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二度目の人生にあなたは要らない。離縁しましょう。
【15】
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わたしを誰かが操ってる……?わたしもその声に惹きつけられて……ベランダの手摺りを乗り越えて飛び降りてしまった……
ーー今度は幸せになりたい……
「イリアナ!」
あなたの声なんて聴きたくない!なのに……わたしは彼の声で正気に戻された。
「セデン………」
ーー気持ち悪い!あなたがわたしの名前を呼ばないで!
あと少しで地面…に激突するはずだったのに…彼の声が……
わたしは魔力で体を浮かせた。
「イリアナ………イリアナぁ!」
ベランダの手摺りから覗き込んでわたしの名を呼ぶセデン。
「あなたに名前を呼ばれたくはないわ」
地面に立つとベランダを見上げ冷たい声が出てしまった。
巻き戻ってからあなたはわたしに会おうとしなかった。
あと少しでここを出ようとしているのに、今更何のようなの?
「……すまない……」
ーーあっ、花火がどんどん上がり始めた。
彼の声が掻き消される。
セデンの後ろにミーナが現れた。
ミーナは笑顔でセデンに近づき二人は微笑み合った。そしてミーナはセデンに抱きついた。
そしてセデンもミーナを優しく抱きしめた。
二人はわたしに見せつけるように抱き合い、キスを始めた。
目を見開き固まったままのわたしに向けてミーナは嗤う。
ミーナは今まで見たことがない顔だった。
優しく尽くしてくれるミーナではなく嘲り馬鹿にするみんなと同じ表情でわたしを見ていた。
セデンの顔は見えない。ちょうどわたしに背を向けていた。
わたしは二人から背を向けて体を宙に浮かし城を出ることにした。
何も持たずに……着の身着のまま……
まだ換金していないいくつかの宝石だけは服のポケットに入れて旅立つ準備をしていた。
ーーよかった。これでなんとかオーグのところへ行けるわ。
城を出て街の近くに着くとひと気の少ないところにおりた。
みんな花火を見て目を輝かせている。すごい人混み……かなり賑わっているけど、ここからどうすればいいのかわからない。
ミーナが全て動いてくれていた。馬車もどこかに待っていてくれているはず。荷物だってその馬車に事前にいくつか積んでいた。お金もミーナが持っていてくれた。
生まれた時から城の中で育ち、結婚してからもジョワンナ国の城の奥の部屋で過ごしてきた。
ほとんど外に出たことがない。オーグがこっそり連れ出してくれなければ空の青さも澄んだ空気も知らずに育っていた。
可愛い動物達と触れ合うことができたのもオーグのおかげ。妖精たちと友達になれたのもあのリンデの森へ遊びに行ったから。
わたしは王女なのに……王太子妃なのに……一人では何もできない。
「おい!危ないだろう!ボーッと突っ立って何してるんだ!」
「どけどけ!」
たくさんの人が行き交う中、どうしていいのか戸惑っていると邪魔になるのだろう。怒られてしまった。
仕方なく人波に流されるようにとりあえず歩く。
こんなにたくさんの人達の中にいるのは初めてで、いろんな話し声が聞こえてきたり、笑ったり怒ったりしている人たちを見ていて不思議な感覚を覚えた。
ーーわたしは今生きているのね。
初めて『生きているんだ』と実感が湧いた。いつも同じ場所しか移動しない生活。会う人も1日の行動も変わり映えしない生活だったな。
でも今は不思議なほど息がしやすい。
これからどうしたらいいのかすらわからないのに。
ミーナはわたしを裏切ったの?セデンはどうしてわたしに会いにきたの?そのあと二人はどうして……抱き合ってキスをしていたの?
アイリーン様の声を聞いてわたしの意識はおかしくなった。
巻き戻す前のわたしの意識も……さっきのベランダの手摺りから飛び越えた時と同じような感覚だった。まるで誰かに操られているかのような……
抵抗できたのはセデンのおかげ?それともわたし自身が抵抗していたの?
わからない。だけどわたしはあそこにいればまたおかしくなる。
だけど……あそこにいた、ミーナ達もおかしくなっているの?
また足が止まった。
「おら、どけよ!」
「危ないだろう!」
「……すみません」
ーーあっ……また怒られた。
街に出たことがないわたしは周りに迷惑をかけている。
キョロキョロまわりを見回すと遠くに公園を見つけた。
とりあえずその場所へ行こう。
人波に流されながらもなんとか公園へ辿り着いた。公園にもたくさんの人がいるけど立ち止まっても叱られることはなさそう。
夜のこの時間、今はたくさんの人がいるけど花火が終われば皆家に帰るのだろう。
わたし……どうしよう……
本当にどうしていいのかわからず佇んでしまった。
ーー今度は幸せになりたい……
「イリアナ!」
あなたの声なんて聴きたくない!なのに……わたしは彼の声で正気に戻された。
「セデン………」
ーー気持ち悪い!あなたがわたしの名前を呼ばないで!
あと少しで地面…に激突するはずだったのに…彼の声が……
わたしは魔力で体を浮かせた。
「イリアナ………イリアナぁ!」
ベランダの手摺りから覗き込んでわたしの名を呼ぶセデン。
「あなたに名前を呼ばれたくはないわ」
地面に立つとベランダを見上げ冷たい声が出てしまった。
巻き戻ってからあなたはわたしに会おうとしなかった。
あと少しでここを出ようとしているのに、今更何のようなの?
「……すまない……」
ーーあっ、花火がどんどん上がり始めた。
彼の声が掻き消される。
セデンの後ろにミーナが現れた。
ミーナは笑顔でセデンに近づき二人は微笑み合った。そしてミーナはセデンに抱きついた。
そしてセデンもミーナを優しく抱きしめた。
二人はわたしに見せつけるように抱き合い、キスを始めた。
目を見開き固まったままのわたしに向けてミーナは嗤う。
ミーナは今まで見たことがない顔だった。
優しく尽くしてくれるミーナではなく嘲り馬鹿にするみんなと同じ表情でわたしを見ていた。
セデンの顔は見えない。ちょうどわたしに背を向けていた。
わたしは二人から背を向けて体を宙に浮かし城を出ることにした。
何も持たずに……着の身着のまま……
まだ換金していないいくつかの宝石だけは服のポケットに入れて旅立つ準備をしていた。
ーーよかった。これでなんとかオーグのところへ行けるわ。
城を出て街の近くに着くとひと気の少ないところにおりた。
みんな花火を見て目を輝かせている。すごい人混み……かなり賑わっているけど、ここからどうすればいいのかわからない。
ミーナが全て動いてくれていた。馬車もどこかに待っていてくれているはず。荷物だってその馬車に事前にいくつか積んでいた。お金もミーナが持っていてくれた。
生まれた時から城の中で育ち、結婚してからもジョワンナ国の城の奥の部屋で過ごしてきた。
ほとんど外に出たことがない。オーグがこっそり連れ出してくれなければ空の青さも澄んだ空気も知らずに育っていた。
可愛い動物達と触れ合うことができたのもオーグのおかげ。妖精たちと友達になれたのもあのリンデの森へ遊びに行ったから。
わたしは王女なのに……王太子妃なのに……一人では何もできない。
「おい!危ないだろう!ボーッと突っ立って何してるんだ!」
「どけどけ!」
たくさんの人が行き交う中、どうしていいのか戸惑っていると邪魔になるのだろう。怒られてしまった。
仕方なく人波に流されるようにとりあえず歩く。
こんなにたくさんの人達の中にいるのは初めてで、いろんな話し声が聞こえてきたり、笑ったり怒ったりしている人たちを見ていて不思議な感覚を覚えた。
ーーわたしは今生きているのね。
初めて『生きているんだ』と実感が湧いた。いつも同じ場所しか移動しない生活。会う人も1日の行動も変わり映えしない生活だったな。
でも今は不思議なほど息がしやすい。
これからどうしたらいいのかすらわからないのに。
ミーナはわたしを裏切ったの?セデンはどうしてわたしに会いにきたの?そのあと二人はどうして……抱き合ってキスをしていたの?
アイリーン様の声を聞いてわたしの意識はおかしくなった。
巻き戻す前のわたしの意識も……さっきのベランダの手摺りから飛び越えた時と同じような感覚だった。まるで誰かに操られているかのような……
抵抗できたのはセデンのおかげ?それともわたし自身が抵抗していたの?
わからない。だけどわたしはあそこにいればまたおかしくなる。
だけど……あそこにいた、ミーナ達もおかしくなっているの?
また足が止まった。
「おら、どけよ!」
「危ないだろう!」
「……すみません」
ーーあっ……また怒られた。
街に出たことがないわたしは周りに迷惑をかけている。
キョロキョロまわりを見回すと遠くに公園を見つけた。
とりあえずその場所へ行こう。
人波に流されながらもなんとか公園へ辿り着いた。公園にもたくさんの人がいるけど立ち止まっても叱られることはなさそう。
夜のこの時間、今はたくさんの人がいるけど花火が終われば皆家に帰るのだろう。
わたし……どうしよう……
本当にどうしていいのかわからず佇んでしまった。
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