異世界転生したプログラマー、魔法は使えないけれど魔法陣プログラミングで無双する?(ベータ版)

田中寿郎

文字の大きさ
142 / 184
第三部 暗殺者編

第142話 ルルとリリ解放、そして…?

しおりを挟む
王都には魔法契約を扱う公的機関がある。国に認定された上級の魔法使いが契約魔法を掛けてくれ、どんな内容の契約であったかも記録保管し、必要であれば保証してくれる。

ただ、別に魔法契約が許可制になっているわけではない。そのため、必ずしもその機関を利用する必要はない。貴族や大商人になると、契約魔法を使える人間を直接雇って魔法契約を交わす者も多い。

そして、そのような契約の中には、奴隷契約に等しいようなものもあるのだが、一般的な奴隷と違うのは、身分が法的に定義された【奴隷】ではない、という点である。(外見からは契約魔法によって行動が制限されているとは見えないし、普通に国民として権利を保証されている。)

もちろん、ルルとリリに対してそのような奴隷的契約をする気はクレイにはないが。

クレイ 「二人には、今後もリルディオンの秘密は守ってもらうという魔法契約を結んで貰う事になる」

クレイ 「魔法契約はあるので完全な自由とは言えないかも知れんが、その代わり【奴隷】の身分からは解放される。これからは誰の命令もきく必要はなくなる、自由にどこへでも行けるようになる」

ルル 「いまのままでいいにゃぁ…」
リリ 「奴隷のままでもいいですにゃ…」

それでもグズる二人であったが、クレイは問答無用で二人の解放を実行する事にした。本人達が納得しておらずとも、奴隷の状態である二人はクレイの命令には従うしかないのだ。

まずは、二人を連れてリルディオンに行く。クレイは契約魔法は使えないので、契約魔法はエリー(リルディオン)に頼んで施術してもらうためである。


―――――――――――――
※魔法の内容を解析して魔法陣を作り上げればクレイも契約魔法を使えるようになるかも知れないが、クレイはそのような魔法にはあまり興味はないので研究する気もなかった。最近はあまり魔法の術式コードの解析・研究をする時間はないし、クレイは自分に興味のない術式について無駄に時間を費やすつもりはなかった。この世にある全ての術式を学ぶには、一人の人生では時間が足りな過ぎるのだ。(クレイが主に興味をもって研究しているテーマは主に時空間に関する魔法術式である。それさえも、まだ模倣の段階に過ぎず、理解したとはとても言えない段階なのだ。)
―――――――――――――


隷属の首輪は装着したまま、開放はせずに契約魔法を上から掛ける。その施術が終わった後、今度は王都の奴隷商へと移動し、奴隷からの解放の手続きを行った。

これは、二人が奴隷から解放されたという記録を奴隷ギルドに残しておくための処置である。

勝手に解放してしまう事も可能だし問題はないのだが、そうなると、奴隷ギルドには二人が奴隷として売られたという記録が残ったままになる。犯罪奴隷や戦争奴隷と違い、借金奴隷の場合はそれでトラブルになる事もあまりないだろうが、解放されたという記録をキチンとしておいたほうが気分は良いだろう。(開放されたとしても、奴隷であったという記録は消えない可能性が高いが。)

王都の奴隷商で隷属の首輪をはずされたルルとリリ。

クレイ 「さぁ、これでお前達は自由だ。すっきりしたろう?」

ルル 「うー。これでうちらはお払い箱にゃ?」
リリ 「私達は捨てられるにゃ?」

クレイ 「別に捨てるとかそういう話とは違うだろう。自由になったんだよ。どこへでも自由に行けるし、誰の命令もきく必要はなくなったんだ。

どこに行ってもいいし、どんな職業についてもいい。あ、魔導銃とか装備は全部返してもらう事になるから、冒険者を続けるなら慎重にな」

ルル 「これからもクレイと一緒に居たいにゃ…」
リリ 「どうしても離れなければ駄目にゃ…?」

クレイ 「ふふふ、言ったろ? 自由だと。つまり…

…俺と一緒に居たいなら、それも自由って事だ」

ルル 「え、それって?!」
リリ 「一緒に居てもいいにゃ?!」

クレイ 「その…、お前達さえ良ければ、だが……俺とパーティを組むか?」

実はクレイも、二人の事を可愛く思っており、離れがたいと思っていたのだ。ただしそれは恋愛的な意味ではなかったのだが。

クレイは二人の事をとても可愛いと思っていはいたが、それはどちらかというと可愛い飼い猫ペットの感覚に近いものであった。

二人は確かに若く可愛い。だが、いくら人間にそっくりだと言っても、クレイは “ケモミミ” や “尻尾” のある者を性的な対象としてみる事ができなかったのである。

実は、クレイは前世の日本で、短い間であったが、子猫を二匹拾って飼っていた事があった。二匹は最終的に里親が見つかり貰われて行ってしまったのだが、ブラックな職場でパワハラに耐えながら働いていた頃、クレイにとっては二匹の子猫は癒やしであった。

そして、なんとなくルルとリリはその二匹の猫に雰囲気が似ていたのである。二人の存在は、今生のクレイにとってもまた癒やしであったのだ。

ただ、二人が奴隷から解放された後、さっさとクレイから離れて行ってしまう事も覚悟はしていた。そうなったら、それはそれで、すんなり諦めるつもりでいた。(もしそうなったら、獣人ではなく本当の猫でも探して飼おうか、などと思っていたのだが…)

ルル・リリ 「「組むにゃ!」」

食い気味に即答し、クレイに飛びつく二人。

クレイ 「おっ、お前達、本当にいいのか? 俺と離れて冒険者活動をしてもいいし、冒険者以外の仕事をしてもいいんだぞ?」

ルル 「私達に冒険者以外の仕事なんてできないにゃ!」
リリ 「これからもクレイと一緒に冒険者するにゃ!」

クレイ 「そうか…。と言っても、俺は当分は冒険者は休業する予定なんだがな…」

ルル 「それでもいいにゃ」
リリ 「一緒に居るにゃ」

クレイ 「いや、休業中は自由にしてろよ」

ルル 「自由にするにゃ」
リリ 「ずっと一緒に居るのも自由にゃ」

クレイ 「うーん、もしかして、失敗だったか…?」


しおりを挟む
感想 98

あなたにおすすめの小説

辺境貴族ののんびり三男は魔道具作って自由に暮らします

雪月夜狐
ファンタジー
書籍化決定しました! (書籍化にあわせて、タイトルが変更になりました。旧題は『辺境伯家ののんびり発明家 ~異世界でマイペースに魔道具開発を楽しむ日々~』です) 壮年まで生きた前世の記憶を持ちながら、気がつくと辺境伯家の三男坊として5歳の姿で異世界に転生していたエルヴィン。彼はもともと物作りが大好きな性格で、前世の知識とこの世界の魔道具技術を組み合わせて、次々とユニークな発明を生み出していく。 辺境の地で、家族や使用人たちに役立つ便利な道具や、妹のための可愛いおもちゃ、さらには人々の生活を豊かにする新しい魔道具を作り上げていくエルヴィン。やがてその才能は周囲の人々にも認められ、彼は王都や商会での取引を通じて新しい人々と出会い、仲間とともに成長していく。 しかし、彼の心にはただの「発明家」以上の夢があった。この世界で、誰も見たことがないような道具を作り、貴族としての責任を果たしながら、人々に笑顔と便利さを届けたい——そんな野望が、彼を新たな冒険へと誘う。

辺境伯家次男は転生チートライフを楽しみたい

ベルピー
ファンタジー
☆8月23日単行本販売☆ 気づいたら異世界に転生していたミツヤ。ファンタジーの世界は小説でよく読んでいたのでお手のもの。 チートを使って楽しみつくすミツヤあらためクリフ・ボールド。ざまぁあり、ハーレムありの王道異世界冒険記です。 第一章 テンプレの異世界転生 第二章 高等学校入学編 チート&ハーレムの準備はできた!? 第三章 高等学校編 さあチート&ハーレムのはじまりだ! 第四章 魔族襲来!?王国を守れ 第五章 勇者の称号とは~勇者は不幸の塊!? 第六章 聖国へ ~ 聖女をたすけよ ~ 第七章 帝国へ~ 史上最恐のダンジョンを攻略せよ~ 第八章 クリフ一家と領地改革!? 第九章 魔国へ〜魔族大決戦!? 第十章 自分探しと家族サービス

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

転生したら領主の息子だったので快適な暮らしのために知識チートを実践しました

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
不摂生が祟ったのか浴槽で溺死したブラック企業務めの社畜は、ステップド騎士家の長男エルに転生する。 不便な異世界で生活環境を改善するためにエルは知恵を絞る。 14万文字執筆済み。2025年8月25日~9月30日まで毎日7:10、12:10の一日二回更新。

1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!

マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。 今後ともよろしくお願いいたします! トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕! タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。 男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】 そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】 アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です! コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】 マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。 見てください。

99歳で亡くなり異世界に転生した老人は7歳の子供に生まれ変わり、召喚魔法でドラゴンや前世の世界の物を召喚して世界を変える

ハーフのクロエ
ファンタジー
 夫が病気で長期入院したので夫が途中まで書いていた小説を私なりに書き直して完結まで投稿しますので応援よろしくお願いいたします。  主人公は建築会社を55歳で取り締まり役常務をしていたが惜しげもなく早期退職し田舎で大好きな農業をしていた。99歳で亡くなった老人は前世の記憶を持ったまま7歳の少年マリュウスとして異世界の僻地の男爵家に生まれ変わる。10歳の鑑定の儀で、火、水、風、土、木の5大魔法ではなく、この世界で初めての召喚魔法を授かる。最初に召喚出来たのは弱いスライム、モグラ魔獣でマリウスはガッカリしたが優しい家族に見守られ次第に色んな魔獣や地球の、物などを召喚出来るようになり、僻地の男爵家を発展させ気が付けば大陸一豊かで最強の小さい王国を起こしていた。

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

伯爵家の三男に転生しました。風属性と回復属性で成り上がります

竹桜
ファンタジー
 武田健人は、消防士として、風力発電所の事故に駆けつけ、救助活動をしている途中に、上から瓦礫が降ってきて、それに踏み潰されてしまった。次に、目が覚めると真っ白な空間にいた。そして、神と名乗る男が出てきて、ほとんど説明がないまま異世界転生をしてしまう。  転生してから、ステータスを見てみると、風属性と回復属性だけ適性が10もあった。この世界では、5が最大と言われていた。俺の異世界転生は、どうなってしまうんだ。  

処理中です...