田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました

さこの

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セイラの学園生活 2

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 クラスメイトとのお茶会を通じて、仲良くなった友人の一人が侯爵家のフローラ様でした。
 侯爵家のバラ園は本当に見事で、感動した事を伝えると、嬉しそうにまたいらしてね。と言ってくださいました。


「セイラ様のお茶会でお土産にいただいたポプリがとても気に入りましたの。あれはどうされたのですか?」

 気に入ってくださったようなので、恥ずかしながらも言いました。


「あれは私のお手製です。レースの巾着も私の手作りで、」
「素晴らしいわ! 本当に気に入って、香りに癒されていますのよ。あの繊細なレースもご自分でだなんて! セイラ様は素敵な趣味をお持ちなのね」

 お世辞ではない素振りでした


「フローラ様にそう思っていただけたなら光栄です」
 嬉しくて微笑みを返しました


「えぇ! セイラ様ともっと仲良くなりたいと思っていますの。またうちにも遊びにきてくださいね」
「はい、喜んで。ありがとうございます」

 お友達が出来て少しずつ学園にも馴染んできたのかもしれません。


 移動教室があり、校舎を移動中の事でした。フローラ様が嫌な顔をされ
「嫌だわ、汚らわしいこと……」


 ふとフローラ様の視線の先を辿ると、レオがこの前の女生徒と体をくっつけながら、ベンチに座っていました。


「あんなに制服を着崩して……この王立学園の生徒に相応しくありませんわ。
 あの女の方はいい噂も聞きませんし、殿方にご自身の体を押しつけるなんてはしたない。一緒にいる男子生徒もいつも違う女子生徒と仲良くされていらっしゃるようですし……」


 その様子をつい足を止めて見てしまいました。すると視線が気になったのか、レオがこちらに気がつきました。

 レオを見ていた事に気づかれ、つい目を逸らして、フローラ様を急がせて移動教室へと向かいました。


 いつも違う女の子と仲良くしているんだ。忙しいのは女の子と遊んでいたから?

 考え事をしながら下を向いて廊下を歩いていたら、ドンっと肩がぶつかりよろけてしまいました。


「おっと、危ない。ちゃんと前を見て歩くように! いや、私も見ていなかったから同罪だな…」

 転ばないようにと優しく腕を掴まれました。その声は聞き覚えのある声でした。
 腕を離され声の持ち主に謝罪をします


「先生、申し訳ございませんでした」


「いや、私も見ていなかったんだ。驚かせて悪かった」
 そう言う先生の目線はレオに向かっていました


「……なんというか、ちゃんと話をした方が良いんじゃないのか?」

 レオが私の婚約者だという事を先生は知っています。


「はい、近いうちに話をしようと思います」

「何かあれば相談には乗るから。じゃあな、前見て歩けよ」
 先生は、はぁっとレオを見てため息を吐き行ってしまいました。



「セイラ様は先生と親しいのですか?」
 フローラ様に聞かれました


「先生は私の兄の学生時代からの友人なんです。入学前に兄と学園に下見にきた際に偶然会って、その時にご挨拶をしました」

「ふふっそうでしたのね。先生に妬いてしまいましたよ。何かお二人が内緒のお話をしていましたから。いつかお聞かせくださいね」


 フローラ様が嫌う男子生徒レオは私の婚約者です……。言っていいのでしょうか……。



******

「あれ?セイラちゃんじゃないか?」

 三角屋根の図書館に行こうとしている時でした。

「あ……確か、レオの?」

「そうそう、友達、どうしたの?一人?」

「はい」

「新入生の子か?」
 一緒にいた男子生徒数人がこちらに来ました

「レオの婚約者のセイラちゃん」

「え?君が……」
「可愛いよねぇ!」


「なんでこんな可愛い子が婚約者なのにレオはあんな女共と遊んでいるんだ?」
「さぁな? 趣味悪りぃな」
「レオは何考えてるんだ?」



「あのっ……」



「なに? セイラちゃん、ごめん声をかけたのに僕たちだけで話しちゃって」


「……失礼します」
 持っていた本をぎゅっと抱きしめ、お辞儀をして図書館に向かって走りました


 後ろからレオの友達がセイラちゃん! と呼ぶ声が聞こえましたが、それ以上は聞きたくありませんでした。
 

 図書館の入り方ではぁはぁと息を整え



「聞きたくない、聞くのならレオから直接聞きたいもの」
 

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