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女達のお茶会2
しおりを挟む「皆さま、ごきげんよう」
「「「「……………」」」」
返事がない。こちらを見ることもない。
「なっ、レイラ何故、」
慌ててレイラを止めようとするフランツ。
「あら、フランツ殿下いらしたのですね?」
フランツの存在を確認し王太子妃アルミナが声を発した。その声は透き通るようで威厳があり響き渡るような声だった。
「義姉上達申し訳ない。お邪魔しました」
フランツは青ざめレイラを確保し後退りした。
「ねぇ、フランツどうして紹介してくれないの?」
レイラは王宮の夜会でアリスフィアと共に楽しそうに話している王子妃達の事を知っていた。アリスフィアはフランツの婚約者として王族の席に居るのに、自分はその他大勢の貴族だ。嫌でも目に入るし、美しく優雅な妃達は令嬢達から羨望の眼差しを受ける。その中にはアリスフィアもいる。
「また、今度にしよう。義姉上達の時間を邪魔してはいけない……」
そもそも王子妃とは高貴な存在で王太子妃アルミナの実家は公爵家。いくらフランツが王子であっても逆らえない人物である。
「ただのお茶会じゃないの?」
お茶会とは社交であり、大事な情報交換の場である。高位貴族となれば政治の話も絡んでくるしただお茶や菓子を楽しむ場ではない。一つのミスが命取りになる。
「い、行こうか……義姉上達また今度改めて紹介、」
そう言ってレイラを隠そうとした。自分の評価やレイラの評価を落とす事になる。アリスフィアを蹴落としてまで手に入れたレイラが爆弾を落とすことは許されない。それなのに……
「私は、レイラと申します。フランツの婚約者になりましたので以後お見知り置きを!」
可愛らしい笑顔で妹キャラを全開に出した。これで可愛がられるハズ。そしてカーテシーも忘れずに、ちょこんっと礼をした。
「「「「…………」」」」
四人は無言でその挨拶を華麗にスルーした。
「え? 聞こえて、ない? もしかして耳が、
「レイラっ! 義姉上達、本っ当に申し訳ない。お邪魔しました。さぁ、レイラ行こうっ!」
フランツはレイラを強制的に連れ出した。まさか自分を無視して義姉達に話しかけるとは思わなかったのだ。身分が下のものが上のものに声をかけるなんてあってはならない。しかも自己紹介までするなんて……
名前を名乗るのならまずは身分が上の人から紹介すると決まっているのだ。あぁ……なんて言う事だ。しかもあのカーテシーはなっていない。もっと優雅に美しく見えるように……アリスのカーテシーは相手を尊重するような挨拶だった。
それに比べてレイラのカーテシーは軽すぎるのだ。効果音をつけるなら“ちょこん。えへっ“と言ったところ……子供が習いたてに披露して可愛いと褒められる程度のものだ。
そして一方的に話しかけて、義姉上達の耳が……と言い出した時には肝が冷えた! いや場が凍りついたのだ。
「痛いわ、フランツ」
強制的に連れ戻したレイラが言うが、まだだ、もう少し離れて義姉達が見えないところまで連れて行かないと……
フランツは執務室へレイラを連れて扉を閉めた。
「なによぉ、痛いと言っているのに引っ張るなんて酷いわ。紳士のする事じゃないわよ」
レイラの手を離したら掴んでいた手首を摩り出した。
「レイラ、なぜ私が話をしている時に被せるように義姉上達に声を掛けたんだ……」
人が話をしている時は最後まで聞く。これは子供でもわかる事だ。
「だって私も皆さんと仲良くなりたいのですもの。フランツの婚約者として仲良くしないといけないでしょう?」
アリスフィアは母を含めて義姉上達と仲良くしていた。茶会も頻繁に行っていた。アリスフィアは一番歳下で義姉上達からも可愛がられていた。よくある嫁姑問題は一切なく、そして本当の姉妹の様にお互いを気遣いあい良い関係を築いていたと思う。ここは私が立ち入っては行けない領域だった。
皆が自分の立場を理解していたのだと思う。
「それはそうだが、アリスと婚約破棄してレイラを両親に紹介する前に義姉上に紹介することはできない。順序というものがあるんだ。分かってくれるよね?」
婚約破棄をした事を説明して、新たにレイラと婚約をし直す。ここまでは問題ないはずだ。
あぁ、書類も準備しなくてはいけない!
「でも帰ってくるのはまだ先でしょう? 私のお義父様にも会ってくれる?」
父上が帰ってきたら早く話を通さないといけない。
「もちろん説明させてくれ。レイラの様に、可愛い子と婚約できるなんて私は幸せものだよ」
「アリスフィア様は確かに可愛げがなかったですよね。家では勉強もしてなかったし」
アリスフィアは家での授業は既に終えていて王宮でみっちり授業を受けていた。そしてフランツの執務を手伝っていた。
それをレイラは知らない。決して勉強をしていないわけではなかったが、家で勉強をしている姿を見たことのないレイラはアリスフィアは勉強をしない、なまくら令嬢だと思い込んでいた。
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