田舎者とバカにされたけど、都会に染まった婚約者様は破滅しました

さこの

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テストがあります、お小遣いアップのチャンス!

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 前回のテストはまずまずの成績でしたが、今回はなんと順位が上がったら、お小遣いの金額がアップするそうです。やる気が出てきました

「セイラは現金だなぁ……何か欲しい物でもあるのか?」

 先ほどお小遣いの金額アップの事を言ってきたお兄様に聞かれました

「それはありますよ! 私だって年頃の娘ですからね! 髪飾りが欲しいです」


 製菓材料、布や刺繍糸はお兄様が認めてくださるので侍女リサが執事長に言って、補充されるのでお小遣いには含まれません!



 お小遣いは、生活必需品以外で欲しいものを買っても良いと言われています。
 使わなかった分は貯めているので、テストの順位が上がったら、自分へのご褒美として購入したいのです。


 ……フローラ様はいつも素敵な髪飾りをしているので、欲しくなったと言うのもあります。


「珍しいな! 色気づいたのか? そうだな……学年で十位以内に入ったら私が好きなものを買ってやろう」

「え! やった! お小遣いは何位以内でアップですか?」

 フローラ様は欲しいものは商人が来たり、街で馴染みの店で購入するそうです。
 そこは侯爵家、お小遣い制ではないそうです。さすがですね!
 

「成績次第だよ」


「俄然やる気が湧いてきました! お兄様約束ですからね」


******


 テストまであと一ヶ月です。放課後は図書館に通って勉強をしています。


「これ、数式を間違えている」

 とんとんと、長い指でノートを差されました。ウィルベルト様でした

「あ!」

 ノートを取られ、赤ペンでチェックをされました


「こことここは惜しい……凡ミスだな。この問題が解ければ応用が効くし、点数も高い」

 ほら。と言ってノートを返されました

「わぁ。分かりやすい……ところでどうして図書館へ?」


「本を返しにきたら、君の姿が見えたから、テストまでまだ一ヶ月あるだろう? もう勉強か?」


 ひそひそと話をしていると顔が近付いてくるので、ばっと離れた


「なんだよ……」


「図書館は静かにしないと」


「場所を変えるか? 間違えたところ知りたくない?」

 にやっと笑みを浮かべられた


「……お願いします」



 ウィルベルト様に連れられてきたところは、学園内のカフェでした。
 

「天気がいいからテラスへ行こう」


 お茶を頼み、ノートを渡しました。


「とりあえず、さっきの数式間違いさえ見直せばこれはなんとかなる」


「はい。ありがとうございます」


「なんでそんなにやる気になっているんだ? 成績は悪くないだろう?」


「今回のテストで十位以内に入ったらお兄様からご褒美が買ってもらえます。それに順位が上がったらお小遣いがアップするんです」


「何か欲しいものがあるのか?」


「そりゃありますよ!」


「聞いても良い?」


「内緒です」


「なんだよ……まぁいい。他は無いのか? 教えてやるよ」



 お茶とお菓子が出されたので、勉強の前にお茶を楽しみました。

「このケーキふわふわしてて美味しいです。卵白かなぁ……」
 フォークでむにむにと弾力を確かめていたら笑い声が聞こえました


「勉強熱心だな、学業だけではなく製菓の勉強も……」

「はい。お小遣いがアップしたらカフェに行く回数も増やせますからね。今は自作で我慢です」


「我慢? 私はこのケーキより、君の作ってくれる菓子の方が好みだけどね」


 笑顔で褒めてくれるので、嬉しくてついこちらも笑顔で返します


「テストの順位が上がったら、また作ってきて良いですか?」


「それでは勉強のコツを教えてあげよう」



******



「お兄さまぁ、十一位でした……」

 泣きそうな顔で成績の報告をしてきたセイラ


「惜しかったな……。でもよくここまで順位を上げる事が出来たな」


 驚いた……こんなに点数が上がるものなのか。この学園のレベルは高いんだぞ



「あと一点だったのに……ぐすっ」


 とうとうセイラは泣いてしまった。よほど悔しかったんだろう


「髪飾りだったな買ってやるから泣くな。よく頑張ったな」


 頭を撫でた。妹と言うものはいくつになっても可愛いものだ



「約束だから、いいです。次のテストで十位をとります。ぐすっ」


「小遣いは約束通り上げる。次また頑張るんだろ? もう泣くな。それにしてもよくもまぁここまでアップしたものだな、感心するよ」


「教えてもらったの、ぐすっ。明日十一位だったって言わなきゃ……」



 誰に教えてもらったんだ? こんなに成績がアップしたところを考えると、同級生ではないよな? リオネル……は平等なやつだし、違う



「誰に教えてもらったんだ?」


「二年生の人です」


「名前は?」


「ウィルベルト・オリバス様と言う方です」


「オリバス伯爵の?」


「はい、そうです」


「……親しいのか?」


「親しい? ウィルベルト様と? よく分かりません」


「名前で呼んでいると言うことは親しいだろうが!」

「親しいのかなぁ?」


「はぁっ。部屋に戻りなさい、小遣いは上げるが無駄遣いをするんじゃない」


「ありがとう。お兄様」




 伯爵家の嫡男か……セイラはなんでまた……


 リオネルに聞きに行く事にした























 
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