14 / 19
婚約の報告
しおりを挟む
「チェルシー、シリルと婚約してくれるの! ありがとう」
侯爵夫人は涙交じりで私の手をギュッと握ってきました。
「そうか、シリル覚悟はできているな?」
ポンとシリル様の肩を叩く侯爵様
「えぇ。おじいさまも、おばあさまも、よろしくお願いします」
おじいさま、おばあさまと呼ばれた前侯爵夫妻は引退されウォルター家の領地にある別荘で暮らしていて、急遽お願いして来てもらったとの事でした。
「シリルや、もうちょっと早く言わんか。年寄りには強行スケジュールはキツいんじゃ」
「あの小さかったシリルが婚約だなんて、おめでとう。チェルシーさん、ユリシーズの事は申し訳なかったわね」
「いいえ、いいえ。愛する二人の邪魔はしたくありません」
ぶんぶんと頭を振りました。前侯爵夫人から頭を下げられるなんて……!
「シリルとチェルシーの婚約は私達は皆、了承という事だ。それではユリシーズと子爵令嬢の元へ行こうか」
侯爵様がそう言うので、大人しく後をついて行きました。
「ユリシーズ様とエイラ様も来ておられるの?」
「そうみたい。チェリーとの事を話したら、父上が兄上達の婚約書類も一気にすませる! って言ってさ……僕としては別日にして欲しかったんだけど、理由があってさ……」
気まずそうな顔をしていました。シリル様は髪の毛を少し切ってふわふわ感が少なくなり、男性らしさが増したというか……。
一昨日会ったばかりなのに、別の人のようでドキドキしてしまいました。
「理由ですか?」
「うん。すぐにわかるよ。あのさ、その話し方やめてよね。昔みたいに話して欲しい、その方が僕としては嬉しいから」
「はい。あっ! うん。そうね。婚約するんだものね」
婚約と言っておきながら、急に恥ずかしくなり、そして今から何があるのか分からないけれどとっても緊張してきました……。
「ねぇ、ヒューは何って?」
シリル様が手を出して来たので手を繋いで歩き出しました。シリル様の手は優しい手をしています。
少しごつごつとしているのはきっと騎士団で稽古をつけているからでしょう。侯爵様達とは少し離れてしまいました。
「ふーん。ってそれだけよ」
「あいつらしい」
シリル様のエメラルドなような緑色の目は細められ、少し照れているようでした。そんな様子を見ていると、更に恥ずかしさが増しました。
ユリシーズ様とエイラ様がお待ちの応接室の前まで来たので、手を離そうとしたら
「良いでしょ。チェリーの手はあったかくて触れていると安心するんだ」
そんな事を言われて断れるはずもなく、繋いだ手はそのまま応接室へと入りました。
空いている席に座るように言われ、シリル様とソファに並んで座ります。
「仲がいいのね……」
面白くなさそうにこちらを見てくるエイラ様
「チェルシー、シリルおめでとう」
エイラ様の肩を抱くユリシーズ様。愛し合っておられると言うのがよくわかりました。
「さて、この度は急な事でバタバタとしてしまったが、ユリシーズ、シリル、最後に聞くが、二人ともこの婚約に異議はないな?」
「「はい」」
「そうか。ベッカー子爵令嬢、フルーリー伯爵令嬢二人とも異議はないね?」
「「はい」」
「それでは、婚約証明書の見守り人であるお前達の祖父母の前で誓えるな?」
「「はい」」
ユリシーズ様、シリル様共々返事を返しました。
その後、それぞれ婚約証明書にサインをしました。
******
その後お茶を飲みながらユリシーズ様にお祝いの言葉をかけました。
「ユリシーズ様、エイラ様この度はご婚約おめでとうございます」
「チェルシーに言われるとなんだか、むず痒いな……」
「何かお祝いを用意しないといけませんわね。ユリシーズ様のお好きなワインを今度お持ちしますわね」
「チェルシーの家のワインは美味いからな、嬉しいよ。エイラと共に飲むとしよう」
エイラ様のこめかみにキスを落としました。ラブラブというものですね。目の当たりにするとたしかに、むず痒いものです。
「チェルシーさんの胸に光るブルーダイヤ、とても素敵」
エイラ様が突っかかるように言ってきました。今日このダイヤを身につけてきたのには理由がありました。
珍しいブルーダイヤを前侯爵夫人が見たいとおっしゃったからでした。
隣国出身の前侯爵夫人は隣国の王家と交流があったようで、先ほど婚約の報告をした際にお見せしたら、とても喜んでくださいました。
「ありがとうございます、」
「ねぇ、それ頂~戴!」
「「「「「「えっ??」」」」」」
前侯爵夫妻、侯爵夫妻、シリル様、私の声が揃いました。
ユリシーズ様は驚き固まっていました。
「なぁに? だって私は侯爵夫人になるのよ。伯爵令嬢で、将来の騎士の妻には勿体ない品物でしょう? 婚約祝いに頂戴。ワインなんてケチねぇ私は姉になるのだもの、それくらい」
「このっ無礼者がぁぁぁぁぁ!!!!!」
それはそれは大きな声が響きました
侯爵夫人は涙交じりで私の手をギュッと握ってきました。
「そうか、シリル覚悟はできているな?」
ポンとシリル様の肩を叩く侯爵様
「えぇ。おじいさまも、おばあさまも、よろしくお願いします」
おじいさま、おばあさまと呼ばれた前侯爵夫妻は引退されウォルター家の領地にある別荘で暮らしていて、急遽お願いして来てもらったとの事でした。
「シリルや、もうちょっと早く言わんか。年寄りには強行スケジュールはキツいんじゃ」
「あの小さかったシリルが婚約だなんて、おめでとう。チェルシーさん、ユリシーズの事は申し訳なかったわね」
「いいえ、いいえ。愛する二人の邪魔はしたくありません」
ぶんぶんと頭を振りました。前侯爵夫人から頭を下げられるなんて……!
「シリルとチェルシーの婚約は私達は皆、了承という事だ。それではユリシーズと子爵令嬢の元へ行こうか」
侯爵様がそう言うので、大人しく後をついて行きました。
「ユリシーズ様とエイラ様も来ておられるの?」
「そうみたい。チェリーとの事を話したら、父上が兄上達の婚約書類も一気にすませる! って言ってさ……僕としては別日にして欲しかったんだけど、理由があってさ……」
気まずそうな顔をしていました。シリル様は髪の毛を少し切ってふわふわ感が少なくなり、男性らしさが増したというか……。
一昨日会ったばかりなのに、別の人のようでドキドキしてしまいました。
「理由ですか?」
「うん。すぐにわかるよ。あのさ、その話し方やめてよね。昔みたいに話して欲しい、その方が僕としては嬉しいから」
「はい。あっ! うん。そうね。婚約するんだものね」
婚約と言っておきながら、急に恥ずかしくなり、そして今から何があるのか分からないけれどとっても緊張してきました……。
「ねぇ、ヒューは何って?」
シリル様が手を出して来たので手を繋いで歩き出しました。シリル様の手は優しい手をしています。
少しごつごつとしているのはきっと騎士団で稽古をつけているからでしょう。侯爵様達とは少し離れてしまいました。
「ふーん。ってそれだけよ」
「あいつらしい」
シリル様のエメラルドなような緑色の目は細められ、少し照れているようでした。そんな様子を見ていると、更に恥ずかしさが増しました。
ユリシーズ様とエイラ様がお待ちの応接室の前まで来たので、手を離そうとしたら
「良いでしょ。チェリーの手はあったかくて触れていると安心するんだ」
そんな事を言われて断れるはずもなく、繋いだ手はそのまま応接室へと入りました。
空いている席に座るように言われ、シリル様とソファに並んで座ります。
「仲がいいのね……」
面白くなさそうにこちらを見てくるエイラ様
「チェルシー、シリルおめでとう」
エイラ様の肩を抱くユリシーズ様。愛し合っておられると言うのがよくわかりました。
「さて、この度は急な事でバタバタとしてしまったが、ユリシーズ、シリル、最後に聞くが、二人ともこの婚約に異議はないな?」
「「はい」」
「そうか。ベッカー子爵令嬢、フルーリー伯爵令嬢二人とも異議はないね?」
「「はい」」
「それでは、婚約証明書の見守り人であるお前達の祖父母の前で誓えるな?」
「「はい」」
ユリシーズ様、シリル様共々返事を返しました。
その後、それぞれ婚約証明書にサインをしました。
******
その後お茶を飲みながらユリシーズ様にお祝いの言葉をかけました。
「ユリシーズ様、エイラ様この度はご婚約おめでとうございます」
「チェルシーに言われるとなんだか、むず痒いな……」
「何かお祝いを用意しないといけませんわね。ユリシーズ様のお好きなワインを今度お持ちしますわね」
「チェルシーの家のワインは美味いからな、嬉しいよ。エイラと共に飲むとしよう」
エイラ様のこめかみにキスを落としました。ラブラブというものですね。目の当たりにするとたしかに、むず痒いものです。
「チェルシーさんの胸に光るブルーダイヤ、とても素敵」
エイラ様が突っかかるように言ってきました。今日このダイヤを身につけてきたのには理由がありました。
珍しいブルーダイヤを前侯爵夫人が見たいとおっしゃったからでした。
隣国出身の前侯爵夫人は隣国の王家と交流があったようで、先ほど婚約の報告をした際にお見せしたら、とても喜んでくださいました。
「ありがとうございます、」
「ねぇ、それ頂~戴!」
「「「「「「えっ??」」」」」」
前侯爵夫妻、侯爵夫妻、シリル様、私の声が揃いました。
ユリシーズ様は驚き固まっていました。
「なぁに? だって私は侯爵夫人になるのよ。伯爵令嬢で、将来の騎士の妻には勿体ない品物でしょう? 婚約祝いに頂戴。ワインなんてケチねぇ私は姉になるのだもの、それくらい」
「このっ無礼者がぁぁぁぁぁ!!!!!」
それはそれは大きな声が響きました
974
あなたにおすすめの小説
婚約者に心変わりされた私は、悪女が巣食う学園から姿を消す事にします──。
Nao*
恋愛
ある役目を終え、学園に戻ったシルビア。
すると友人から、自分が居ない間に婚約者のライオスが別の女に心変わりしたと教えられる。
その相手は元平民のナナリーで、可愛く可憐な彼女はライオスだけでなく友人の婚約者や他の男達をも虜にして居るらしい。
事情を知ったシルビアはライオスに会いに行くが、やがて婚約破棄を言い渡される。
しかしその後、ナナリーのある驚きの行動を目にして──?
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)
夫のかつての婚約者が現れて、離縁を求めて来ました──。
Nao*
恋愛
結婚し一年が経った頃……私、エリザベスの元を一人の女性が訪ねて来る。
彼女は夫ダミアンの元婚約者で、ミラージュと名乗った。
そして彼女は戸惑う私に対し、夫と別れるよう要求する。
この事を夫に話せば、彼女とはもう終わって居る……俺の妻はこの先もお前だけだと言ってくれるが、私の心は大きく乱れたままだった。
その後、この件で自身の身を案じた私は護衛を付ける事にするが……これによって夫と彼女、それぞれの思いを知る事となり──?
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります)
本物の『神託の花嫁』は妹ではなく私なんですが、興味はないのでバックレさせていただいてもよろしいでしょうか?王太子殿下?
神崎 ルナ
恋愛
このシステバン王国では神託が降りて花嫁が決まることがある。カーラもその例の一人で王太子の神託の花嫁として選ばれたはずだった。「お姉様より私の方がふさわしいわ!!」妹――エリスのひと声がなければ。地味な茶色の髪の姉と輝く金髪と美貌の妹。傍から見ても一目瞭然、とばかりに男爵夫妻は妹エリスを『神託の花嫁のカーラ・マルボーロ男爵令嬢』として差し出すことにした。姉カーラは修道院へ厄介払いされることになる。修道院への馬車が盗賊の襲撃に遭うが、カーラは少しも動じず、盗賊に立ち向かった。カーラは何となく予感していた。いつか、自分がお払い箱にされる日が来るのではないか、と。キツい日課の合間に体も魔術も鍛えていたのだ。盗賊たちは魔術には不慣れなようで、カーラの力でも何とかなった。そこでカーラは木々の奥へ声を掛ける。「いい加減、出て来て下さらない?」その声に応じたのは一人の青年。ジェイドと名乗る彼は旅をしている吟遊詩人らしく、腕っぷしに自信がなかったから隠れていた、と謝罪した。が、カーラは不審に感じた。今使った魔術の範囲内にいたはずなのに、普通に話している? カーラが使ったのは『思っていることとは反対のことを言ってしまう魔術』だった。その魔術に掛かっているのならリュートを持った自分を『吟遊詩人』と正直に言えるはずがなかった。
カーラは思案する。このまま家に戻る訳にはいかない。かといって『神託の花嫁』になるのもごめんである。カーラは以前考えていた通り、この国を出ようと決心する。だが、「女性の一人旅は危ない」とジェイドに同行を申し出られる。
(※注 今回、いつもにもまして時代考証がゆるいですm(__)m ゆるふわでもOKだよ、という方のみお進み下さいm(__)m
私の療養中に、婚約者と幼馴染が駆け落ちしました──。
Nao*
恋愛
素適な婚約者と近く結婚する私を病魔が襲った。
彼の為にも早く元気になろうと療養する私だったが、一通の手紙を残し彼と私の幼馴染が揃って姿を消してしまう。
どうやら私、彼と幼馴染に裏切られて居たようです──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。最終回の一部、改正してあります。)
婚約破棄されたので、もう誰の役にも立たないことにしました 〜静かな公爵家で、何もしない私の本当の人生が始まります〜
ふわふわ
恋愛
王太子の婚約者として、
完璧であることを求められ続けてきた令嬢エリシア。
だがある日、彼女は一方的に婚約を破棄される。
理由は簡単だった。
「君は役に立ちすぎた」から。
すべてを失ったはずの彼女が身を寄せたのは、
“静かな公爵”と呼ばれるアルトゥール・クロイツの屋敷。
そこで待っていたのは――
期待も、役割も、努力の強要もない日々だった。
前に出なくていい。
誰かのために壊れなくていい。
何もしなくても、ここにいていい。
「第二の人生……いえ、これからが本当の人生です」
婚約破棄ざまぁのその先で描かれる、
何者にもならなくていいヒロインの再生と、
放っておく優しさに満ちた静かな溺愛。
これは、
“役に立たなくなった”令嬢が、
ようやく自分として生き始める物語。
「君以外を愛する気は無い」と婚約者様が溺愛し始めたので、異世界から聖女が来ても大丈夫なようです。
海空里和
恋愛
婚約者のアシュリー第二王子にべた惚れなステラは、彼のために努力を重ね、剣も魔法もトップクラス。彼にも隠すことなく、重い恋心をぶつけてきた。
アシュリーも、そんなステラの愛を静かに受け止めていた。
しかし、この国は20年に一度聖女を召喚し、皇太子と結婚をする。アシュリーは、この国の皇太子。
「たとえ聖女様にだって、アシュリー様は渡さない!」
聖女と勝負してでも彼を渡さないと思う一方、ステラはアシュリーに切り捨てられる覚悟をしていた。そんなステラに、彼が告げたのは意外な言葉で………。
※本編は全7話で完結します。
※こんなお話が書いてみたくて、勢いで書き上げたので、設定が緩めです。
諦めていた自由を手に入れた令嬢
しゃーりん
恋愛
公爵令嬢シャーロットは婚約者であるニコルソン王太子殿下に好きな令嬢がいることを知っている。
これまで二度、婚約解消を申し入れても国王夫妻に許してもらえなかったが、王子と隣国の皇女の婚約話を知り、三度目に婚約解消が許された。
実家からも逃げたいシャーロットは平民になりたいと願い、学園を卒業と同時に一人暮らしをするはずが、実家に知られて連れ戻されないよう、結婚することになってしまう。
自由を手に入れて、幸せな結婚まで手にするシャーロットのお話です。
かつて番に婚約者を奪われた公爵令嬢は『運命の番』なんてお断りです。なのに獣人国の王が『お前が運命の番だ』と求婚して来ます
神崎 ルナ
恋愛
「運命の番に出会ったからローズ、君との婚約は解消する」
ローズ・ファラント公爵令嬢は婚約者のエドモンド・ザックランド公爵令息にそう言われて婚約を解消されてしまう。
ローズの居るマトアニア王国は獣人国シュガルトと隣接しているため、数は少ないがそういった可能性はあった。
だが、今回の婚約は幼い頃から決められた政略結婚である。
当然契約違反をしたエドモンド側が違約金を支払うと思われたが――。
「違約金? 何のことだい? お互いのうちどちらかがもし『運命の番』に出会ったら円満に解消すること、って書いてあるじゃないか」
確かにエドモンドの言葉通りその文面はあったが、タイミングが良すぎた。
ここ数年、ザックランド公爵家の領地では不作が続き、ファラント公爵家が援助をしていたのである。
その領地が持ち直したところでこの『運命の番』騒動である。
だが、一応理には適っているため、ローズは婚約解消に応じることとなる。
そして――。
とあることを切っ掛けに、ローズはファラント公爵領の中でもまだ発展途上の領地の領地代理として忙しく日々を送っていた。
そして半年が過ぎようとしていた頃。
拙いところはあるが、少しずつ治める側としての知識や社交術を身に付けつつあったローズの前に一人の獣人が現れた。
その獣人はいきなりローズのことを『お前が運命の番だ』と言ってきて。
※『運命の番』に関する独自解釈がありますm(__)m
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる