異世界転生したプログラマー、魔法は使えないけれど魔法陣プログラミングで無双する?(ベータ版)

田中寿郎

文字の大きさ
80 / 184
第二部 ダンジョン攻略編

第80話 父復活!

しおりを挟む
ワルドマ 「つまり、その、リジオンの地下深くにある古代遺跡まで行けば、父さんの身体も治るということか、お前と同じように?」

首肯するクレイ。正確には義手・義足・義眼という事になるのだが、感覚もあるし自由に動かせる、普通の身体と変わりないのだから、治ると言っていいだろう。

ワルドマ 「早速馬車を用意しよう。リジオンまでは少し長旅になる、父さんは少し大変かもしれないが…」

ブランド 「リジオンまでの旅はまぁ良いとして……ダンジョンの深層まで潜るのは、私の身体では足手纏い、というか無理だろう…」

クレイ 「大丈夫、移動は転移魔法陣で行くから。直接リルディオンに転移できる、馬車も必要ない」

ブランド 「転移魔法陣だと?!」

クレイ 「僕が魔法陣の解析をしてたのは知ってるだろう? ダンジョンにある転移魔法陣の解析に成功して、ついに自由に使えるようになったんだよ。そこまで来るのに九年もかかったけどね」(笑)

そう言いながらクレイが手をかざすと、テーブルの上に置いてあった水差しの下に光る魔法陣が浮かび、水差しは消え、テーブルの反対側に浮かんでいた魔法陣の上に水差しが出現していた。

ブランド 「なんと…!」

クレイ 「ダンジョンの中に時折現れるという転移魔法陣を解析したくて、わざわざ高難度の古代遺跡ダンジョンまで行ったわけだからね。死にかけたけど、苦労した甲斐はあったよ」

ワルドマ 「おまえ、それ、世間に知られたら大変なことになるぞ?」

クレイ 「うん、だから秘密にしておいて欲しい。とりあえず、ちゃちゃっと父さんの治療を終わらせてしまおう」

ブランド 「何? いまからか? すぐに?」

慌てるブランド。座っている車椅子の下に転移魔法陣が浮かぶ。クレイの足元にも魔法陣が浮かんでいた。そして、一瞬にして周囲の景色が入れ変わる。

ブランド 「……ここは…? もうその古代遺跡の中なのか?」

クレイがブランドを連れてやってきたのはリルディオンの医療施設である。

ブランド 「そうか、あっけないものだな……夢を見てるみたいだ」

実は、膨大な転移魔法陣のプログラムは一人の人間だけで開発するようなものではなく、大勢の研究者で成し遂げた巨大プロジェクトだった。それを一人で解析し理解するのは困難な作業で、何年もの時間が掛かってしまったが、それでもクレイがそれを成し遂げられたのは、クレイが優秀なプログラマーとしての才能を持っていたからであった。

クレイ 「エリー、頼む」

いつの間にかブランドの背後に立っていたエリーがブランドを車椅子から軽々と抱えあげて治療台に載せた。

クレイ 「すぐに終わるよ」

リルディオンの医療施設がブランドの身体を解析し、義手・義足・義眼をブラドに合わせて製作する。

気がつけば、あっという間にブランドは(外見上は)元通りの身体となっていた。

ブランド 「これは……手も足も普通に動く。左目も普通に見えるのだな…すごい魔法だ」

クレイ 「魔法……うーん、魔法と言ってもいいのかな? 魔力を使った魔導技術で作られた【魔導細胞】で作られたものだから、厳密に言えば、元の肉体に戻す回復魔法とは違うんだけどね」

ブランド 「せっかく作ってくれたのだ、壊さないように気をつけないとな」

クレイ 「魔導細胞も自然治癒機能があるし、治癒魔法も効くから、軽微な損傷ならここに来る必要はないよ」

リルディオンで【魔導細胞】によって作られた義肢は、材質・由来こそ違うだけで、生物の細胞と同じような働きをするものなのである。

クレイ 「流石に全損だとちょっと難しいけど、それは普通の治癒魔法で直せないのは同じだよね。身体欠損を治すような超高レベルの治癒魔法を義肢に掛けた時にどうなるのかはちょっと分からない。試してみる気にもならないし」

ブランド 「なんというか……すごいとしかいいようがないな……」

そして再び、一瞬でヴァレットの屋敷に戻ったブランドとクレイ。すぐに帰ってきたのを驚きながらも、妻のマイアと息子のワルドマはブランドの身体が治ったことを喜んでくれた。

クレイ 「少しは家族に恩返しができたかな…」


しおりを挟む
感想 98

あなたにおすすめの小説

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...