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面倒事はごめんです
しおりを挟むお父様に話がある。と言われた。今後の事についてでしょうね。クレマン子息が捕まりそれにより廃嫡となった。騒動に巻き込まれたカタチとなったけれど、王都に帰ってきてから碌なことがない。
お父様からのお話はどこかに嫁がせるという話かもしれない。面倒な娘ですもの、まだ価値があるうちに嫁にやった方が家族に迷惑がかからないでしょうね。
「急な話なんだが、語学を活かした仕事をしてみないか?」
「え?!」
驚いてポカンと口を開けてしまった。仕事をしても良いの? もちろん仕事をしている女性はいるけれど、貴族の令嬢が礼儀見習い以外で仕事をするのは聞いたことがない。結婚後夫と家を盛り立てるために、国のためにならよくある事だし、うちの両親もそうだから。
「王都で色々あったからしばらく領地でのんびりさせようかとも思ったが、王都を離れるなら別の領地でも良いのかもしれないと思ってな。ちょうど語学が有能な人物を探している方がいて、良かったら働いてみないか。と誘いがあったんだ」
「やってみたいですわ! お父様が話を持って来られるくらいだから、怪しい点はないのでしょう?」
「ん、まぁ、そう捉えてくれて構わないし、契約書も作成してくれるようだから悪い方ではない」
語学を活かせるとなると今までの努力は無駄にならない。あれ、でもどこで?
「お父様の知り合いの家なのですよね? どこの家かお聞きしても良いですか?」
王子妃になれなかった私が仕事に就いても良いと仰った器の広い方なのでしょう。
「ん、アリスもよくご存じだと思う。グレマン伯爵の領地内なんだが……悪くない話だと思うが、離れすぎていて心配だ……」
アーネスト様が? そういえば語学が堪能な人を紹介して欲しいって聞いたわ。
「そうですか……」
「考える時間はあるし、断ることもできる。よく考えてみると良いよ」
結婚の話を出されるかと思ったけれどまさか仕事の話をされるとは思っていなかったししかもグレマン領だとは。その後部屋に戻りベッドに横になった。メイドに怒られたけれど今だけは勘弁して……
王都では色んなことがあって、なんとかグレマン領に到着することができた。グレマン領では王都にいた頃とは違いのびのび生活することができた。人の目も気にしないで屋台へ行ったりボートに乗ったり。
私がグレマン領に行くことになったらいつかは噂になるだろうし迷惑にならないのかしら。一番気になるのはその点だった。
数日考えて、仕事をしたいという旨を伝えた。でも聞きたいことがあるからアーネスト様とお話もしたい。それなら直接アーネスト殿に聞きに行こう。とお父様と二人出かける事になった。
******
グレマン家王都の屋敷は立派だった。我が家の屋敷とは離れているので、こちらの方面には来たことがなかったので驚いた。手狭になって探していたところ褒美として与えられたのがこの屋敷って凄い! 陛下太っ腹だわね。って後から聞くと使わない屋敷を所有しているとお金がかかるんですって。住んでないのに修復費や使用人、それだけでも大変な額が出て行くのは王族も一緒なのね。
「私がアリス嬢に望むことは、書類の整理、通訳が主ですが、パートナーが必須のパーティーにも参加していただければ助かります。それと他国から招かれることもありますので出張というカタチで同行をしてくださると助かります。勿論拒否していただいても構いません」
悪い話ではない。それから休暇や給料面でも悪いところはなかった。高待遇といえよう。
「よろしいのですか? 私がアーネスト様の近くにいるとよからぬ噂が立ってしまうことも想定されます。今後の結婚に支障は出ませんか?」
「それはアリス嬢も一緒ではないですか? 世の中には働きたい令嬢がいるけれど家の都合で働けない、希望の職につけない。という令嬢もいますよね? アリス嬢は周りに恵まれていますからやりたい事をして下さい。私が今回提示した内容で無理なら、お断りくださって結構ですよ」
「高待遇すぎてそれで良いのかと思うくらいです。まだ私の実力も分かりませんでしょう?」
「家族と離れて僻地に来るのですから、それくらいは問題ありません。他国との繋がりが国にとって重要ですから、争いを避けるために会談することもありますから責任は伴われます。上手く行くと陛下から褒美がもらえますからその時はボーナスも出しますよ。僻地に来てくれる人材は大事ですから」
「ふふっ。やりがいがありそうですね」
「その点は頑張っていただけたらと思います。もしよければ私は来月に戻ろうと思いますのでその時に一緒に行ってもらえれば助かります」
グレマン領行きが決まった。お父様は寂しそうにしていたけれど頑張りなさい。と言った。グレマン領へ引っ越しするにあたり準備が始まるのだけど……
「こんなに必要ありません。ドレスも何枚持たせる気ですか!」
「パーティーにも参加するのでしょう? アーネスト様に恥ずかしい思いをさせる気? それに同じドレスばかり着てちゃ我が家の恥よ」
大荷物になってしまったわ。アーネスト様に話すと問題ないですよ好きなだけお持ちください。と軽く言った。なんでも荷物は別便? で運び先に屋敷に着けるようにしておくそうだ。仕事先であるグレマン領には今回もショーンとミリーが付いてくるのだそうです。流石に一人では行かせられないとなり、お父様が二人に話したら二つ返事で付いて来てくれる事になったのだとか。
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