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82話
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王都に戻り学園に通ういつもの生活。
何故か物足りなさを感じ始めた。
お母様を治療する間、必死で癒しの魔法や消去魔法を覚えた。
たくさんの医学書を夜中まで読んで、必死だった。
ーー学園に通うよりわたしはもっと医術の魔法の勉強をしたい。
友達に毎日会えることは楽しい。
でもそれ以上にもっと充実感のある日々を送りたい。
わたしはお祖父様にお願いをした。
「学園を辞めてイルマナ様の所で勉強をしたいと思うのです」
「あと2年と少し、学園を卒業してからでもいいのではないのか?」
「確かにそれが貴族令嬢としては大事なことだと思います。でも、わたしはもっと技術を上げて助けられる人を増やしたいのです」
貴族令嬢は、学園を卒業したら、婚約者と結婚するのが当たり前の世界だ。
でもわたしにはまだ婚約者はいない。
お祖父様が無理して婚約する必要はないと言ってくれていた。
お母様のように、結婚しても仕事を続ける人はまだこの国では珍しい。
でも……わたしも家庭に入るよりも働きたい。
せっかくみんなよりも沢山の魔力もありいろんな魔法を使えるのに、結婚して何もしないなんて……
後悔する人生は送りたくない。
好きだった人も今はこの国にいない。
だから結婚なんて興味もない。学園に通うより少しでも魔法の技術を上げて、人の為に過ごしたい。
前世のわたしのように心臓病で亡くなる人を減らしたい。
お母様のように悪性腫瘍で苦しむ人を減らしたい。
わたしはお祖父様に何度もお願いをした。
ずっと顔を顰めて首を縦にふってはもらえない。
それでも、わたしは諦めずに何度もお祖父様にお願いをし続けた。
「アイシャがそんなに魔術の医者になりたいのなら、これから人を助けたいと思うのならば、わたしが今から言うことを乗り越えて見ろ」
「わたしに出来ることならやります」
「……お前にしか出来ない人助けだ。本当はお前が大人になって自分でそうしたいと思うまで待つつもりだった……いや……すまない、やはりやめよう」
お祖父様はいつもあんなに堂々としているのに、自分で言っておきながら突然話すのを戸惑ってしまった。
「………?」
「わたしは酷い奴だ。アイシャ、すまない。この話はなかったことにしてくれ」
「……お祖父様?」
「お前の気持ちは分かった。だが学園を辞めるのではなく通いながらイルマナの所へ通えばよかろう」
お祖父様はやはり学園を辞めることだけは認めてくれなかった。でもイルマナ様のところへ行くことは認めてくれた。
「わかりました、お祖父様がそう仰るなら、学園は卒業します。出来るだけ頑張って早く卒業してみせます」
わたしは納得するしかなかった。お祖父様の気持ちもわかるから……でもお祖父様はわたしに何をして欲しかったのだろう。
わたしにしか出来ない人助け……
「お祖父様……わたしにしか出来ない人助けとは一体何でしょう?やはり気になります」
本当は聞いて欲しくないのは分かっているのに、何故かとても気になる。
「……気にするな」
「でも……わたししか出来ないのでしょう?」
わたしは食い下がった。
「……お前がもっと大人になった時……その時にお願いするとしよう」
「そんな何年も先まで待っていても大丈夫なのですか?」
「………ああ、問題ない」
「……………ターナ?」
何故か北の領地でのお祖母様の言葉を思い出した。
『そう……でもね、アイシャ貴女に何度も会いに行こうとして脱走していたの……ターナは少しずつ狂っていったの……自分は悪くない、悪いのはお姉様だと、暗示を自分にかけて……もう正常ではなくなってるの。屋敷で普段大人しくして過ごしているのに突然暴れ出したりして……』
『リサもターナもそしてハイドもみんな幸せにはなれなかった……自業自得ね。
アイシャ、貴女は自分の道を行きなさい。もう家族に囚われる必要はないのよ』
わたしはターナをこのまま見捨ててしまっていいのだろうかと悩みつつ、お祖母様に何も言わなかった。
何故かターナの話を聞いた時引っかかった。
「暗示……」
わたしはお祖父様の顔を見た。
「ターナは暗示をかけた…もしかして黒魔法?」
「……気にしなくていい、早く部屋に帰りなさい」
お祖父様はわたしを部屋から追い出そうとした。
「お祖父様、教えてください、ターナは黒魔法を使ったのですか?そして闇に捕まってしまった?」
「………わたしが口が滑った。気にするな」
「嫌です!ターナは我儘なところはありました。でも甘えん坊で寂しがり屋な子だったんです。あそこまで酷くなったのは……」
「ターナはエレン・プラザに黒魔法をかけられていたんだ。…………あの女は魔力はなかったのだが、あの女に傾倒していた男が頼まれてターナに黒魔法をかけてしまった。
ターナが治験者としてわたしのところに来た時にはわからなかった。治験をしていく中であの子はどんどん闇の中へと飲み込まれていった。気がついた時には遅すぎたんだ。
治験をやめても遅かった……あれを助けることは癒しの魔法でも医学でも無理だ。
お前がもつ光魔法なら、あるいは助けることが出来るかもしれない。だが今のお前の技術では……なのにわたしは思わず……すまない、年寄りの戯言だから今は聞き流してくれ」
「ターナはもしかしたら元のターナに戻るのですか?」
「……わからない、お前は滅多にいない無属性だ。お前ならば……いや、リサの時にも辛い思いをさせたのに、もうこれ以上関わる必要はない。わたしがバカなことを言ったすまなかった」
お祖父様はこれ以上は話すつもりはないと、わたしを部屋から追い出した。
何故か物足りなさを感じ始めた。
お母様を治療する間、必死で癒しの魔法や消去魔法を覚えた。
たくさんの医学書を夜中まで読んで、必死だった。
ーー学園に通うよりわたしはもっと医術の魔法の勉強をしたい。
友達に毎日会えることは楽しい。
でもそれ以上にもっと充実感のある日々を送りたい。
わたしはお祖父様にお願いをした。
「学園を辞めてイルマナ様の所で勉強をしたいと思うのです」
「あと2年と少し、学園を卒業してからでもいいのではないのか?」
「確かにそれが貴族令嬢としては大事なことだと思います。でも、わたしはもっと技術を上げて助けられる人を増やしたいのです」
貴族令嬢は、学園を卒業したら、婚約者と結婚するのが当たり前の世界だ。
でもわたしにはまだ婚約者はいない。
お祖父様が無理して婚約する必要はないと言ってくれていた。
お母様のように、結婚しても仕事を続ける人はまだこの国では珍しい。
でも……わたしも家庭に入るよりも働きたい。
せっかくみんなよりも沢山の魔力もありいろんな魔法を使えるのに、結婚して何もしないなんて……
後悔する人生は送りたくない。
好きだった人も今はこの国にいない。
だから結婚なんて興味もない。学園に通うより少しでも魔法の技術を上げて、人の為に過ごしたい。
前世のわたしのように心臓病で亡くなる人を減らしたい。
お母様のように悪性腫瘍で苦しむ人を減らしたい。
わたしはお祖父様に何度もお願いをした。
ずっと顔を顰めて首を縦にふってはもらえない。
それでも、わたしは諦めずに何度もお祖父様にお願いをし続けた。
「アイシャがそんなに魔術の医者になりたいのなら、これから人を助けたいと思うのならば、わたしが今から言うことを乗り越えて見ろ」
「わたしに出来ることならやります」
「……お前にしか出来ない人助けだ。本当はお前が大人になって自分でそうしたいと思うまで待つつもりだった……いや……すまない、やはりやめよう」
お祖父様はいつもあんなに堂々としているのに、自分で言っておきながら突然話すのを戸惑ってしまった。
「………?」
「わたしは酷い奴だ。アイシャ、すまない。この話はなかったことにしてくれ」
「……お祖父様?」
「お前の気持ちは分かった。だが学園を辞めるのではなく通いながらイルマナの所へ通えばよかろう」
お祖父様はやはり学園を辞めることだけは認めてくれなかった。でもイルマナ様のところへ行くことは認めてくれた。
「わかりました、お祖父様がそう仰るなら、学園は卒業します。出来るだけ頑張って早く卒業してみせます」
わたしは納得するしかなかった。お祖父様の気持ちもわかるから……でもお祖父様はわたしに何をして欲しかったのだろう。
わたしにしか出来ない人助け……
「お祖父様……わたしにしか出来ない人助けとは一体何でしょう?やはり気になります」
本当は聞いて欲しくないのは分かっているのに、何故かとても気になる。
「……気にするな」
「でも……わたししか出来ないのでしょう?」
わたしは食い下がった。
「……お前がもっと大人になった時……その時にお願いするとしよう」
「そんな何年も先まで待っていても大丈夫なのですか?」
「………ああ、問題ない」
「……………ターナ?」
何故か北の領地でのお祖母様の言葉を思い出した。
『そう……でもね、アイシャ貴女に何度も会いに行こうとして脱走していたの……ターナは少しずつ狂っていったの……自分は悪くない、悪いのはお姉様だと、暗示を自分にかけて……もう正常ではなくなってるの。屋敷で普段大人しくして過ごしているのに突然暴れ出したりして……』
『リサもターナもそしてハイドもみんな幸せにはなれなかった……自業自得ね。
アイシャ、貴女は自分の道を行きなさい。もう家族に囚われる必要はないのよ』
わたしはターナをこのまま見捨ててしまっていいのだろうかと悩みつつ、お祖母様に何も言わなかった。
何故かターナの話を聞いた時引っかかった。
「暗示……」
わたしはお祖父様の顔を見た。
「ターナは暗示をかけた…もしかして黒魔法?」
「……気にしなくていい、早く部屋に帰りなさい」
お祖父様はわたしを部屋から追い出そうとした。
「お祖父様、教えてください、ターナは黒魔法を使ったのですか?そして闇に捕まってしまった?」
「………わたしが口が滑った。気にするな」
「嫌です!ターナは我儘なところはありました。でも甘えん坊で寂しがり屋な子だったんです。あそこまで酷くなったのは……」
「ターナはエレン・プラザに黒魔法をかけられていたんだ。…………あの女は魔力はなかったのだが、あの女に傾倒していた男が頼まれてターナに黒魔法をかけてしまった。
ターナが治験者としてわたしのところに来た時にはわからなかった。治験をしていく中であの子はどんどん闇の中へと飲み込まれていった。気がついた時には遅すぎたんだ。
治験をやめても遅かった……あれを助けることは癒しの魔法でも医学でも無理だ。
お前がもつ光魔法なら、あるいは助けることが出来るかもしれない。だが今のお前の技術では……なのにわたしは思わず……すまない、年寄りの戯言だから今は聞き流してくれ」
「ターナはもしかしたら元のターナに戻るのですか?」
「……わからない、お前は滅多にいない無属性だ。お前ならば……いや、リサの時にも辛い思いをさせたのに、もうこれ以上関わる必要はない。わたしがバカなことを言ったすまなかった」
お祖父様はこれ以上は話すつもりはないと、わたしを部屋から追い出した。
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