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離縁してください
【13】
しおりを挟む✴︎✴︎ ✴︎✴︎ソニア殿下✴︎✴︎✴︎✴︎
「お父様ぁ、アレックがわたしを愛していると言ってくれたの!」
お父様に瞳をうるうるしながら訴えた。
「だから、ねっ?もうお嫁にはいけないわ。婚約解消してもいいわよねっ?
シルビアは男好きでこの王城で男たちと遊んでいるらしいの。それに仕事もせずサボってばかりで男たちに気に入られるためにお菓子を作って配っているのですって!
アレックはそんなシルビアに愛想をつかしてもう屋敷にも帰っていないみたい」
お父様はもう我儘は聞かないと言ったけど、アレックがわたしを望んでくれているんだもの。これは我儘じゃなくて本当のことを言っているだけだわ。
きっと婚約は解消されるわ、やっとアレックと幸せになれる。
「そうか……ソニアのことをアレックは愛しているのか?」
「ええ、もちろんよ。でも王命で結婚したからすぐに離縁は出来ないらしいの……王命を取り消してくださるわよね?」
甘えた声でお父様にお願いした。
「王命は取り消そう。この結婚は確かに間違いだった」
「ほんとぉ?嬉しい!お父様大好きよ!」
お父様に抱きついた。
お父様は優しく頭を撫でてくれた。
お母様はわたしをみて何も語らず優しく微笑んでくれた。
やっぱりお二人はわたしのことを一番愛してくれているわ。
お父様は「忙しいから話はまた今度きちんとしよう」と言ってくれた!
お兄様が「いい加減にしろ!」
なんて怖いことを言ったりするし、シルビアの事件のことをいち早くわたしが知っているのを怪しんでいたけど、わたしが大人しくしていたからもう何も言ってこない。
アレックだってシルビアを心配することもないし、屋敷に帰ろうともしない。
ずっとわたしのそばにいてくれるわ。
ただ、どんなにベッドに誘っても抱いてくれないし抱きしめてもくれない。
まだ一応結婚しているから仕方ないわ、不倫はよくないもの。
ああ、早くアレックとずっと一緒にいたいわ。
シルビアには……そうね、あの貧乏伯爵家に帰ってもらわなきゃ。
もう王城で働くなんて絶対嫌!アレックとわたしの目に見えない場所で一人寂しく暮らしてもらわなきゃ。
お父様から許可をもらった。
だからそのことをアレックに伝えた。
「アレック、お父様があなたとシルビアの結婚、王命は取り消すそうよ。よかったわね?離縁したらすぐに入籍しましょうね?
わたし侯爵夫人になるのよね?アレック、ドレスを何枚かプレゼントしてね?シルクじゃなきゃ嫌よ?デザイナーはわたしのお抱えにお願いするわ!
あなた色に染まったドレスを身に纏えるのよ?ふふっ、綺麗なわたしを見てね?
宝石はもちろんあなたの瞳と同じブルーサファイアを買ってね?
屋敷はあんな小さなところは嫌よ?シルビアが住んだところなんて絶対我慢ならないもの!
侯爵夫婦が住んでいるあの屋敷を譲ってもらいましょう!うん!それがいいわ!」
もう!アレックったら返事もしてくれない!わたしが一人でおしゃべりをしているみたいだわ!
「アレック?どうしたの?これからのわたし達のことを話しているのよ?」
「…………」
アレックは全く返事をしようとしないわ。
もう!大切な話なのに!
「アレック?お父様が離縁はすぐに出来るようにしてくれたのよ?もうあんな取り柄もない貧乏で男好きの女と別れられるのよ?嬉しいでしょう?ずっと愛してもいない女と結婚しているのは苦痛でしかないものね?」
わたしはアレックの頬にそっと触れた。
この顔もこの体も全てわたしのものになる。
そう思うだけで幸せだわ。
「わたしの全てをあなたにあげるわ」
アレックの首に腕を回した。
「あなたを愛しているわ」
アレックを見つめながら優しく囁いた。
「……………てない」
「えっ?」
よく聞こえないわ。
「俺は………してない!」
「なぁに?」
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