【完】貴方達が出ていかないと言うのなら、私が出て行きます!その後の事は知りませんからね

さこの

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黒髪・黒目のイケメン

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~リシャール視点~
【黒髪・黒目のイケメン】


「リシャールお待たせ」


 アッシュブロンドの髪にエメラルドのような瞳に輝くような笑みはとても美しい。
 アッシュブロンドの髪色はクレマン家の特徴と言っても過言では無い。


「私が早く来すぎたんだ。久しぶりに庭の散策をしていたら面白いものに会ったよ」


「面白いもの……? うちに何かあったかしら?」


 斜め上を見ながら、頬に手を当て考え込むそぶりのアナベル。


「看護師を連れている厄介者? 居候? タダ飯食らいって言うのかな?」


 口が悪いが本当のことだ。侯爵家に理由もなく居座るなんて図々しいことだ。


 近々ジェラール殿との婚約も破棄となるのだから。



「あぁ、クララさんの事ね? 会ったの?」


「会ったよ。元気そうな子だったね。病人という割に肌艶もいいし、少しふくよかな? 感じだね」


 女性の容姿を悪くいうのは良くないのだが、アナベルを悩ませている元凶の一人なのだからそれくらいは許してくれるだろう。


「そうなのよね。病人食が合っているのかしら……」


 苦笑いのアナベル。そんなわけないだろうに。隠れて何か口にしているだろう。


「そうだわ! お父様に以前リシャールと話していた事を言ったら、来年採用される事になったのよ! ありがとう。良い意見を聞かせてくれて! 何かお礼をしなくてはいけないわね。何か欲しいものない? この際だから遠慮しないでね」





 遠慮なしか……。それなら欲しいものは一つだけなんだけど、まだ早いかな……。



 私は侯爵家の次男だ。最近まで隣国に留学をしていた。
 いくら侯爵家と言う高い身分でも嫡男ではない限り家は継げない。
 父親が持っている子爵の位はあるから、将来的には子爵を名乗ることは可能だ。


 その時のために、見る目を養うために留学したんだけど……。


 だけど……アナベルがフリーになるのなら、アナベルと婚約をしたいと思う。
 私たちは幼い頃からの知り合いだし、気も合う。


 私には婚約者がいたのだけど、三ヶ月前に浮気が発覚した。どうやら体の関係にあったらしく身籠っていたようで、責任を取る形で結婚を急がせようとした婚約者の家に、私の子ではありませんよ。
 手を出したことがありませんからね。と冷酷に伝えた。



 彼女の相手は屋敷の侍従で男爵家の三男だったそうだ。

 どうやら私が留学中に寂しくて浮気をしたらしい。お互い気持ちが盛り上がったとの事だ。奉公先の令嬢に手を出すとは命知らずな男だ。


 婚約破棄の書類には必ず相手と添い遂げること。と添えてあったので結婚する事になったらしい。
 彼女は伯爵家の次女で相手の男爵三男の男と共に平民となった。

 伯爵家の面目は丸潰れだろう。親同士が知り合いの政略結婚だったのだから。



 その後、資金援助はされているので、生活はできているはずだ。
 子が生まれたら私からも嫌味がてらお祝いを送ろうと思っている。


 元貴族なんて平民からしたら一線置かれる立場だろう。運良く仕事が見つかればいいけどな。


「私が婚約破棄したのは知っているよな?」


「もちろん知っているわよ」


「アナベルの婚約破棄が上手くいったら、求婚しても良いか? お礼はなんでも良いんだろう?」



「え!」



「……だめか?」





「そう、ではないけど。婚約破棄したばかりですぐとは、行かないでしょう?」



「アナベルが卒業したら結婚すればいい。相手に問題があって婚約破棄をするんだから、生暖かい目で見られるさ。こういう時の為に親を使うんだ。使えるうちは使っておこう」


 変に噂をされても何とかしてくれるだろうし、言われたところで気にしなければ良いだけ。


「ふふッ……。そうね、いつかは婚約者を作らなくては行けないものね。でも……仕事はしてくれなくては困るけれどいい?」



「アナベルが上手く破棄出来る様に協力するよ。それに私にも仕事を任せてくれのなら大いに期待するといいさ」


「ありがとう。婚約破棄の書類はいつ出しても良い感じなのよ。期待してもいいのね?」



「もちろんさ。アナベルの期待に応えれるよう努力するし、よく領地経営の勉強も一緒にしたよな? あと問題は……あの二人を少し痛い目に合わせてやりたいというだけだな」



 ニヤリと黒い笑みを浮かべた。

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