【完結】あなたとの離縁を目指します

たろ

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二度目の人生にあなたは要らない。離縁しましょう。

【11】

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 ミーナとこの城を出るために、ミーナは何度か城を出て街へと出かけてくれた。

 まずは先立つものは『お金』!
 わたしのために用意されていたちょっと趣味が微妙な宝石を売りに行ってくれた。

 さすが王妃が選んでくださったもの。趣味は悪くてもそれなりのお金になった、とミーナが教えてくれたわ。

 あとは花火の打ち上げられる中、こっそりこの城を抜け出すだけ。
 王妃様にはとりあえず最後になる癒しの魔法が数ヶ月は持つようにと、魔法石に魔力を込めたものを手紙と一緒に置いておくことにした。

 色々思うところはあるけど、王妃様が選んでくれた宝石のおかげで暫く生きていける。
 それに最近は暴力も減り接しやすくなっていた。情が湧くことはないけど、憎むほどでもない。

 マルセル殿下にはお礼の手紙だけ書いておいた。

 最近は話し相手になってくれてよくお茶やお菓子をご馳走になっていた。彼のおかげで最近の侍女や使用人達から受ける態度もかなり良い方向へと向かい、食事も改善されて生活しやすくなっていた。

 そしてレンも、わたしの仕事量に不信感を抱き「王妃様の分まで仕事が回っていたのですね」と理解され、わたしがいつも疲れている理由を納得した。

 そして気がつけば仕事の量もわたしがしなくても大丈夫なものは文官達に振ることで、かなり楽になった。


「レン、ありがとう」

「こちらこそあなた一人に過大な仕事を振ってしまっていたようで申し訳ありません」

「あ、あの、セデンはいま………「セデン殿下はただいま仕事が忙しくなかなかイリアナ様にお会いできなくて申し訳ないと伝えて欲しいと言われております」

「……そう……体を壊さなければいいのだけど……」

「お元気ではあります……」

「わかったわ……」

 ーーアイリーン様は……

 その言葉を言わずに飲み込んだ。

 セデンがわたしと会おうとしないのはなぜ?
 聞きたいのに、『忙しい』と言う言葉だけで毎回はぐらかされてしまう。

 噂は耳にしている。
 セデンは今王太子として他国との交渉で外国へ訪問したり、会談したりと忙しいのは本当みたい。

 それでも同じ空間にいるのだから……会えるはずなのに……

 一度彼の部屋の前を歩いたけど、扉をノックする勇気はなくそのまま通り過ぎてしまった。

 きちんと離縁を申し込んでお別れをしたい。だけどもう少しすればアイリーン様が宰相やレン達に見出され、セデンの妻として求められることになるのだから。
 そして二人は愛し合い、わたしは邪魔者になる。

 明日は……いよいよ花火打ち上げの日。

 わたしは夜な夜なミーナと魔法で飛ぶ練習をした。最初は怖がっていたミーナももう慣れてきた。これならなんとか抜け出せそう。

 街まで行けば、場所の手配もしてくれている。あとは乗り継いでマルワ国へ向かう。
 そしてその途中にあるリンデの森へ。

 旅の途中にオーグと連絡が取れたらいいけど。リンデの森に入れば森の妖精がオーグのところへ案内してくれるだろう。

 だからその場所まで行けば……



「おはようございます。マルセル殿下、今日はいいお天気ですね。花火も綺麗に見えるでしょうね」

「うん、この日のために準備もしてきたからね。イリアナ妃も楽しみにしてくれているんだね?」

「わたしですか?」
 思わずドキッとした。わたしは花火ではなくこの城から逃げ出せることを喜んでいた。

「ああ、だってニコニコしてるよ?」

「花火……は生まれて初めて見ます。だからとても興味がありますわ」

「マルワ国では打ち上げられたことはないの?」

「…………あります……ただ、わたしは見させてもらえなかっただけです……」

「……見させてもらえないって?どうして?」
 幸せな日々を過ごしてきたマルセル殿下やセデン、それにレン達にはわからないだろう。

 わたしが受けてきた苦しみなんて……ここでは酷い目には遭っていないかもしれないけど、食事はまともなものは食べさせてもらえないし、ミーナ以外がわたしに関わりたくないのだろう。使用人達ですらあまりわたしに接してこない。
 ある意味王妃様が一番わたしに接してくれているかもしれない。

「わたしが無能だからですかね?妹のマルチナは聖女と呼ばれるほどの癒しの力を持っていました。わたしはほんのわずかだけ………この国の人たちにはご迷惑ばかりで……」



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