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55話 元アイシャ編
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アイシャが眠り続けてもう二月も経ってしまった。
アイシャ姉ちゃんは、アイシャのままで大人しく過ごしている。
学園には通わずに(友人達のこともよくわからないので)カイザ様の屋敷でアイシャの代わりに勉強や貴族令嬢としての作法、ダンスなど色々と勉強をしている。
ただ魔法は使い方がわからないらしくアイシャと違い全く魔法が使えない。
俺は週に何度かアイシャお姉ちゃんに会いに来ている。
昔の話をしたり今日どんなことがあったとか話したりしている。
もちろん楽しい。
でも眠り続けているアイシャが気になって仕方がない。
カイザ様からターナとリサ様のこれからの話を聞いた。
ハイド様はアイシャと会いたいと何度も言ってきたが今は会うべきではないと断っている。
アイシャ姉ちゃんにとってハイド様は赤の他人。それに今はハイド様から二人の状況を聞いてもアイシャには悪影響しかない。
変わってもいない二人の情報なんて必要ない。
ロウトさんもメリッサさんも俺も今は会わせるべきではないと考えている。
カイザ様もそれに対して納得してくれている。
◇ ◇ ◇
「アイシャは何の反応もしない?」
「うん、このままの状態が続くなんて怖い、でもどうしていいのかわからないの。何かキッカケがあればいいのだけど」
「うーん、それはそれで困ることになるしね」
キリアン君は何か考え込んでいた。
「そうね、今はわたしがアイシャちゃんの体を使って勉強をして、元に戻った時にアイシャちゃんが困らないようにしてあげることしか出来ないの」
「……うん、もう少ししたらアイシャの憂いを取り除けると思うんだ。それまでは仕方がないよね……」
キリアン君の含みのある言葉にわたしは首を捻りながらも黙っていた。
聞いてはいけない空気感があったから……
「アイシャお姉ちゃん、この屋敷に閉じこもっているなら一度バナッシユ国へ帰らないかなと思ったんだ。そしたらアイシャにもいい刺激になるかもしれない」
「………それにその間にカイザ様が片付けてくれるだろうしね」
キリアン君は小さな声で呟いた。
「え?」
「いや、なんでもない。カイザ様には許可を取ってるんだ。だからいつでも行けるよ!」
「……わたしが行けば混乱するのではないかしら?」
「みんなには伝えてあるんだ。母もお祖母様もゴードン様もそして陛下もみんな会いたがっているよ」
「わたしももう一度会いたい……みんなにお礼も言えなかったしさよならもできなかった。行きたいわ」
わたしはみんなに亡くなる前黙って家を出た。
もう助からない、それが分かっていたから最後はそっと誰もいない知らない場所で死のうと思った。
リサ様とカイザ様がわたしを助けて最後までそばに居てくれた。
わたしがみんなに知らせないでと頼んだから、誰ともお別れをできなかった。
あの時はそれでいいと思っていた。
でも………
「うん、行こう!アイシャお姉ちゃん」
そしてわたしはミケランを籠に入れて一緒に旅立った。
もちろんメリッサさんとロウトさん、そして今回はヴィズ君、キリアン君もついて来てくれた。
馬車で一週間かけて、エマ様とサラ様のいる家に向かった。
ただ、今回は以前住んでいたは家には行けなかった。
その場所はまだあってキリアン君の家としてそのままにしてあるらしい。
でも大所帯だし、安全上やはり危険だと言う事で、ゴードン様の屋敷に泊めていただくことになった。
屋敷に着くとみんなが待っていてくれた。
「アイシャちゃん!」
サラ様とエマ様がわたしに抱きついて来てくれた。
「本当に生まれ変わったのね?」
「はい……今のわたしはあの時のアイシャです。今世のアイシャちゃんはこの体の中で眠り続けています」
「…そう……アイシャちゃんはどうして家族に恵まれないのかしら……」
サラ様はとても寂しそうに呟いた。
「でも今のアイシャちゃんにはメリッサさんやロウトさん、カイザ様やキリアン君がいてくれるの……みんなアイシャちゃんのことが大好きで側にいてくれる人たちよ。
早くアイシャちゃんにもみんなの声が届いてくれたらいいのにね」
そう言うと、エマ様は、小さくなったわたしの頭を撫でながら涙を溜めてわたしを抱きしめてくれた。
「会いたかったわ」
二人にわたしは伝えなければいけない。
「お二人にはとてもお世話になったのに黙って出て行ってすみませんでした。あの時はこれ以上迷惑をかけたくないと思っていました。でもそれはわたしの勝手な思い込みでみんなに辛い思いをさせたと今になって気がつきました。ごめんなさい」
「本当!あの時はとても悲しかったのよ」
「すみませんでした」
「まさかもう一度会えるなんて……」
わたし達は再会を喜んだ。
わたしはいつかアイシャちゃんの記憶の中に消える……だからこそみんなに再会した嬉しい気持ちや幸せな気持ちをたくさん持ったままアイシャちゃんの記憶となりたい。
それがアイシャちゃんにとって生きていく中で少しでもプラスになってくれたらいいなと思う。
アイシャ姉ちゃんは、アイシャのままで大人しく過ごしている。
学園には通わずに(友人達のこともよくわからないので)カイザ様の屋敷でアイシャの代わりに勉強や貴族令嬢としての作法、ダンスなど色々と勉強をしている。
ただ魔法は使い方がわからないらしくアイシャと違い全く魔法が使えない。
俺は週に何度かアイシャお姉ちゃんに会いに来ている。
昔の話をしたり今日どんなことがあったとか話したりしている。
もちろん楽しい。
でも眠り続けているアイシャが気になって仕方がない。
カイザ様からターナとリサ様のこれからの話を聞いた。
ハイド様はアイシャと会いたいと何度も言ってきたが今は会うべきではないと断っている。
アイシャ姉ちゃんにとってハイド様は赤の他人。それに今はハイド様から二人の状況を聞いてもアイシャには悪影響しかない。
変わってもいない二人の情報なんて必要ない。
ロウトさんもメリッサさんも俺も今は会わせるべきではないと考えている。
カイザ様もそれに対して納得してくれている。
◇ ◇ ◇
「アイシャは何の反応もしない?」
「うん、このままの状態が続くなんて怖い、でもどうしていいのかわからないの。何かキッカケがあればいいのだけど」
「うーん、それはそれで困ることになるしね」
キリアン君は何か考え込んでいた。
「そうね、今はわたしがアイシャちゃんの体を使って勉強をして、元に戻った時にアイシャちゃんが困らないようにしてあげることしか出来ないの」
「……うん、もう少ししたらアイシャの憂いを取り除けると思うんだ。それまでは仕方がないよね……」
キリアン君の含みのある言葉にわたしは首を捻りながらも黙っていた。
聞いてはいけない空気感があったから……
「アイシャお姉ちゃん、この屋敷に閉じこもっているなら一度バナッシユ国へ帰らないかなと思ったんだ。そしたらアイシャにもいい刺激になるかもしれない」
「………それにその間にカイザ様が片付けてくれるだろうしね」
キリアン君は小さな声で呟いた。
「え?」
「いや、なんでもない。カイザ様には許可を取ってるんだ。だからいつでも行けるよ!」
「……わたしが行けば混乱するのではないかしら?」
「みんなには伝えてあるんだ。母もお祖母様もゴードン様もそして陛下もみんな会いたがっているよ」
「わたしももう一度会いたい……みんなにお礼も言えなかったしさよならもできなかった。行きたいわ」
わたしはみんなに亡くなる前黙って家を出た。
もう助からない、それが分かっていたから最後はそっと誰もいない知らない場所で死のうと思った。
リサ様とカイザ様がわたしを助けて最後までそばに居てくれた。
わたしがみんなに知らせないでと頼んだから、誰ともお別れをできなかった。
あの時はそれでいいと思っていた。
でも………
「うん、行こう!アイシャお姉ちゃん」
そしてわたしはミケランを籠に入れて一緒に旅立った。
もちろんメリッサさんとロウトさん、そして今回はヴィズ君、キリアン君もついて来てくれた。
馬車で一週間かけて、エマ様とサラ様のいる家に向かった。
ただ、今回は以前住んでいたは家には行けなかった。
その場所はまだあってキリアン君の家としてそのままにしてあるらしい。
でも大所帯だし、安全上やはり危険だと言う事で、ゴードン様の屋敷に泊めていただくことになった。
屋敷に着くとみんなが待っていてくれた。
「アイシャちゃん!」
サラ様とエマ様がわたしに抱きついて来てくれた。
「本当に生まれ変わったのね?」
「はい……今のわたしはあの時のアイシャです。今世のアイシャちゃんはこの体の中で眠り続けています」
「…そう……アイシャちゃんはどうして家族に恵まれないのかしら……」
サラ様はとても寂しそうに呟いた。
「でも今のアイシャちゃんにはメリッサさんやロウトさん、カイザ様やキリアン君がいてくれるの……みんなアイシャちゃんのことが大好きで側にいてくれる人たちよ。
早くアイシャちゃんにもみんなの声が届いてくれたらいいのにね」
そう言うと、エマ様は、小さくなったわたしの頭を撫でながら涙を溜めてわたしを抱きしめてくれた。
「会いたかったわ」
二人にわたしは伝えなければいけない。
「お二人にはとてもお世話になったのに黙って出て行ってすみませんでした。あの時はこれ以上迷惑をかけたくないと思っていました。でもそれはわたしの勝手な思い込みでみんなに辛い思いをさせたと今になって気がつきました。ごめんなさい」
「本当!あの時はとても悲しかったのよ」
「すみませんでした」
「まさかもう一度会えるなんて……」
わたし達は再会を喜んだ。
わたしはいつかアイシャちゃんの記憶の中に消える……だからこそみんなに再会した嬉しい気持ちや幸せな気持ちをたくさん持ったままアイシャちゃんの記憶となりたい。
それがアイシャちゃんにとって生きていく中で少しでもプラスになってくれたらいいなと思う。
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