【完結】内緒で死ぬことにした〜いつかは思い出してくださいわたしがここにいた事を、なぜわたしは生まれ変わったの?〜  

たろ

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16話

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あのクソガキ。
大事なアイシャに怪我をさせやがって。

「殿下のことはわたしから話をすることにしよう。お前から聞いたことは言わない。殿下がしたことは周りも見ているはずだ。
さすがの護衛も王族には手が出せない。よく耐えたな」

「お守りできなくて申し訳ありません」

「いや、お前達がアイシャの心を守ってくれているのは見ていてわかる。親がしないといけないことを代わりにお前達に強いていることを詫びる」

「わたし達はアイシャ様が大好きなんです。主人としてお守りしていますが、アイシャ様だから守ってあげたいんです。
いつも笑って明るく過ごしていますが何かを抱えているのはわかっていました。あれは両親のことやターナ様のことだけではなくて、もしかしたら前世のことを何か感じ取っているのかもしれません。
無理に笑っているアイシャ様を見るのがとても辛く感じていました」

「……そうか……わたしたち家族はアイシャの本当の姿を見ていなかったのだな」

いくら別に暮らしているからと言っても、アイシャの無理して笑っている笑顔に気がついてやれなかった。
わたしもリサ達と同じだ。

だからこそアイシャの心を守らなければいけない。




「……アイシャは死ぬ時に小さな男の子ととても仲がよかったんだ。その男の子が今成長してこのルビラ王国に留学してきた。彼は、高等部を飛び級で卒業して、医学の勉強をするために一番医療の発達したルビラ王国にきてイルマナ医師のところに住んでいる。
記憶のないアイシャとその子……キリアンと言うんだが会わせることに今はまだ躊躇っている。
キリアンに会うことでアイシャの辛く悲しかった記憶が戻り心が壊れないか心配なんだ。
だから今は極力イルマナのところとは関わらない様にしてはいるのだが……
アイシャに転生のことを伝えるにあたって、キリアンのことも伝え全て話すべきか、それともただ病気で亡くなって転生しただけと伝えるべきか……今は悩んでいるところなんだ」

「アイシャ様は何かを隠しています。時々思い込んで何か考え込んでいることも多いです。まだ思い出してはいないと思いますが、もしかしたら……その兆候があるのではないかと思います」
ロウトはじっと考えながら話した。

「アイシャ様は以前はわたし達が着替えや髪の毛のセットをさせていただいておりましたが、最近はご自分で全てをしてしまいます。突然出来るようになったのが不思議でした。もしかしたら記憶があるのか、無意識のうちに以前の行動ができているのかもしれません」

「……そうか……もしかしたらアイシャは記憶が戻りつつあるのかもしれないな」

わたしはアイシャの体調が戻り次第、転生のことを話し全てを打ち明けると決めた。

「二人には負担になるがあの子を見守ってやってほしい。頼む」

「もちろんです」



それからしばらくはアイシャの様子を見ることにした。

その間に、王城は久しぶりに顔を出すことにした。

甥っ子に会いに行った。


「久しぶりだな、陛下。お前の息子はわたしの可愛い孫に怪我をさせた。もちろん知っているだろうな」

わたしはいきなり話をふっかけた。

「叔父上、クリスがそんなことをするはずがないでしょう?」

我が子を庇う気持ちは分かるが、正確な情報が耳に届いていないとは情けない。

わたしは思わず溜息が出てしまった。

「お前は息子に会うこともないのか?」

「会ってはいますが……まさか…アイシャですか?クリスはアイシャが好き過ぎて素直になれないところがありますが、まさか暴力を振るったと言うのですか?」

「クリス本人に聞いてみろ!アイシャは入院していた。今はわたしの家に来ているがまだ体調が優れず療養している」

「確認してみます。この件はわたしに任せていただけますか?結果はきちんと後ほど報告いたします」

「この件は父親としてきちんと対処してもらう。其方がきちんと行えなければわたしが動かさせてもらう」

「わかりました、すぐに調べて結論を出します」

わたしはそれ以上言うのはやめておいた。

この国の陛下である甥っ子、そして王太子殿下でもあるクリス。

本当はクリスを捕まえて、首根っこ押さえてアイシャにされたことをそのまましてやりたかったが、流石に大人気ないのでグッと堪えた。

兄上(元国王)には今回のことは先に伝えた。

もし納得いかなければ二人に対してわたしは動くと伝えている。
兄上は黙って頷いてくれた。

わたしが動くと言うのは、この国と対立することも厭わないと言うことだ。

我が公爵家はこの国の守りの要だ。

沢山の騎士を抱えていざという時は我が公爵家が一番に動き国を守ってきた。

そしてわたしが動くと言うことはこの国を捨てて、独立すると言うことだ。
我が公爵家は、この国の十分の一が領地である。
もちろん配下に沢山の伯爵家や子爵家がありその者達に領地を任せている。

もちろん感情だけでそんなことをする訳ではない。

わたし達が命をかけて仕えていく上の者が、誤魔化しや正確な情報も得ることができない愚者ならば、考えを改める、そう言っているのだ。

まぁ、そこまで大袈裟にするつもりはないが脅かしは必要だ。
あっちも狸だ。
お互い化かし合いは必要だ。









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