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デート?〜リアン〜
しおりを挟む「ほら見てご覧なさいよ。私たちの年代に相手にされないからってあんな年上の方と仲良くしているわよ」
くすくすくす……
「だって、あの方平民上がりの侯爵令嬢って呼ばれていますもの」
くすくすくす……
「傷物令嬢ですものね。田舎の暮らしがまだ恋しいのよ」
なんだあの令嬢達は……
「あら、それにあちらの男性はこの国の人じゃないわよね。見たことないもの。歳が離れているからきっと後妻にでも入るおつもりなのかも」
「まぁ! それなら幸せじゃないの」
……良い加減にしろよ。マリアの顔を見る。悲しんではないだろうか?
「ねぇねぇ、次はあっちの道に行こうよ」
俺の思いとは裏腹に、上着の袖を揺するマリア。
「なぁ、聞こえていたんだろ? 悔しくないのか?」
首を傾げるマリア。
「うん。だって全部憶測でしょ? 気にしてたらキリがないよ? パパとママが放っておけば良いって言っていたよ。そう言うことを言う人にはちゃんと罰が下るんだって」
しかし貴族が多くいる街中で聞いているものも少なくはない。罰は……下されるんじゃなくて下してるんだろうな。
……くすくすくすくすっ。
「きっと田舎貴族の後妻になるのね。お似合いだわよね。年齢が離れているだけでペットのように可愛がられたりして」
これは黙って許された問題ではなくなった。
「マリア、悪いが俺は許せないかな、っておい」
俺がそう言う前にマリアが令嬢達に向かっていった!
「リアンさんのことをバカにするような事言わないでっ!」
仁王立ちした。おいおい……
「マリア! いいから俺に任せとけよ」
「なんで! 私の事は良いけどリアンさんは、」
令嬢達の顔は明らかに悪くなった。
「な、なによ。婚約者がいないからって」
「そ、そうよ、みんなが言ってるもの……」
「侯爵家の力を使って脅す気でしょ!」
はぁっ。こんな事を言いたくないがバカには言い聞かせる必要がある。
「私の名前はフロリアン・フォン・オットーと言う。君たちが知らなくても仕方がないよな。隣国の者だからな」
流石にフルネームで言ったら分かるだろうか。顔は知らなくとも名前は知れている。
「オットー……大公家」
令嬢ではなく周りがざわついて、一歩また一歩と後退りしていた。令嬢達は顔を青褪めた。どうやら名前は知っているようだな。
「君たちはどこの誰かな? 私は名乗ったのだが?」
礼儀というものがある。名を名乗られたらきちんと返すものだ。
「あ、いえ、私たちは、失礼します」
頭を下げるがマリアの侍女が出てきた。
「こちらはライリー伯爵令嬢・クックソン子爵令嬢・コール男爵令嬢でございます」
この侍女普通の侍女ではないな。身のこなしが普通ではない。
「そうか、わかったよ。色々誤解があるようだが、」
「リアンさん、もう行こうよ。きっと反省してると思うよ?」
……女神のような優しさだな。しかし伯爵家に子爵家に男爵家の令嬢が侯爵令嬢によくもまぁ……
「はぁっ。親の顔が見たいと思ったのははじめての経験だ……酷いなこの国の教育は」
「「「……ひどっ、」」」
「酷いとかよく言えるな……酷いのは君達の顔だろう? 悪口を言う時の顔は嬉しそうでとても醜い。君達の様な者には分からないだろうが、私はこの国に招かれているんだ。国同士の問題に発展することが望みなのかな?」
そこまで言うとふらっと令嬢が血の気を引いた真っ白な顔で倒れそうになる。後ろで控えていた令嬢の付き人らしき女が支えて転倒は免れた。
「……………………」
無言で顔面蒼白。相手にする気はなかったのだが……
「ここで一つ訂正しておく。マリアベル嬢を四年間保護していたのは私だ。その縁もあって現在ロマーニ邸に世話になっている。どこの誰だか分からなかった。のではなく公表していないだけだ」
周りがざわつく。さっきより人が増えていた……
「兎に角君たちの家に抗議させてもらうとするか……悪意のある噂は流してはいけないんだったよな? 周りも聞いていたなら今後マリアベル嬢の悪い噂を流そうものなら……分かるよな?」
低くて穏やかに聞こえるが圧は伝わるだろう。周りにいた者達は一斉に頭を下げた。
……やり過ぎたか
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