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もう戻れません
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「此度は愚息が申し訳なかった」
陛下からの謝罪から始まった。
「陛下! おやめください。わたくしが至らぬばかりにこのような事が起きてしまったのでわ」
私にも悪いところはある。
「アリスフィアがどれだけ頑張ってきたか近くで見守ってきたのですからわたくしがよく分かっています。アリスフィア疲れていたのでしょう……ごめんなさいね。愚息が至らぬばかりにアリスフィアにばかり負担を掛けてしまって。夫婦になるにはお互いが支える事が前提ですもの。申し訳なかったわ。あの子の教育を間違えてしまった」
「王妃様……申し訳ございませんでした」
疲れていた事がバレていたとは……逃げ出したいほど嫌なわけじゃなかった。私の居場所だと思っていた。
「愚息の責任で婚約解消となった。わし達が国を離れた時にこんな事が起ころうとは。謝っても謝りきれない」
陛下も王妃様も心を痛めていて心からの謝罪だと思った。殿下がお二人のこのような姿を見たらどう思うでしょうか? あなたは陛下と王妃様に頭を下げさせるような真似をしたのですよ。と言うと何も言い返すことはできないだろうと思うけれど……
「もう終わったことです。ただこちらでお世話になっていた時間が長かったものですからこの先はどうすれば良いか考えなくてはと思います」
慰謝料をいただけるそうだし、王家所有の別荘も付けてくれるのだそう。断れないからもらっておこう。とお父様が言った。
「無責任な言い方になるけれど、今までアリスフィアは好きなことも出来なかったでしょうから一度何をしてみたいか考えてみるのも良いかもしれないわね……王宮は息苦しい場所だったでしょう? 外国に行くことを楽しみにしていたものね。アリスフィアの自由を奪っていたのは分かっていたけれどわたくしは、あなたの成長をみる事ができて嬉しかったわ。元々あなたはお転婆だったのだから。懐かしいわね」
「それは、恥ずかしいですわ」
初めて王宮に来た時はちゃんと挨拶が出来ていたかも怪しい。でも王妃様は言って下さった。
『元気が一番よね。うちの子と仲良くしてあげてね』って。嬉しかったな……
「婚約解消の事でアリスフィア嬢の事を悪く言うものはおらんと約束する。さて、謝罪の次は愚息フランツの件だが現在謹慎中じゃ。それとフランツの相手のお嬢さんも訳あって別部屋に隔離しておる」
フランツ殿下は謹慎中。レイラは別の部屋にいる? 離れの屋敷に住んでいると聞いていたけれど今は違うのね。
「フランツの行いにより、伯爵家・子爵家・男爵家に大変面倒をかけた。特にクルー男爵は養女として迎えたフランツの相手のお嬢さんの行いで多大な額の慰謝料を出すことにし男爵も社交界には顔を出さないと言ってきた。数年後に爵位を息子に渡すと言うてきた」
「はい、それは先日男爵様からお聞きしました」
王子を唆した罪で罰せられることも覚悟していたとか。
「男爵の気持ちは痛いほどわかる。王太子と王太子妃との間には元気な子もおるからわしらも引退することにする」
え?!
「陛下! そんな! なりませんわ!!」
「なぜじゃ? わしらは既に引退を考えておった。王太子と王太子妃じゃ頼りないか?」
「いいえ! そうではありませんが」
「間近で見ていたのだからわかるでしょう? あの子達なら立派な国王と王妃を務めてくれるわ」
王妃様が美しく笑った。
「すぐにとは言わないぞ。三年後と考えておる。今せねばならぬ案件が山積しておるし、急に国王が交代となると他国に怪しまれ狙われてしまうし国民も不安になるじゃろうからな。これは前から思っていたことで、少し早まっただけだ。徐々に公務を王太子に回しておったのは知っているだろう? しかし引退時期はフランツには言うておらん」
フランツ殿下以外はご存じだという事ね。もう決まったことに対して反対する事は出来ない。公表すると貴族達はしばらくざわつくだろうけれど、王太子殿下なら国王になっても問題はないと思う。
「申し訳ございません」
「謝る必要はない。少し早まっただけだと言うたじゃろう? それにのんびりと王妃と暮らすのを楽しみにしておったから楽しみじゃ。引退後は南の離宮で暮らそうと思う」
南の離宮は青の宮殿と呼ばれる美しい場所だ。ブラック伯爵家の領地へ行く際に通るから見た事がある。
「アリスフィア、良かったらまたお茶をしましょう。今度は青の宮殿で待っているわ。夏は涼しくて過ごしやすいのよ」
「……ありがとう存じます。必ず行かせていただきます」
青の宮殿は王都から急いで一日ほどの距離だし、遠からず近からずの距離だ。何があってもすぐに対応出来る距離という事かしら。
陛下からの謝罪から始まった。
「陛下! おやめください。わたくしが至らぬばかりにこのような事が起きてしまったのでわ」
私にも悪いところはある。
「アリスフィアがどれだけ頑張ってきたか近くで見守ってきたのですからわたくしがよく分かっています。アリスフィア疲れていたのでしょう……ごめんなさいね。愚息が至らぬばかりにアリスフィアにばかり負担を掛けてしまって。夫婦になるにはお互いが支える事が前提ですもの。申し訳なかったわ。あの子の教育を間違えてしまった」
「王妃様……申し訳ございませんでした」
疲れていた事がバレていたとは……逃げ出したいほど嫌なわけじゃなかった。私の居場所だと思っていた。
「愚息の責任で婚約解消となった。わし達が国を離れた時にこんな事が起ころうとは。謝っても謝りきれない」
陛下も王妃様も心を痛めていて心からの謝罪だと思った。殿下がお二人のこのような姿を見たらどう思うでしょうか? あなたは陛下と王妃様に頭を下げさせるような真似をしたのですよ。と言うと何も言い返すことはできないだろうと思うけれど……
「もう終わったことです。ただこちらでお世話になっていた時間が長かったものですからこの先はどうすれば良いか考えなくてはと思います」
慰謝料をいただけるそうだし、王家所有の別荘も付けてくれるのだそう。断れないからもらっておこう。とお父様が言った。
「無責任な言い方になるけれど、今までアリスフィアは好きなことも出来なかったでしょうから一度何をしてみたいか考えてみるのも良いかもしれないわね……王宮は息苦しい場所だったでしょう? 外国に行くことを楽しみにしていたものね。アリスフィアの自由を奪っていたのは分かっていたけれどわたくしは、あなたの成長をみる事ができて嬉しかったわ。元々あなたはお転婆だったのだから。懐かしいわね」
「それは、恥ずかしいですわ」
初めて王宮に来た時はちゃんと挨拶が出来ていたかも怪しい。でも王妃様は言って下さった。
『元気が一番よね。うちの子と仲良くしてあげてね』って。嬉しかったな……
「婚約解消の事でアリスフィア嬢の事を悪く言うものはおらんと約束する。さて、謝罪の次は愚息フランツの件だが現在謹慎中じゃ。それとフランツの相手のお嬢さんも訳あって別部屋に隔離しておる」
フランツ殿下は謹慎中。レイラは別の部屋にいる? 離れの屋敷に住んでいると聞いていたけれど今は違うのね。
「フランツの行いにより、伯爵家・子爵家・男爵家に大変面倒をかけた。特にクルー男爵は養女として迎えたフランツの相手のお嬢さんの行いで多大な額の慰謝料を出すことにし男爵も社交界には顔を出さないと言ってきた。数年後に爵位を息子に渡すと言うてきた」
「はい、それは先日男爵様からお聞きしました」
王子を唆した罪で罰せられることも覚悟していたとか。
「男爵の気持ちは痛いほどわかる。王太子と王太子妃との間には元気な子もおるからわしらも引退することにする」
え?!
「陛下! そんな! なりませんわ!!」
「なぜじゃ? わしらは既に引退を考えておった。王太子と王太子妃じゃ頼りないか?」
「いいえ! そうではありませんが」
「間近で見ていたのだからわかるでしょう? あの子達なら立派な国王と王妃を務めてくれるわ」
王妃様が美しく笑った。
「すぐにとは言わないぞ。三年後と考えておる。今せねばならぬ案件が山積しておるし、急に国王が交代となると他国に怪しまれ狙われてしまうし国民も不安になるじゃろうからな。これは前から思っていたことで、少し早まっただけだ。徐々に公務を王太子に回しておったのは知っているだろう? しかし引退時期はフランツには言うておらん」
フランツ殿下以外はご存じだという事ね。もう決まったことに対して反対する事は出来ない。公表すると貴族達はしばらくざわつくだろうけれど、王太子殿下なら国王になっても問題はないと思う。
「申し訳ございません」
「謝る必要はない。少し早まっただけだと言うたじゃろう? それにのんびりと王妃と暮らすのを楽しみにしておったから楽しみじゃ。引退後は南の離宮で暮らそうと思う」
南の離宮は青の宮殿と呼ばれる美しい場所だ。ブラック伯爵家の領地へ行く際に通るから見た事がある。
「アリスフィア、良かったらまたお茶をしましょう。今度は青の宮殿で待っているわ。夏は涼しくて過ごしやすいのよ」
「……ありがとう存じます。必ず行かせていただきます」
青の宮殿は王都から急いで一日ほどの距離だし、遠からず近からずの距離だ。何があってもすぐに対応出来る距離という事かしら。
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