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ドレスの持ち主は?
しおりを挟む「だーかーらー、フランツに貰ったの!」
レイラは王宮の一室にいた。
「そんなに疑うならフランツに聞きなさいよね!」
フランツも何で助けに来ないのよ! あれから三時間以上経っているのに私がいない事にきがついてないの?!
「この部屋?」
「はっ!」
すっごい威厳のある声で衛兵達が頭を一斉に下げた。すごっ!
「あなたがフランツの客人?」
「お、王妃様……」
「返事がないわね。それともわたくしの耳がおかしいのかしら?」
これは王妃が可愛がっている義理の娘達から聞いたイヤミだった。
「王妃様、酷いんですぅ。この人達がレイラの事を悪者扱いするんですっ」
「耳も悪いし、口も悪い、態度も悪い。フランツはこの娘のどこに惹かれたんだか」
はぁっ。と大きなため息を吐きレイラの事を見たくないのか扇で顔を隠した。そして側近の侍女経由で話をする事にした。王妃が侍女の耳元で言ったであろう言葉を侍女の口から告げられる。直接話をするつもりはないようだ。
「そこの貴女そのドレスはどうしたのですか?」
「貰ったの!」
ヒソヒソ(耳元で囁く王妃)
「どなたから貰ったドレスですか?」
「フランツよ」
ヒソヒソ(耳元で囁く王妃)
「贈り物一覧に貴女の名前はありません」
「……それは、」
「盗んだのですか?」
「まさか!」
ヒソヒソ
「こちらのドレスはアリスフィア・ブラック伯爵令嬢に贈られたドレスです。そしてアリスフィア嬢はそのドレスを一部変更したいと申し出てきており許可したドレスに間違いありません」
「え、こんな素敵なドレスなのに? バカなのかしら」
ヒラヒラしていて豪華だし可愛いしリボンも大きい。
「先ほどから貴女は口が過ぎます。王妃様の御前だと言うのに呆れて物が言えません!」
「あ、そのぉ、すみませぇん。これから気をつけるのでお許しくださぁい。可愛い娘だと思って、」
手を合わせて首を横にした。可愛いからこれで許して貰えるよね。
「全くふざけた方ですね! この程度でフランツ殿下が婚約をしたいだなんて……嘆かわしい事です」
王妃も同意したように呆れた様子が見えて取れた。
「窃盗・横領・住居侵入・虚偽・不敬・脅迫・強要・侮辱など貴女がしてきた罪の一部です。詳しく調べるともっと出てくるでしょう。そんな貴女は王族に肩を並べるわけにはいけません。世論も許しません」
ばさっと新聞を投げられた。
「な、何コレ!」
【悪女レイラの所業。王家はこの女を受け入れるのか?!】
孤児院出身レイラは孤児院に行き孤児を汚いと笑った。
世話になっている貴族邸の令嬢の婚約者を奪った。
世話になっている貴族邸の名前を使い下町で偉そうに買い物をしていた姿を見た。
【第五王子の罪】
家と家との結婚で国民に婚約を祝福されながら身勝手な理由で婚約を破棄し税金を無駄にした。
浮気をし女性軽視と見られ国民からの反感は凄まじい。抜粋してお届けしたが怒りを感じている国民は多い。
「は、何よコレ。適当なことばかり、」
「適当ではありません。税金を無駄にしていますから。アリスフィア様は幼き頃から王宮に通い王族としてマナーや教養を叩き込まれています。それに関しての費用は王宮から(税金)出ています。王子の婚約者としての費用も王宮から。執務をするにあたり、たくさんの時間を割いてくださいました。国やフランツ殿下を支えるために自由な時間も少なく、いつも護衛がアリスフィア様の周りにいました。いつも誰かに見られる生活を想像してご覧なさい」
「私だっていま学んでいるもの! アリスみたいに子供の頃からやっているわけではないのだから長い目で見てよ」
「えぇ。アリスフィア様は幼少の頃から学んでおりました。自分の意思ではありませんでしたがよく学び期待に応えてくださいました。貴女は自ら望んでその道を選んだはずなのに文句ばかりです。そのような考えなので教師も辞めていくのです。貴女に教えてもムダだと思ったのでしょう」
なっ! なんですって!!
「失礼な教師ね! 教え方が下手だったからやる気を削いだよ!」
「はぁっ。王妃様の前でなんと見苦しい姿を……」
今まで静観していた王妃が口を開いた。
「フランツ出ていらっしゃい」
おずおずと出てくるフランツ。
「フランツ! 助けに来るのが遅いわよ」
「レイラ……口が過ぎる。母上の前でなんて醜態を晒すんだ。もうお終いだ」
「え?! 何でよ、王子妃にしてくれるんでしょ! アリスより私を選んだじゃない!」
書類をすっと渡される。内容は……顔が青くなる。
「成績が優秀だったのは嘘だったんだな。テストの山を張らせるように男子生徒を使っていた。それに教師の教え方が下手だなんて人のせいに……自分で努力をしようとは思わなかったのか? 私の隣に立てるように学ぼうとは思わなかったのか」
「そもそもマナーなどは習う必要はないのです。フランツ殿下もアリスフィア様も幼い頃からマナーが身についている者としか接してこなかったのですから。周りを見ていれば自然に身につくのです。あちらの方はフランツ殿下の周りにいないタイプだったのだから珍しく映っただけだと思います」
王妃の侍女がピシャリと言った。
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