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80話 再会編
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お母様の体調が徐々に悪化していくのを必死で抑え込む。
なんとか踏ん張っているがわたしの力ではこれが限界。
わたしが疲弊している姿をメリッサとロウトが心配してくれる。
「アイシャ様、少し休んでご自分の部屋で寝てください」
「わたしが看病は代わります」
二人はもちろん屋敷の使用人達も、「無理をなさらないでください」
と、心配してくれる。
「ありがとう、では少しだけ休んでくるわ、リサ様をお願いね、何かあったらすぐに声をかけてください」
部屋に帰りベッドに横になった。
みんなからわたしは魔力も強く無属性で優れた魔法使いだと言われて、わたしもお母様を治せるつもりでいた。
でもお祖父様が言った通り、魔法は全能ではなかった。
全てを魔法の力だけでは治すことなどできない。
死に行く者は、どんなことをしても死んでいくのだ。
「お祖父様……キリアン様……会いたい」
二人ならわたしのこの窮地を救ってくれるかも……イルマナ様もこちらに向かってくれているのに考えるのは二人のこと。
ウトウトとしていると、メリッサが話しかけてきた。
「アイシャ様、お友達がお見えになっています」
「え?」
「お通ししますか?お断りしますか?」
「客間に通してもらってもいいかしら?」
「かしこまりました」
わたしは急いで服を着替えて、みんなのところへ向かった。
「久しぶりだな」
「久しぶり、元気でよかった」
わたしの顔を見るなりに立ち上がり、わたしのそばに来て手を握りしめる友達。
驚いてキョトンとしていると
「ずっと休んでいるから気になって……お手紙を送ったら会いにこないかと大奥様から返事をいただいたの」
「……お祖母様が?」
ーーあ、いけない、カレン夫人だった。
わたしは慌てて周りをキョロキョロ見回した。
メリッサしかいなかったのでホッとしながら、
「そうなんだ、心配かけてごめんなさい」
みんなと会うのは1週間ぶりだった。
「みんなに会えて嬉しいわ」
それからは最近の学校の出来事を話してくれた。
誰と誰が付き合い出しただの、先生が廊下で思いっきり滑って転けて大笑いしただの、いつもの楽しい話や恋の話にわたしは重たかった気持ちが少し軽くなった。
「みんな、ありがとう。そう言えば騎士団の鍛錬見に行きたいって言ってたよね?行ってみる?ロウトいいでしょう?」
「はい、大奥様にも許可を得ておりますのでご案内いたします」
「ウソ!やったあ」
「俺見てみたかったんだ」
「カッコいい人いるかしら?」
賑やかにみんなで騎士団へ向かう。
軽い気持ちだった友人達は、あまりにも激しい鍛錬をしている騎士達を見て、黙ったままじっと見つめていた。
張り詰めた重い空気、みんなの真剣な顔、普段見ている騎士達の姿とは全く違っていたらしい。
普段街を歩く騎士達は優しげにしている。
なのに鍛錬の時の騎士達の表情は、鬼気迫っている。
この鍛錬がいざという時に民を守り、自身の命も守る。だから、手も抜かないし張り詰めている。
互いに剣を打ち合う者、体術を使い組み手を組む者。
走り込みをする者。
見ているだけでもピリピリとした空気が伝わってきた。
そして………
「俺たちちょっと気軽に考えていたけど……すげえなぁ」
「うん……みんなあんなに頑張っているんだね」
「強いのは当たり前なのではなくて、必死で鍛えていたんだね」
「みんななんかごめんね。重たくなっちゃったね」
「ううん、騎士団の皆さんの普段の鍛錬をする姿見せてもらえてよかった。感謝しなきゃいけないね、守ってもらって当たり前ではないんだよね」
「うん、わたしもすぐそばにいながら当たり前になっていたかも…感謝しないといけないよね」
わたしも今日は落ち込んでばかりで悪い方にばかり考えていたけど、みんなのおかげで気分転換できたしみんな努力しているんだと改めて考えさせられた。
「みんな本当に来てくれてありがとう。お母様の容態が安定したらまた学校に行くから待っててね」
「当たり前だよ、待ってるね」
ーーわたしがここにいる存在意義なんて難しいこと考えなくてもいいのかも。
わたしが出来ること精一杯頑張って、辛くなったらみんなに会って、また頑張ればいいんだ。
わたしのことを心配してくれる人がいる。
前世のわたしにも少し前のわたしにも、あまりいなかった。
今は、わたしを見てくれて心配してくれて、必要としてくれる人がいることがとても嬉しい。
夕方お母様の部屋へ顔を出した。
「アイシャ……今日はいつもと違う?」
「はい、リサ様、焦ってなんとかしないといけないと思っていたけど……リサ様一緒に病と戦いましょう。もうダメだと諦めたらそこで終わりですよね?リサ様わたし頑張りますので、リサ様も頑張っていっぱい食べて体力つけてください!」
「わたしが頑張るのは食べること?そうね……貴女の言うことを聞いて食べるわ」
ーーお母様は本当はキツくて食欲すら無くなってきている。食べることは本人にとっては大変なこと、飲み込むのも辛いだろう。
それからは、お母様は少しずつ食事を無理してでも食べてくれるようになった。
わたしも朝のうちに騎士団へ行き癒しの魔法をかけさせてもらい、少しでも上手になりたいと練習をした。
そしてお母様のところへ行き精一杯頑張った。
あと少し、出来ることをしていればイルマナ様も来てくれる。
わたしは少しずつ自信を取り戻していった。
なんとか踏ん張っているがわたしの力ではこれが限界。
わたしが疲弊している姿をメリッサとロウトが心配してくれる。
「アイシャ様、少し休んでご自分の部屋で寝てください」
「わたしが看病は代わります」
二人はもちろん屋敷の使用人達も、「無理をなさらないでください」
と、心配してくれる。
「ありがとう、では少しだけ休んでくるわ、リサ様をお願いね、何かあったらすぐに声をかけてください」
部屋に帰りベッドに横になった。
みんなからわたしは魔力も強く無属性で優れた魔法使いだと言われて、わたしもお母様を治せるつもりでいた。
でもお祖父様が言った通り、魔法は全能ではなかった。
全てを魔法の力だけでは治すことなどできない。
死に行く者は、どんなことをしても死んでいくのだ。
「お祖父様……キリアン様……会いたい」
二人ならわたしのこの窮地を救ってくれるかも……イルマナ様もこちらに向かってくれているのに考えるのは二人のこと。
ウトウトとしていると、メリッサが話しかけてきた。
「アイシャ様、お友達がお見えになっています」
「え?」
「お通ししますか?お断りしますか?」
「客間に通してもらってもいいかしら?」
「かしこまりました」
わたしは急いで服を着替えて、みんなのところへ向かった。
「久しぶりだな」
「久しぶり、元気でよかった」
わたしの顔を見るなりに立ち上がり、わたしのそばに来て手を握りしめる友達。
驚いてキョトンとしていると
「ずっと休んでいるから気になって……お手紙を送ったら会いにこないかと大奥様から返事をいただいたの」
「……お祖母様が?」
ーーあ、いけない、カレン夫人だった。
わたしは慌てて周りをキョロキョロ見回した。
メリッサしかいなかったのでホッとしながら、
「そうなんだ、心配かけてごめんなさい」
みんなと会うのは1週間ぶりだった。
「みんなに会えて嬉しいわ」
それからは最近の学校の出来事を話してくれた。
誰と誰が付き合い出しただの、先生が廊下で思いっきり滑って転けて大笑いしただの、いつもの楽しい話や恋の話にわたしは重たかった気持ちが少し軽くなった。
「みんな、ありがとう。そう言えば騎士団の鍛錬見に行きたいって言ってたよね?行ってみる?ロウトいいでしょう?」
「はい、大奥様にも許可を得ておりますのでご案内いたします」
「ウソ!やったあ」
「俺見てみたかったんだ」
「カッコいい人いるかしら?」
賑やかにみんなで騎士団へ向かう。
軽い気持ちだった友人達は、あまりにも激しい鍛錬をしている騎士達を見て、黙ったままじっと見つめていた。
張り詰めた重い空気、みんなの真剣な顔、普段見ている騎士達の姿とは全く違っていたらしい。
普段街を歩く騎士達は優しげにしている。
なのに鍛錬の時の騎士達の表情は、鬼気迫っている。
この鍛錬がいざという時に民を守り、自身の命も守る。だから、手も抜かないし張り詰めている。
互いに剣を打ち合う者、体術を使い組み手を組む者。
走り込みをする者。
見ているだけでもピリピリとした空気が伝わってきた。
そして………
「俺たちちょっと気軽に考えていたけど……すげえなぁ」
「うん……みんなあんなに頑張っているんだね」
「強いのは当たり前なのではなくて、必死で鍛えていたんだね」
「みんななんかごめんね。重たくなっちゃったね」
「ううん、騎士団の皆さんの普段の鍛錬をする姿見せてもらえてよかった。感謝しなきゃいけないね、守ってもらって当たり前ではないんだよね」
「うん、わたしもすぐそばにいながら当たり前になっていたかも…感謝しないといけないよね」
わたしも今日は落ち込んでばかりで悪い方にばかり考えていたけど、みんなのおかげで気分転換できたしみんな努力しているんだと改めて考えさせられた。
「みんな本当に来てくれてありがとう。お母様の容態が安定したらまた学校に行くから待っててね」
「当たり前だよ、待ってるね」
ーーわたしがここにいる存在意義なんて難しいこと考えなくてもいいのかも。
わたしが出来ること精一杯頑張って、辛くなったらみんなに会って、また頑張ればいいんだ。
わたしのことを心配してくれる人がいる。
前世のわたしにも少し前のわたしにも、あまりいなかった。
今は、わたしを見てくれて心配してくれて、必要としてくれる人がいることがとても嬉しい。
夕方お母様の部屋へ顔を出した。
「アイシャ……今日はいつもと違う?」
「はい、リサ様、焦ってなんとかしないといけないと思っていたけど……リサ様一緒に病と戦いましょう。もうダメだと諦めたらそこで終わりですよね?リサ様わたし頑張りますので、リサ様も頑張っていっぱい食べて体力つけてください!」
「わたしが頑張るのは食べること?そうね……貴女の言うことを聞いて食べるわ」
ーーお母様は本当はキツくて食欲すら無くなってきている。食べることは本人にとっては大変なこと、飲み込むのも辛いだろう。
それからは、お母様は少しずつ食事を無理してでも食べてくれるようになった。
わたしも朝のうちに騎士団へ行き癒しの魔法をかけさせてもらい、少しでも上手になりたいと練習をした。
そしてお母様のところへ行き精一杯頑張った。
あと少し、出来ることをしていればイルマナ様も来てくれる。
わたしは少しずつ自信を取り戻していった。
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