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二度目の人生にあなたは要らない。離縁しましょう。
【16】
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行くところもなくてただ佇んでいた。
だけど空には綺麗な色とりどりの花火が上がっていて周りの歓声が聞こえる。
ーーとりあえず花火を見よう。
どこにも泊まることができなければ公園の奥の森の中に行けば、眠るところくらいあるかもしれないわ。
オーグとよく夜空の下で眠ったことがあったもの。魔法に守られてはいたけど。
「綺麗……」
思わず声が出た。花火の美しさに今度は魅了されない。死にたいなんて思わない。
生きたい。お腹にいる赤ちゃんと二人生きていきたい。
「おい、姉ちゃん、あんた一人で何やってんだよ?」
知らないおじさんから話しかけられた。顔が近づいてくるとお酒の匂い……酔っ払っているみたい。
「いえ、待ち合わせをしているんです」
「へぇ、あんたずっと一人でポツンとしていただろう?知ってるんだぜ、今夜泊まるところがないんならうちに来い」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。もうすぐきてくれると思いますから」
とりあえず笑って誤魔化すことにした。なのにおじさんはわたしの腕を掴むと「ほら行くぞ」とニヤニヤと笑い引っ張って連れて行こうとする。
周りの人たちはわたし達の様子をチラチラと見てはいるけど誰も助けてくれようとはしない。
関わり合いたくないのだろう、目を逸らして足早に去っていく。
ーーうーん、ここで振り払って飛んでいくのも一つだけど、魔法があまり浸透していないこの国では怖がられて怪しまれてしまう。
仕方なく軽くあしらってその場を離れようとした。
「おじさん、わたしはもうすぐお父さんが迎えにきますのでついては行けないのです。ごめんなさい」
「嘘つきはダメだぞ。ほら俺の家へ行こう。何にもしないから、ちょっと一緒に眠るだけだから、な?」
おじさんはわたしの体を舐め回すように見ている。
ーーはあぁ、いくら世間知らずでも簡単にはついては行かないわ。
押し問答の末、わたしは思わずおじさんの腕を思いっきり振り払った。
「お前、いてぇじゃないか!あぁっ!」
「すみません。でも痛くないと思いますよ?」
ーーだって振り払った瞬間癒しの魔法をかけたんだもの。
「こんなことされたんだ。金をいくらか払ってもらわなきゃ気がおさまらない」
「えっ?でもあなたが無理やり連れて行こうとしたんじゃないですか?」
「俺は親切心で泊めてやると言ったんだ!それを振り払うなんて!ふざけるな!このクソ女!」
おじさんは腕を振り上げてわたしを殴ろうとした。叩かれるのは慣れている。だけどお腹の赤ちゃんに何かあっては嫌だ!そう思って思いっきり避けると、酔ったおじさんは足をふらつかせ転んでしまった。
顔から転んで血だらけで……
ーーわぁ、これはまずいかしら?
「……お、おじさん……?」
「いってぇーー」
大騒ぎを始めは見て見ぬ振りをしていた人たちもわたし達に注目し始めた。
わたし城を逃げ出したばかりなのに……どうしたらいいのかしら?騒ぎは避けたかったのに。
「おじさん……痛いですか?」
「当たり前だろう?親切心で声をかけたのにこんな大怪我させられて、治療費を払え!」
「治療費を払うお金は持っていないので代わりに治療させてください」
本当はここで治療なんてしたくない。だけどこの場をなんとかするにはこれしかない。
おじさんの体に優しく手をかざし魔力を流す。
「…………へっ?う、うわっ、痛くない!お前、魔女だろう?うわあああ、こんなところに魔女がいる!!」
周りの視線がわたしに集中した。
ーーもう無理。
わたしは逃げるように空へ向かって飛んだ。
最後の花火がたくさん上がる。みんなが空を見上げている中、空を飛んだ。
『魔女だ』
そんな声が聞こえてきた。
おじさん、せめて癒しの魔力を使ったのだから、聖女と言って欲しい。言われたことはないけど……
そんなことを思いながらわたしは公園の奥の森へと逃げ込んだ。
「はああ、城からの脱出……ここまで計画通りに全く行かなかったわ……」
もうため息しか出ない。
疲れてこのまま寝てしまいたい。
大きな木の幹の根元に横になり目を閉じた。
オーグといつも空を見ながらこうして過ごした。懐かしい思い出。わたしのお父さん。
ーーオーグ、会いたい……
だけど空には綺麗な色とりどりの花火が上がっていて周りの歓声が聞こえる。
ーーとりあえず花火を見よう。
どこにも泊まることができなければ公園の奥の森の中に行けば、眠るところくらいあるかもしれないわ。
オーグとよく夜空の下で眠ったことがあったもの。魔法に守られてはいたけど。
「綺麗……」
思わず声が出た。花火の美しさに今度は魅了されない。死にたいなんて思わない。
生きたい。お腹にいる赤ちゃんと二人生きていきたい。
「おい、姉ちゃん、あんた一人で何やってんだよ?」
知らないおじさんから話しかけられた。顔が近づいてくるとお酒の匂い……酔っ払っているみたい。
「いえ、待ち合わせをしているんです」
「へぇ、あんたずっと一人でポツンとしていただろう?知ってるんだぜ、今夜泊まるところがないんならうちに来い」
「ありがとうございます。でも大丈夫です。もうすぐきてくれると思いますから」
とりあえず笑って誤魔化すことにした。なのにおじさんはわたしの腕を掴むと「ほら行くぞ」とニヤニヤと笑い引っ張って連れて行こうとする。
周りの人たちはわたし達の様子をチラチラと見てはいるけど誰も助けてくれようとはしない。
関わり合いたくないのだろう、目を逸らして足早に去っていく。
ーーうーん、ここで振り払って飛んでいくのも一つだけど、魔法があまり浸透していないこの国では怖がられて怪しまれてしまう。
仕方なく軽くあしらってその場を離れようとした。
「おじさん、わたしはもうすぐお父さんが迎えにきますのでついては行けないのです。ごめんなさい」
「嘘つきはダメだぞ。ほら俺の家へ行こう。何にもしないから、ちょっと一緒に眠るだけだから、な?」
おじさんはわたしの体を舐め回すように見ている。
ーーはあぁ、いくら世間知らずでも簡単にはついては行かないわ。
押し問答の末、わたしは思わずおじさんの腕を思いっきり振り払った。
「お前、いてぇじゃないか!あぁっ!」
「すみません。でも痛くないと思いますよ?」
ーーだって振り払った瞬間癒しの魔法をかけたんだもの。
「こんなことされたんだ。金をいくらか払ってもらわなきゃ気がおさまらない」
「えっ?でもあなたが無理やり連れて行こうとしたんじゃないですか?」
「俺は親切心で泊めてやると言ったんだ!それを振り払うなんて!ふざけるな!このクソ女!」
おじさんは腕を振り上げてわたしを殴ろうとした。叩かれるのは慣れている。だけどお腹の赤ちゃんに何かあっては嫌だ!そう思って思いっきり避けると、酔ったおじさんは足をふらつかせ転んでしまった。
顔から転んで血だらけで……
ーーわぁ、これはまずいかしら?
「……お、おじさん……?」
「いってぇーー」
大騒ぎを始めは見て見ぬ振りをしていた人たちもわたし達に注目し始めた。
わたし城を逃げ出したばかりなのに……どうしたらいいのかしら?騒ぎは避けたかったのに。
「おじさん……痛いですか?」
「当たり前だろう?親切心で声をかけたのにこんな大怪我させられて、治療費を払え!」
「治療費を払うお金は持っていないので代わりに治療させてください」
本当はここで治療なんてしたくない。だけどこの場をなんとかするにはこれしかない。
おじさんの体に優しく手をかざし魔力を流す。
「…………へっ?う、うわっ、痛くない!お前、魔女だろう?うわあああ、こんなところに魔女がいる!!」
周りの視線がわたしに集中した。
ーーもう無理。
わたしは逃げるように空へ向かって飛んだ。
最後の花火がたくさん上がる。みんなが空を見上げている中、空を飛んだ。
『魔女だ』
そんな声が聞こえてきた。
おじさん、せめて癒しの魔力を使ったのだから、聖女と言って欲しい。言われたことはないけど……
そんなことを思いながらわたしは公園の奥の森へと逃げ込んだ。
「はああ、城からの脱出……ここまで計画通りに全く行かなかったわ……」
もうため息しか出ない。
疲れてこのまま寝てしまいたい。
大きな木の幹の根元に横になり目を閉じた。
オーグといつも空を見ながらこうして過ごした。懐かしい思い出。わたしのお父さん。
ーーオーグ、会いたい……
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