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セイラのひみつ?
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『ウィルベルト様』
あぁセイラが来た。ランチは友達と取っていると聞いたから急いで来たんだろうな
『どうした? 呼吸が乱れている』
『急いで、来たから』
『どうしたんだ? いつもと様子が違う』
『少し面倒だったので』
『そう言うこともある、その為の非難場所だよ』
セイラのうわさを聞いた。上級生がセイラに手紙を渡していただの、何人目だとか、数を数えるなんて暇な奴らだ……
『あっ、そうだ。本ありがとうございました、とても面白くて二回も読んでいたら返すのが遅くなりました』
『しおり?』
手作りだと思える繊細な作りに驚いて、ついまじまじと見てしまった。
『はい、ラベンダーは虫が嫌がる香りだから、本に虫がつかないようにと思って』
『セイラ嬢はすごいな、ありがとう。使わせてもらうよ』
『まだ貸したい本があるけれど、お返しは要らないよ。負担になるだろう?』
『手作りのものをウィルベルト様にお渡しするのは、もうやめますね。知らない子からのものなんて、嫌ですよね』
『え? どうしてそうなるんだよ……こう言う手作りの物は思いが込められているし、嬉しいと言ったのに』
『ここではお金を出したらなんでも買えるって。作る時間が勿体ないって、一度言われて……』
『バカだな、そいつ』
ぽろっと出た言葉、そんなことを言った奴のデリカシーのなさにひどく腹が立った。
『この前のクッキーも美味しかったし、このしおりも好みだよ。お金を出して買えない物だ。金を出せばなんでも買えるけど、作った人の思いまでは買えない。このしおりは少しでも私の事を考えて作ってくれたんだろう?』
『それなら対価としては大きすぎると思わないか?』
『手作りだから材料費は……』
『ラベンダーを育てているんだろ?』
『育つのにどれだけ手がかかる? 何ヶ月の歳月で育った? そう言うところも含めて思いがあるんだ』
『そんな目で見るな! 誤解するだろうが!』
『……なんで鏡が出てくるんだよ』
『教室に戻ったら髪に葉っぱが付いてると言われて、取ってもらって。それから鏡で確認するようにしています』
セイラみたいな女の子が髪に葉っぱをつけていたらそりゃ取りたくなるよな。いや触れたくなる……。
『セイラ嬢には婚約者はいないのか?』
もしいるのならこの気持ちが何かをわかる前に蓋をする事にした
『…いますよ』
『……そうか』
『はい、学園に居るんです。でも関わるなと拒否をされたので、私達の関係は知らない人の方が多いです』
『私の存在が公になると遊べないそうで、学生のうちは目を瞑れと言われて。でもね卒業したら私と結婚するしかないって。俺の将来は決まっているんだと言われて、ショックを受けました』
『そいつのことが好きなのか?』
首をぶんぶんと振っていた
『今は分かりません。この前初めて喧嘩して気持ちをぶつけました。それ以降話はしていませんし、学園であっても街であっても、いつも女の子といます。
だけど関わらないようにしています。問題さえ起こさなければ良いって思って』
『バカだな、そいつもセイラ嬢も』
『はい。だからもうここには来ません。婚約者がいるのに、男性と二人でいては不誠実ですものね。ありがとうございました、さようならウィルベルト様』
『おい! ちょっと』
待ってくれ、まだ話が終わってないのに!
不誠実なその男は誰なんだ!すごい気になるじゃないか!!
鏡も忘れて行った!
******
午後の授業が始まってもまだもやもやとしていた。
セイラの相手は誰なんだ!
授業中にも関わらずセイラの事を考えていた。
するとこっそりと空いていた私の隣の席に座ってきた、レオ・ファーノン。
プラチナブロンドに青い瞳は派手な印象を受ける。整った顔立ちは令嬢に人気がある
いつも派手な令嬢と一緒にいる。窒息しそうな香水と化粧の匂い、こいつの鼻は一体どうなっているんだろうか?
テストで点数はぎりぎりだったのに、遅刻をするなんてずいぶんと余裕だな。
もし落第でもしようものなら貴族社会で後ろ指を差されることになる。
レオ・ファーノンが教科書を開くその時ふとしおりが目に入った。
セイラが私にくれたものに酷似している、作り手が同じと言う事か?
花の種類や紐は違うが明らかに製法は同じとみた。
……まさか……セイラの婚約者は、このレオ・ファーノンなのか?
『いつも女の子と一緒に居て….』
嘘だろ! こいつが?!
「何か面白いものでもあったか?」
レオ・ファーノンに声を掛けられた
「……いや、君がこんな素敵なしおりを使うとは思わなくてな」
「これ? 素朴でさえない物だよ」
そう言ってしおりをつまんだ
あぁ、バカだこいつ。
セイラに心から同情した。
私も婚約者のいる相手に恋慕していることから、不誠実なのかもしれないがセイラにまた会いたいと思った。
一方的に別れを告げたのはセイラだ、私はそれを認めていない!
ん? 恋慕……セイラに? 心に蓋をするつもりだった
あぁセイラが来た。ランチは友達と取っていると聞いたから急いで来たんだろうな
『どうした? 呼吸が乱れている』
『急いで、来たから』
『どうしたんだ? いつもと様子が違う』
『少し面倒だったので』
『そう言うこともある、その為の非難場所だよ』
セイラのうわさを聞いた。上級生がセイラに手紙を渡していただの、何人目だとか、数を数えるなんて暇な奴らだ……
『あっ、そうだ。本ありがとうございました、とても面白くて二回も読んでいたら返すのが遅くなりました』
『しおり?』
手作りだと思える繊細な作りに驚いて、ついまじまじと見てしまった。
『はい、ラベンダーは虫が嫌がる香りだから、本に虫がつかないようにと思って』
『セイラ嬢はすごいな、ありがとう。使わせてもらうよ』
『まだ貸したい本があるけれど、お返しは要らないよ。負担になるだろう?』
『手作りのものをウィルベルト様にお渡しするのは、もうやめますね。知らない子からのものなんて、嫌ですよね』
『え? どうしてそうなるんだよ……こう言う手作りの物は思いが込められているし、嬉しいと言ったのに』
『ここではお金を出したらなんでも買えるって。作る時間が勿体ないって、一度言われて……』
『バカだな、そいつ』
ぽろっと出た言葉、そんなことを言った奴のデリカシーのなさにひどく腹が立った。
『この前のクッキーも美味しかったし、このしおりも好みだよ。お金を出して買えない物だ。金を出せばなんでも買えるけど、作った人の思いまでは買えない。このしおりは少しでも私の事を考えて作ってくれたんだろう?』
『それなら対価としては大きすぎると思わないか?』
『手作りだから材料費は……』
『ラベンダーを育てているんだろ?』
『育つのにどれだけ手がかかる? 何ヶ月の歳月で育った? そう言うところも含めて思いがあるんだ』
『そんな目で見るな! 誤解するだろうが!』
『……なんで鏡が出てくるんだよ』
『教室に戻ったら髪に葉っぱが付いてると言われて、取ってもらって。それから鏡で確認するようにしています』
セイラみたいな女の子が髪に葉っぱをつけていたらそりゃ取りたくなるよな。いや触れたくなる……。
『セイラ嬢には婚約者はいないのか?』
もしいるのならこの気持ちが何かをわかる前に蓋をする事にした
『…いますよ』
『……そうか』
『はい、学園に居るんです。でも関わるなと拒否をされたので、私達の関係は知らない人の方が多いです』
『私の存在が公になると遊べないそうで、学生のうちは目を瞑れと言われて。でもね卒業したら私と結婚するしかないって。俺の将来は決まっているんだと言われて、ショックを受けました』
『そいつのことが好きなのか?』
首をぶんぶんと振っていた
『今は分かりません。この前初めて喧嘩して気持ちをぶつけました。それ以降話はしていませんし、学園であっても街であっても、いつも女の子といます。
だけど関わらないようにしています。問題さえ起こさなければ良いって思って』
『バカだな、そいつもセイラ嬢も』
『はい。だからもうここには来ません。婚約者がいるのに、男性と二人でいては不誠実ですものね。ありがとうございました、さようならウィルベルト様』
『おい! ちょっと』
待ってくれ、まだ話が終わってないのに!
不誠実なその男は誰なんだ!すごい気になるじゃないか!!
鏡も忘れて行った!
******
午後の授業が始まってもまだもやもやとしていた。
セイラの相手は誰なんだ!
授業中にも関わらずセイラの事を考えていた。
するとこっそりと空いていた私の隣の席に座ってきた、レオ・ファーノン。
プラチナブロンドに青い瞳は派手な印象を受ける。整った顔立ちは令嬢に人気がある
いつも派手な令嬢と一緒にいる。窒息しそうな香水と化粧の匂い、こいつの鼻は一体どうなっているんだろうか?
テストで点数はぎりぎりだったのに、遅刻をするなんてずいぶんと余裕だな。
もし落第でもしようものなら貴族社会で後ろ指を差されることになる。
レオ・ファーノンが教科書を開くその時ふとしおりが目に入った。
セイラが私にくれたものに酷似している、作り手が同じと言う事か?
花の種類や紐は違うが明らかに製法は同じとみた。
……まさか……セイラの婚約者は、このレオ・ファーノンなのか?
『いつも女の子と一緒に居て….』
嘘だろ! こいつが?!
「何か面白いものでもあったか?」
レオ・ファーノンに声を掛けられた
「……いや、君がこんな素敵なしおりを使うとは思わなくてな」
「これ? 素朴でさえない物だよ」
そう言ってしおりをつまんだ
あぁ、バカだこいつ。
セイラに心から同情した。
私も婚約者のいる相手に恋慕していることから、不誠実なのかもしれないがセイラにまた会いたいと思った。
一方的に別れを告げたのはセイラだ、私はそれを認めていない!
ん? 恋慕……セイラに? 心に蓋をするつもりだった
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