」
「なんだその運動会の宣誓みたいな文句はっ」
「爽やかでいいよね。いい言葉じゃない? 精力の限りって」
「そっちの力じゃないだろ」
そんな会話をしつつも、黒崎は動きを止めなかった。段々と晃良の体が反応を強めていく。
「ちょっ……あっ……ほんとにもっ……」
晃良がこれは止まんねーな、と諦めかけたそのとき。
テーブルに置いておいた晃良の携帯電話が鳴り出した。
「黒崎……ん……ちょ……電話……」
「後でいいじゃん」
「や、でも……」
このまま放っておこうかと思ったが、その電話がなんとなく気になった。
「やっぱ、出る」
そう言って、黒崎を押しのけ起き上がる。
「え~、もう、後にしたらいいのに~」
とブツブツ文句を言う黒崎を無視して携帯を手に取ると、画面を確かめた。知らない番号からだった。一瞬迷ったが、仕事関係かもしれないので電話に出た。
ちょうど放送していた刑事もののドラマを見始めてすぐ、黒崎がテレビを指さしてこちらを見た。尚人もだが、涼も芸能人にいてもおかしくないような顔面偏差値を持っている。だから人気のある俳優たちに対して引けを取らないし、よく俳優の〇〇に似てる、と言われることも多い。黒崎が指摘した俳優も、涼に似てるよな、と前から話題にしていた俳優だった。
「ああ、この俳優な。似てるよな。まあ、涼の方がイケメンだけどな」
「アキちゃん……。まさか、酉井くんによからぬ気持ちがあるんじゃないよね」
「あるわけないだろ。それに、涼はノンケだから」
「ノンケだろうとなんだろうと、アキちゃんの色気と可愛さにかかったら、酉井くんもコロリといくかもしれないじゃん」
「ないって」
「どうだか……」
晃良を疑うような目で黒崎がこちらを見ていた。ほんとにこいつは、と思いながら、黒崎をきもち上目使いでじっと見る。こういう拗ねモードの黒崎の扱いには慣れてきた。
「涼はな、弟みたいなもんなんだって。そんな目で見たことない。それより……」
そう言って、そっと腕を伸ばして黒崎のカーディガンの裾を軽く引っ張る。晃良のできる限りの甘えた仕草で。
「俺たちのことに集中しねぇ? せっかく、2人きりなんだし」
「……アキちゃん」
「ん?」
「可愛い過ぎる」
「え? おわっ」
もの凄い勢いでソファに押し倒された。黒崎の右手が素早く服の中に入ってきて、そのまま首筋や耳を舐められる。晃良の思惑通り黒崎の機嫌は秒速で直ったが、勢いよく押し倒されていきなりここでヤろうとするほど上機嫌になるのは計算外だった。なんでこいつは毎回毎回ソファでヤりたがるのだろうか、と半ば呆れながら抵抗する。
「ちょ、黒崎! ベッドで!」
「いいじゃん。家のソファじゃないし。汚れても大丈夫でしょ?」
「だけど、あっちに立派なベッドあんじゃん。こんな窮屈なところでヤんなくてもいいじゃん」
「じゃあ、こっちでもあっちでもしたらいいじゃん」
「……お前、一体何回ヤるつもりなわけ? 昼もしただろ」
「えー? 力の限り、精一杯」
「なんだその運動会の宣誓みたいな文句はっ」
「爽やかでいいよね。いい言葉じゃない? 精力の限りって」
「そっちの力じゃないだろ」
そんな会話をしつつも、黒崎は動きを止めなかった。段々と晃良の体が反応を強めていく。
「ちょっ……あっ……ほんとにもっ……」
晃良がこれは止まんねーな、と諦めかけたそのとき。
テーブルに置いておいた晃良の携帯電話が鳴り出した。
「黒崎……ん……ちょ……電話……」
「後でいいじゃん」
「や、でも……」
このまま放っておこうかと思ったが、その電話がなんとなく気になった。
「やっぱ、出る」
そう言って、黒崎を押しのけ起き上がる。
「え~、もう、後にしたらいいのに~」
とブツブツ文句を言う黒崎を無視して携帯を手に取ると、画面を確かめた。知らない番号からだった。一瞬迷ったが、仕事関係かもしれないので電話に出た。
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