婚約を破棄され辺境に追いやられたけれど、思っていたより快適です!

さこの

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王が帰国する

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 王都では国王一行が帰ってきて、皆がバタバタとしていた。

「陛下、お帰りをお待ちしておりました」

 王太子であるヴィンセントがまず優雅に声をかけた。それから第二王子、第三王子、第四王子と続くのだが────


「あら、フランツはどうしたの? アリスもいないじゃない」

 王妃が不思議そうな顔をした。兄弟王子達は皆いる。妃や婚約者達もいる。

「ヴィンセント、フランツはどうしたのじゃ?」

 国王が第五王子フランツとその婚約者がいない事で怪訝な顔をした。

「なにかあったのだな?」


「それは後程説明致します。時間を空けてもらえますか?」

「うむ。分かった。帰国したばかりでやらねばならぬことも多々ある」

 国王からの了承を得て解散となった。帰ってきたばかりだが、目を通してもらわなければいけない書類が沢山ある。国王代理としてできる事はしたが、国王の印が必要な書類は多々あり急を要する案件もある。その中にフランツの話もあるのだが、これは家族の話でもある。

 一緒に帰ってきたブラック伯爵夫妻にも話を聞いてもらおうと、疲れているであろうが一旦城で待機してもらった。クレイグにも同席してもらう為に話を通してもらった。


 旅の疲れも何のその、昼過ぎに帰還した国王は留守中の報告を受け晩餐を終えた後時間を設けた。その時フランツの話は伏せてある。そこには王太子ヴィンセントと第三王子フェリクス、ブラック伯爵夫妻、夫妻の嫡男クレイグと次男ジェラールがいた。


 話し合いの場は応接室で珍しいと国王は思ったが共に帰ってきたばかりのブラック伯爵夫妻も居るし、おかしいと思った。そういえばアリスの姿が先程から見当たらない。例えフランツがいなくてもアリスなら妃達と一緒に出迎えるだろう。


 


「ほぅ。これは珍しい組み合わせじゃな。ジェラールよ、久しいのぅ」


 深々と頭を下げて礼をするジェラール。


「して、どうした? ブラック伯爵家の皆まで呼び、お前達二人だけがなぜここに?」


 国王が話し出したことにより、説明をすることになる。


 本来なら王太子であるヴィンセントが説明をするものだが、あの場にいた第三王子フェリクスが説明をすることになった。


 フェリクスは王宮で行われた学園のパーティーであったことを説明した────



 王妃はワナワナと震え、ブラック伯爵夫妻は静かに聞いていた。


「フランツはどこにいるのっ!」

 王妃は怒りの声を出した。

「自室にて謹慎を命じております。期間は陛下達がお帰りになる時までです。反省をしているかどうかは父としてご覧いただいた上でその後のをお願いします」


「生徒達の前で婚約破棄をするなんて! それに新たな相手まで勝手に決めて、アリスを追放だなんて恥べき事です! 今までアリスがどれだけ努力をしてきたと思って? あの子は何を考えているの」

 王妃が国王に詰め寄った後にふらっと体が揺れてソファに落ちた。国王は目を瞑り立ち上がりブラック伯爵家の皆に頭を下げた。


「伯爵此度は我が愚息が大変申し訳ないことをした。愚息の言った追放の件は国王の名において直ちに撤回とする。婚約破棄の件については愚息が一方的だった為に、慰謝料を支払いアリスフィアに害が及ばぬようにすることを誓う。改めてブラック伯爵家の皆さんには申し訳ないことをした」


 その場にいたものは皆ぎょっとした。国王が頭を下げたのだ。


「陛下、頭を上げてください。うちの娘にも原因が……あったのでしょう。王子妃になるには努力が必要でそれに見合った勉強も沢山していました。少々勝気なところはありますしフランツ殿下のお気持ちに寄り添えなかったところなのかもしれません。陛下がフランツ殿下のを取り下げると仰ったので、そこは何卒よろしくお願い致します」


 国王が頭を下げなかったらこんな言葉は出なかっただろう。しかし追放は許されることではなく、早く迎えに行きたい気持ちが表に出ている。


「本当にすまなかった。愚息の父として謝罪をする。すぐにグレマンに行きアリスを呼び戻す手配をしよう。グレマン家にはわしから、」

「父上、お話中ですがあのバカフランツの処罰はどうするおつもりですか? その場にいた生徒達にはこの件に関しては口を慎むように言ってありますが、そろそろ長期休暇で帰省した生徒達の口から漏れることとなるでしょう」

 少しずつ話が漏れてきているという報告を聞いた。人の口に戸は立てられない。情報社会だからこんな美味しい話はない。それに王家からの迎えとなると、アリスは嫌がるだろう。

 王宮では箝口令が、しかし実家に帰るとついうっかり。という感じで口が緩んでしまうだろう。


「皆の話は分かった。王妃もこの通り今は驚きを隠せずショックを受けておる。明日フランツと面会し今後の沙汰を言い渡す。ブラック伯爵家の皆さんにはまた足を運んでもらうことになると思うが、本日はこれにて解散とする」


















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