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第一部 転生編
第61話 事情聴取
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『なんじゃこりゃぁぁぁぁ!』
叫んだのは、ギルドマスターのコウガイである。とんでもない音が訓練場から聞こえてきたので確認に出てきたのだ。そして、コウガイの判断で試験は即時中止となってしまった。
ギージ 「あの…俺の試験は…?」
コウガイ 「悪いが、訓練場の壁が直るまで延期だ」
ギージ 「そんなぁ…」
そして、ギルドマスターの執務室で事情聴取を受けるクレイとダード。一部始終を見ていた受付嬢のカイアも一緒である。
コウガイ 「では、説明してもらおうか? 何があった? 」
クレイ 「俺は撃つ前にちゃんと確認したぞ。壁が壊れるがよいのか? と。そこの試験官に」
コウガイ 「…お前が壁を壊したと言うのか? 古代遺物で保護された、ギルド開設以来壊れた事のない壁を…?」
ダード 「…ハッタリだと思ったんだよ」
コウガイ 「お前たちは訓練場で何をやってたんだ? 決闘してたわけでもあるまい?」
ダード 「試験だよ」
カイア 「マスター・コウガイ、私から説明させて頂いてもよいですか?」
コウガイ 「話せ」
カイア 「そちらのクレイさんがダンジョンに入りたいと言う事で、D級以上になるための昇級試験を行う事になったのです。クレイさんは他の街でFランクで登録されていたそうなのですが、同行していたBランクの冒険者の推薦があったので、Cランクの試験を行う事になりまして。いつものようにダードさんに試験官をお願いしました。そして、模擬戦をやる事になったのですが、その前に的を撃ってみせるようにとダードさんが言ったんです、クレイさんは遠距離支援タイプだと言う事だったので。それでクレイさんが的に向かって魔法? を放ったのですが…」
ダード 「しょうがないだろ、強がってハッタリかます新人冒険者はよく居る。その鼻をへし折るために俺達Aランクの冒険者が試験官をやってるんだから…
…だが、たまに、コイツみたいに本当に規格外のヤツが現れる。難しいもんだよなぁ、マスターコウガイ?」
コウガイ 「ったく、笑ってごまかそうとしたってだめだぞ。
…まぁとは言え、信じられないのも理解できなくはない。なにせ、ギルドの壁と隣の宿屋の壁はまだしも、城壁に穴が開いてるんだからな。
クレイとか言ったな、本当にお前がやったのか? どんな魔法を使ったんだ?」
クレイ 「魔法じゃない、魔導銃だ。どちらかと言うと物理的な力だな」
コウガイ 「マドウジュウ?」
クレイ 「弾丸を打ち出す魔道具だよ、わかりやすく言えば、まぁ、弦のない弓みたいなもんだと思ってくれていい」
コウガイ 「弓だと? 神話級の魔弓でも持ってこなければ外壁に穴など開けられんだろう。それこそ、領主様が強力な防御魔法を掛けているのだぞ?」
ダード 「いや…防御は外側からの攻撃に対してのみだろ? 内側からは意外と脆いのかも知れん」
コウガイ 「なるほど、言われてみれば…少し強い魔物が来たくらいで城壁が壊されていたら困るからな。内側からの打撃だったからこそ、か。
まぁそれにしてもギルドの壁を壊している時点で尋常じゃない破壊力ではある…」
ダードはそうだろうと頷く。
コウガイ 「…しかしだ。いくら実践的な模擬戦をやるのがこの街の流儀だとしてもだ。そんな武器を使わせて模擬戦をやるつもりだったのか?」
コウガイはダードのほうを見ながら言ったのだが、クレイが食い気味に答えた。
クレイ 「俺は武器は破壊力が有りすぎるから模擬戦はできないと言ったぞ!? だが、訓練場には特殊な魔法が掛かっていて、多少怪我をしても外に出れば回復すると言われた」
コウガイ 「確かに、訓練場内は、設置されたアーティファクトのお陰で多少の怪我ならなかった事になるにはなるのだが……回復にも限度ってものがあってだな。あの威力では回復する間もなく死にかねんだろうが?」
ダード 「いや、だから、ハッタリだろうとは思ったんだが一応念のため、先に的を撃たせてみる事にしたんだろうがよ。見た事ない魔道具だったから、どんな攻撃が出るのか確認しておきたかったしな」
コウガイ 「その結果があれか……模擬戦前に確認したのは正解だったな。いきなり模擬戦やっていたら、ダードの腹に大穴が開くところだった」
ダード 「別に、どんだけ威力があろうと当たらなければ意味はない。当てさせる気はないさ」
コウガイ 「お前が避けたら結局壁が壊れるだろうが」
あーという顔をするダード。
ダード 「で…やっぱアレか? 俺とクレイで弁償って事になるか?」
コウガイ 「そうさなぁ…」
意地悪そうにニヤリと笑うコウガイ。
ダード 「こっ、公務中の事故なんだから、ギルド持ちだろ?」
クレイ 「…俺は悪くない。警告はした。なのに、壊せるものなら壊してみろって言ったのはそっちだろ」
コウガイ 「そんな事言ったのか?」
ダード 「う…むぅ、言ったような、気も、しないでも、ない、かなぁ……」
コウガイ 「やれやれ…。
外壁に穴が開いてしまってるのは早急に対処する必要がある。穴から魔物に入り込まれても困るしな。だが、高ランクの魔物の攻撃にも耐える城壁だ、修理費は個人では一生掛かっても払い切れる額じゃないだろう」
クレイ 「うえマジカ……」
叫んだのは、ギルドマスターのコウガイである。とんでもない音が訓練場から聞こえてきたので確認に出てきたのだ。そして、コウガイの判断で試験は即時中止となってしまった。
ギージ 「あの…俺の試験は…?」
コウガイ 「悪いが、訓練場の壁が直るまで延期だ」
ギージ 「そんなぁ…」
そして、ギルドマスターの執務室で事情聴取を受けるクレイとダード。一部始終を見ていた受付嬢のカイアも一緒である。
コウガイ 「では、説明してもらおうか? 何があった? 」
クレイ 「俺は撃つ前にちゃんと確認したぞ。壁が壊れるがよいのか? と。そこの試験官に」
コウガイ 「…お前が壁を壊したと言うのか? 古代遺物で保護された、ギルド開設以来壊れた事のない壁を…?」
ダード 「…ハッタリだと思ったんだよ」
コウガイ 「お前たちは訓練場で何をやってたんだ? 決闘してたわけでもあるまい?」
ダード 「試験だよ」
カイア 「マスター・コウガイ、私から説明させて頂いてもよいですか?」
コウガイ 「話せ」
カイア 「そちらのクレイさんがダンジョンに入りたいと言う事で、D級以上になるための昇級試験を行う事になったのです。クレイさんは他の街でFランクで登録されていたそうなのですが、同行していたBランクの冒険者の推薦があったので、Cランクの試験を行う事になりまして。いつものようにダードさんに試験官をお願いしました。そして、模擬戦をやる事になったのですが、その前に的を撃ってみせるようにとダードさんが言ったんです、クレイさんは遠距離支援タイプだと言う事だったので。それでクレイさんが的に向かって魔法? を放ったのですが…」
ダード 「しょうがないだろ、強がってハッタリかます新人冒険者はよく居る。その鼻をへし折るために俺達Aランクの冒険者が試験官をやってるんだから…
…だが、たまに、コイツみたいに本当に規格外のヤツが現れる。難しいもんだよなぁ、マスターコウガイ?」
コウガイ 「ったく、笑ってごまかそうとしたってだめだぞ。
…まぁとは言え、信じられないのも理解できなくはない。なにせ、ギルドの壁と隣の宿屋の壁はまだしも、城壁に穴が開いてるんだからな。
クレイとか言ったな、本当にお前がやったのか? どんな魔法を使ったんだ?」
クレイ 「魔法じゃない、魔導銃だ。どちらかと言うと物理的な力だな」
コウガイ 「マドウジュウ?」
クレイ 「弾丸を打ち出す魔道具だよ、わかりやすく言えば、まぁ、弦のない弓みたいなもんだと思ってくれていい」
コウガイ 「弓だと? 神話級の魔弓でも持ってこなければ外壁に穴など開けられんだろう。それこそ、領主様が強力な防御魔法を掛けているのだぞ?」
ダード 「いや…防御は外側からの攻撃に対してのみだろ? 内側からは意外と脆いのかも知れん」
コウガイ 「なるほど、言われてみれば…少し強い魔物が来たくらいで城壁が壊されていたら困るからな。内側からの打撃だったからこそ、か。
まぁそれにしてもギルドの壁を壊している時点で尋常じゃない破壊力ではある…」
ダードはそうだろうと頷く。
コウガイ 「…しかしだ。いくら実践的な模擬戦をやるのがこの街の流儀だとしてもだ。そんな武器を使わせて模擬戦をやるつもりだったのか?」
コウガイはダードのほうを見ながら言ったのだが、クレイが食い気味に答えた。
クレイ 「俺は武器は破壊力が有りすぎるから模擬戦はできないと言ったぞ!? だが、訓練場には特殊な魔法が掛かっていて、多少怪我をしても外に出れば回復すると言われた」
コウガイ 「確かに、訓練場内は、設置されたアーティファクトのお陰で多少の怪我ならなかった事になるにはなるのだが……回復にも限度ってものがあってだな。あの威力では回復する間もなく死にかねんだろうが?」
ダード 「いや、だから、ハッタリだろうとは思ったんだが一応念のため、先に的を撃たせてみる事にしたんだろうがよ。見た事ない魔道具だったから、どんな攻撃が出るのか確認しておきたかったしな」
コウガイ 「その結果があれか……模擬戦前に確認したのは正解だったな。いきなり模擬戦やっていたら、ダードの腹に大穴が開くところだった」
ダード 「別に、どんだけ威力があろうと当たらなければ意味はない。当てさせる気はないさ」
コウガイ 「お前が避けたら結局壁が壊れるだろうが」
あーという顔をするダード。
ダード 「で…やっぱアレか? 俺とクレイで弁償って事になるか?」
コウガイ 「そうさなぁ…」
意地悪そうにニヤリと笑うコウガイ。
ダード 「こっ、公務中の事故なんだから、ギルド持ちだろ?」
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コウガイ 「そんな事言ったのか?」
ダード 「う…むぅ、言ったような、気も、しないでも、ない、かなぁ……」
コウガイ 「やれやれ…。
外壁に穴が開いてしまってるのは早急に対処する必要がある。穴から魔物に入り込まれても困るしな。だが、高ランクの魔物の攻撃にも耐える城壁だ、修理費は個人では一生掛かっても払い切れる額じゃないだろう」
クレイ 「うえマジカ……」
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