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焦るセリーナ
しおりを挟む早く婚約を解消して自由にして差し上げないとジェフェリー様が可哀想だわ!
学園が終わり王宮へと行きました。
本日は王宮で王妃様とお茶会があります。その前にお父様にお会いして、婚約解消のお話をするべくお父様の王宮での執務室へと向かいました。
「お父様!」
「どうした、セリーナ。今日は王妃様とのお茶会ではないのか?」
「はい。その前にお話をしたいことがあります」
「何だ? 王妃様をお待たせする事は出来ないから簡潔に話をしてくれ」
「はい。実はジェフェリー殿下との婚約を解消して貰いたいのです」
「……なぜ、だ?」
お父様は何を言っているのか分からないと言った顔をしていました。
「見ていて分かるのです。ジェフェリー殿下は婚約を解消して自由になりたいと思っておられるのですわ」
「……何をどう見てそうなった?」
「婚約してもうすぐ十年ですが、最近では季節のやりとりのお手紙くらいしか交流はありません。殿下は優しい方ですし、婚約者としての形式だけのお手紙をくださりますが、学園でもお会いする事はありませんし、」
「……何をしているんだ! ジェフェリー殿下は……」
「お父様っ?」
「セリーナの言いたいことは分かった。でも少し待って欲しい。急な事でパパ少し混乱してきたよ……」
そう仰るお父様の顔はなんとも言えない様子でした。
「あぁ……そうだ。例の教会にはボランティアで教師を数人行かせる事にしたからね。学力が上がるのは国としてもいい事だ。
バザーも上手く行くといいね。セリーナが型抜きをしたクッキーを貰ったよ。上手に出来ていたね。おや? もうこんな時間か」
なんだか話を逸らされたような気がしましたが、お父様はちゃんと話を聞いて教会への寄付もしてくださいました。
「はい。それではお父様よろしくお願いします」
「セリーナ、近々……上手く行くと思う。とだけ言っておくよ」
「? ? ?」
「王妃様がお待ちだ、早く行きなさい」
「はい。失礼いたします」
******
「セリーナ、学園はどう?」
「王妃様、学園はいろんな方が居られてとても勉強になりますわ。寮生活も初めてですし、慣れない寮生活で家族と離れるのは少し寂しいです」
「まぁ。寂しいだなんて! ジェフェリーがいるでしょう?」
「殿下ですか?」
「ジェフェリーがセリーナの寂しい気持ちを補ってくれるでしょう?」
「……王妃様? 仰る意味が分かりかねますわ」
「あの子は何をしているの!」
はぁっ。とため息を吐き王妃様は頭を押さえました。
「殿下はお忙しいのだと思いますけれど」
「……セリーナ、早まらないでね」
王妃様の仰る意味が分からなくて首を傾げてしまいました。
******
「な! なんて事だ! セリーナが私との婚約を解消したいと……」
青褪めるジェフリー
「あーあー。やはりセリーナ嬢は殿下に嫌われていると思われているのでは?」
「母上からも手紙が来た……母上は私がどれだけセリーナを思っているか知っているだろうに!」
「殿下の周りでその重たい気持ちを知らないのはセリーナ嬢くらいではないですか?」
「セリーナのドレスは出来上がったか?」
「はい。もうすぐ出来ますよ。注文していた茶器もそろそろ届きますからご安心を」
「よし! 十周年アニバーサリーのお揃いのリングは?」
「出来上がり次第取りに行って参りまーす」
「なんだ、その間の抜けた返事は」
「呆れているだけです。はい、仕事しますよー」
「…………」
「やらないと増えていくだけですからね!」
「優しい言葉が欲しかっただけだ」
「私どもは優しい方ですよ、ほらほら筆を持って下さい。終わりませんよ?」
「いつもすまない」
どんな時でも最終的には真面目に執務をこなすジェフェリーを側近達は知っていた。
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