真実の愛のお相手に婚約者を譲ろうと頑張った結果、毎回のように戻ってくる件

さこの

文字の大きさ
29 / 55

ルイスの決心

しおりを挟む
「さぁ、ルイスどうする?」
アベルがニヤけている
「何が?」
「リージアちゃんフリーになったな」
「そうだな…」
「もうすぐ約束の二年だろ?」
「そうだな…」

無言の二人…

「なんだよっ!」
ルイスがアベルに向かって強めの口調で問いかけた
「好きなんじゃないの?リージアちゃん」
「…なんのこと?」
「歩く芸術品なのに気取ってなくて可愛いよな」
「そうだな…」
「きっとモテるだろうね、フリーだし」
「…そうだ、な」
「早く戻ったほうが良いんじゃないか?」
「まだ半年…あるんだけど」
「その半年の間に悔やむ事になるかもしれないな、可愛いよな、リージアちゃん」
「分かったよ!」
「そうこなくっちゃ」



たしかに可愛い、というか美しい少女だ
気取っていなくて、変なところで一生懸命な姿を見るとつい助けたくなる。
エプロン姿も、メイド服さえも似合っていた
王子との婚約解消を手伝ってしまったのも自分だ。リージアに惹かれている…

今を逃すと、恐らくリージアの相手はすぐに決まるだろう。王子妃教育を受けていたということはリカルド王太子との話も出るかもしれない…
考えれば考えるほど沼だ…
帰ることを決めたからには、店を閉める事にした。
楽しかったがこの店がなかったらリージアと知り合うこともなかった事だろう


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「あれ?お店が…」
ルイスの店が閉店したのか、もぬけの殻になっている…
この前まではちゃんとお店があったのに…
ルイスに何かあったのかと心配になる
近隣の店にルイスの店について尋ねてみた

「あぁルイスさんかい?急に実家に帰らなきゃいけなくなったらしくて店を閉めたんだって。良い男だったのに残念だよ」

隣のお店の奥さんに言われ、心にぽっかり穴が空いたような気分だ

もうルイスに会えない、お別れも言えなかった。
どこに行くかも教えてくれなかった
お店を閉店する事も知らない
特に友達と言うわけでもない、単なる気まぐれでふらふらと来る貴族の娘としか思われていなかったのだろうか…
「寂しい」
ポツリと呟く

その後アベルの元へ行こうと思ったが、劇団はすでに次の公演先へと向かったそうだ

「アベルさんにも会えなかった…」

フェリクスに好きな人が出来ても、ルシアが子爵家に戻った時もこんなに悲しくなかった
「面白くない…」

その後邸に帰り落ち込んでいた事もあり不貞寝した


お茶会のお誘いや、夜会の招待状が届いたが気分が乗らず断り続けた
夜会に行かなくなる事数ヶ月カインに

「良い加減に顔を見せないと、フェリクスとの婚約解消が辛くて傷心していると思われているぞ?良いのか?」
「それは困ります!」
「父上の誕生日パーティーは参加するだろう?」
「…うん」


久しぶりのパーティーだ、楽しもう
「あっ!ドレスを新調しなきゃ」
もう贈ってくれる相手はいないのだ、すっかり忘れていた。

「母上が段取りをしている。明日デザイナーが来るそうだ」
「さすがお母様!」

母と和解してからたくさん話を聞いてくれて、優しく接してくれる。
今までの空白の期間を埋めるかのような時間は照れ臭かったが心地よく、両親に甘えている。
カインも同じ気持ちらしく、なるべく早く帰ってくるようになり、家族での時間が増えた
心配はルシアだったが、どうやら父の紹介で彼氏が出来たそうだ。誕生日会で紹介すると言っていた。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

乙女ゲームの悪役令嬢の兄の婚約者に転生しましたが傷物になったので退場を希望します!

ユウ
恋愛
平凡な伯爵令嬢のリネットは優しい婚約者と妹と穏やかで幸福な日々を送っていた。 相手は公爵家の嫡男であり第一王子殿下の側近で覚えもめでたく社交界の憧れの漆黒の騎士と呼ばれる貴族令息だった。 結婚式前夜、婚約者の妹に会いに学園に向かったが、そこで事件が起きる。 現在学園で騒動を起こしている第二王子とその友人達に勘違いから暴行を受け階段から落ちてしまう… その時に前世の記憶を取り戻すのだった… 「悪役令嬢の兄の婚約者って…」 なんとも微妙なポジション。 しかも結婚前夜で傷物になる失態を犯してしまったリネットは婚約解消を望むのだが、悪役令嬢の義妹が王子に婚約破棄を突きつける事件に発展してしまう。

真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください

LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。 伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。 真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。 (他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…) (1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)

噂の悪女が妻になりました

はくまいキャベツ
恋愛
ミラ・イヴァンチスカ。 国王の右腕と言われている宰相を父に持つ彼女は見目麗しく気品溢れる容姿とは裏腹に、父の権力を良い事に贅沢を好み、自分と同等かそれ以上の人間としか付き合わないプライドの塊の様な女だという。 その名前は国中に知れ渡っており、田舎の貧乏貴族ローガン・ウィリアムズの耳にも届いていた。そんな彼に一通の手紙が届く。その手紙にはあの噂の悪女、ミラ・イヴァンチスカとの婚姻を勧める内容が書かれていた。

【完結】どうやら私は婚約破棄されるそうです。その前に舞台から消えたいと思います

りまり
恋愛
 私の名前はアリスと言います。  伯爵家の娘ですが、今度妹ができるそうです。  母を亡くしてはや五年私も十歳になりましたし、いい加減お父様にもと思った時に後妻さんがいらっしゃったのです。  その方にも九歳になる娘がいるのですがとてもかわいいのです。  でもその方たちの名前を聞いた時ショックでした。  毎日見る夢に出てくる方だったのです。

婚約破棄されました。

まるねこ
恋愛
私、ルナ・ブラウン。歳は本日14歳となったところですわ。家族は父ラスク・ブラウン公爵と母オリヴィエ、そして3つ上の兄、アーロの4人家族。 本日、私の14歳の誕生日のお祝いと、婚約者のお披露目会を兼ねたパーティーの場でそれは起こりました。 ド定番的な婚約破棄からの恋愛物です。 習作なので短めの話となります。 恋愛大賞に応募してみました。内容は変わっていませんが、少し文を整えています。 ふんわり設定で気軽に読んでいただければ幸いです。 Copyright©︎2020-まるねこ

【完結】記憶にありませんが、責任は取りましょう

楽歩
恋愛
階段から落ちて三日後、アイラは目を覚ました。そして、自分の人生から十年分の記憶が消えていることを知らされる。 目の前で知らない男が号泣し、知らない子どもが「お母様!」としがみついてくる。 「状況を確認いたします。あなたは伯爵、こちらは私たちの息子。なお、私たちはまだ正式な夫婦ではない、という理解でよろしいですね?」 さらに残されていたのは鍵付き箱いっぱいの十年分の日記帳。中身は、乙女ゲームに転生したと信じ、攻略対象を順位付けして暴走していた“過去のアイラ”の黒歴史だった。 アイラは一冊の日記を最後の一行まで読み終えると、無言で日記を暖炉へ投げ入れる。 「これは、焼却処分が妥当ですわね」 だいぶ騒がしい人生の再スタートが今、始まる。

<完結> 知らないことはお伝え出来ません

五十嵐
恋愛
主人公エミーリアの婚約破棄にまつわるあれこれ。

(完結)私のことが嫌いなら、さっさと婚約解消してください。私は、花の種さえもらえれば満足です!

水無月あん
恋愛
辺境伯の一人娘ライラは変わった能力がある。人についている邪気が黒い煙みたいに見えること。そして、それを取れること。しかも、花の種に生まれ変わらすことができること、という能力だ。 気軽に助けたせいで能力がばれ、仲良くなった王子様と、私のことが嫌いなのに婚約解消してくれない婚約者にはさまれてますが、私は花の種をもらえれば満足です! ゆるゆるっとした設定ですので、お気楽に楽しんでいただければ、ありがたいです。 ※ 番外編は現在連載中です。

処理中です...