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アーネスト
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「久しいの。やっと王都に出てきたか。待っておったぞ」
挨拶をして最近の隣国との関係について報告をする。大きな争いはないし今までで一番いい関係になってきている。隣国の国王が変わったことの影響だろう。
「なるほどな。良くやってくれている、感謝するぞ。ところでまだ公表はしておらんがわしも三年後に引退を考えておる。その後は王太子に任せるつもりじゃ」
引退?! まだ早いだろう。体も頭も元気だしまだまだ若いのだから。
「三年ですか? 理由をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか」
「元々考えておったんじゃが、少し早まっただけだ」
「もしかして今回の第五王子殿下の、その、婚約破棄の件ですか?」
早まったとなると、現在考えられるのはこの件について。
「アーネストも巻き込んでしまったからきちんと説明せねばと思ってな。アーネストが思う通りだ。今回の件で貴族達からのクレームがすごいんだ。王妃の元にも王子の妻や婚約者の元にも同様の手紙が多いそうだ。アリスフィア嬢は社交を通じて貴族夫人たちからの信頼は厚いし外交を行う予定だったから外務大臣はこの話を聞いて倒れてしまった」
大臣としては天塩にかけて育てた人材で予想だにしない事だったろうな。
「想像をするだけで頭を抱えたくなりますね」
「世間もこの件をおもしろおかしく言っておるから、フランツに相当な罰を与えなければならんから、アリスフィア嬢と同じ条件をつけて城から出した」
え、もう? 出した後の話なのか。仕事が早すぎる。
「王都から100キロ先、北の大地の領主となる事を任命した」
北の大地といえば冬になると極寒。熊や狼も出るし作物が育ちにくい。ただし領民は逞しく働き者のイメージだ。
「こんなことを言うと不敬かもしれませんが王都暮らしの王子様にはなかなか厳しい条件での生活となるでしょうね……」
フェリクス殿下のように騎士団に所属をしているような方ならまだしも、第五王子は正直ヒョロ、っと。体の線が細いから寒さに耐えられるか……
「そうか? 行くところが決まっているだけでも甘いと思わんか? 領主館に住む事が出来るし寝るところには困らない。アリスフィア嬢は急に王都から出ろと言われ身分をなくすと言われた。クレマンへ行かなくて良かったと思う。フェリクスの判断は正しかった」
これは何かあった。聞いてもいいだろうか?
「クレマン家はブラック伯爵家と懇意にしていますよね。何か問題でも?」
「グレマン家には迷惑をかけたから言ってもいいだろう。クレマン子息はアリスフィア嬢のことを好いていてな。レイラとやらの婚約がなくなったから、王家として令嬢を紹介すると言ったところアリスフィア様がいいと言ってな……あの時一時的とはいえ身分剥奪となったアリスフィア嬢がクレマンに行っていたら……無理やりなんて事もあったかもしれない。同意がない行為があったとしたらわしらはアリスフィア嬢に、ブラック伯爵家に顔向けできない。後先を考えない言動だ、愚息の行動は許されることではない」
アリス嬢がなんてことだ! クレマン子息に直接話を聞いたわけではないが頭の片隅に入れておこう。
「事情が事情だけに第五王子殿下に同情はできません」
「しなくとも良い。お前のような善良なものに匿ってもらえたのだからこちらとしては安心だ。しばらく王都に滞在するのだろう? 会議があるから参加するようにな。お前の父は参加していたぞ」
これが面倒なんだ。しかし慣れていかなければならない。
「はい」
「わしから報告じゃ。フランツとレイラとやらは別れ、北の大地にはフランツだけが行った」
「へ? 別れさせられたのですか?」
「違うぞ。二人で北の大地へ行くように言ったんじゃが、レイラとやらは逃げた。王子妃としてぬくぬく贅沢して暮らせると思っていたんだろうが、当てが外れたから逃げた」
最悪な結果だ。婚約破棄までしてその女に逃げられるとは……少しだけ同情してしまった。
挨拶をして最近の隣国との関係について報告をする。大きな争いはないし今までで一番いい関係になってきている。隣国の国王が変わったことの影響だろう。
「なるほどな。良くやってくれている、感謝するぞ。ところでまだ公表はしておらんがわしも三年後に引退を考えておる。その後は王太子に任せるつもりじゃ」
引退?! まだ早いだろう。体も頭も元気だしまだまだ若いのだから。
「三年ですか? 理由をお聞かせいただいてもよろしいでしょうか」
「元々考えておったんじゃが、少し早まっただけだ」
「もしかして今回の第五王子殿下の、その、婚約破棄の件ですか?」
早まったとなると、現在考えられるのはこの件について。
「アーネストも巻き込んでしまったからきちんと説明せねばと思ってな。アーネストが思う通りだ。今回の件で貴族達からのクレームがすごいんだ。王妃の元にも王子の妻や婚約者の元にも同様の手紙が多いそうだ。アリスフィア嬢は社交を通じて貴族夫人たちからの信頼は厚いし外交を行う予定だったから外務大臣はこの話を聞いて倒れてしまった」
大臣としては天塩にかけて育てた人材で予想だにしない事だったろうな。
「想像をするだけで頭を抱えたくなりますね」
「世間もこの件をおもしろおかしく言っておるから、フランツに相当な罰を与えなければならんから、アリスフィア嬢と同じ条件をつけて城から出した」
え、もう? 出した後の話なのか。仕事が早すぎる。
「王都から100キロ先、北の大地の領主となる事を任命した」
北の大地といえば冬になると極寒。熊や狼も出るし作物が育ちにくい。ただし領民は逞しく働き者のイメージだ。
「こんなことを言うと不敬かもしれませんが王都暮らしの王子様にはなかなか厳しい条件での生活となるでしょうね……」
フェリクス殿下のように騎士団に所属をしているような方ならまだしも、第五王子は正直ヒョロ、っと。体の線が細いから寒さに耐えられるか……
「そうか? 行くところが決まっているだけでも甘いと思わんか? 領主館に住む事が出来るし寝るところには困らない。アリスフィア嬢は急に王都から出ろと言われ身分をなくすと言われた。クレマンへ行かなくて良かったと思う。フェリクスの判断は正しかった」
これは何かあった。聞いてもいいだろうか?
「クレマン家はブラック伯爵家と懇意にしていますよね。何か問題でも?」
「グレマン家には迷惑をかけたから言ってもいいだろう。クレマン子息はアリスフィア嬢のことを好いていてな。レイラとやらの婚約がなくなったから、王家として令嬢を紹介すると言ったところアリスフィア様がいいと言ってな……あの時一時的とはいえ身分剥奪となったアリスフィア嬢がクレマンに行っていたら……無理やりなんて事もあったかもしれない。同意がない行為があったとしたらわしらはアリスフィア嬢に、ブラック伯爵家に顔向けできない。後先を考えない言動だ、愚息の行動は許されることではない」
アリス嬢がなんてことだ! クレマン子息に直接話を聞いたわけではないが頭の片隅に入れておこう。
「事情が事情だけに第五王子殿下に同情はできません」
「しなくとも良い。お前のような善良なものに匿ってもらえたのだからこちらとしては安心だ。しばらく王都に滞在するのだろう? 会議があるから参加するようにな。お前の父は参加していたぞ」
これが面倒なんだ。しかし慣れていかなければならない。
「はい」
「わしから報告じゃ。フランツとレイラとやらは別れ、北の大地にはフランツだけが行った」
「へ? 別れさせられたのですか?」
「違うぞ。二人で北の大地へ行くように言ったんじゃが、レイラとやらは逃げた。王子妃としてぬくぬく贅沢して暮らせると思っていたんだろうが、当てが外れたから逃げた」
最悪な結果だ。婚約破棄までしてその女に逃げられるとは……少しだけ同情してしまった。
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