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離縁してあげますわ!
【13】
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仕事が忙しいことに感謝をしたのは今回が初めてかもしれない。
殿下からのダメ出しで手直しをした。気がつけば朝までみんなで過ごした日もあった。
「アリア様、ご主人に叱られませんか?」
オズマンが心配そうに聞いてきた。
うん、ここ最近仮眠室か職場でしか生活していない。
流石に周りに心配され始めた。
そろそろみんなに伝えるべき?
「うーん………わたしハンクスと離縁したの。だから屋敷に帰らなくても大丈夫なの」
「えっ?」
「うそっ?」
「やっぱり⁈」
う、うん?やっぱり?
わたしがその声の方へと視線を向けるとバツが悪そうに顔を背けた部下。
「気がついてた?」
「あーー、いや、ただ、カラ元気?に見えていたので」気不味そうに部下が返事をした。
「そっか、元気に明るく仕事をしようと思って頑張ってたつもりだったけどわかっちゃうものなのね」
「え?気づきませんでしたよ?」
何人かはそう言ってくれた。
「わたし、一応書類上、子爵位だけは残っているの。だからまだ貴族として生きていくことになると思う。仕事の能力に爵位は要らないと思ってはいるけど、上のお方達は爵位でしか人をみないから、あって損はないもの」
「確かに。王城勤めは爵位がものを言いますもんね」
みんな「うんうん」と頷いた。
ほんと、もっと実力がものを言う世界になって欲しい。それならわたしはもっともっと頑張るのに。
たぶんわたしは補佐以上の昇進はない。
こうして上の人たちからダメ出しをされながら必死で部下たちのお尻を叩いて仕事をしていくしかない。
そんな話をしていると
「アリアは実力でここまで這い上がってきたんだ。十分すごいと思うよ」
殿下が話に混ざってきた。
「殿下……」
話を聞かれていると思っていなくて思わず唖然としたけど、我に返った。
「あっ、あ、ありがとうございます」
「まぁいつも僕の下でうろちょろしていたアリアがここまできたんだ」
一言余計だと思う。思わず小さくチッと舌打ちしてしまった。
殿下はそれに気がついていたみたいで、チラッとわたしを横目で見てフッと笑った。
なんだかその笑顔が悔しい。
またつい負けず嫌いが出てしまう。
「アリアの離縁は一昨日許可されたよ」
わたしの方をポンっと叩いて耳打ちした殿下。
ギャザがハンクスから受け取った書類を提出したと連絡が来ていた。
離縁の承諾書を事前に準備していたとはいえやはり数日かかったようだ。
ああ、ハンクスと本当に離縁したんだ。
殿下の言葉を聞いて、実感が湧いてきた。
これからは一人。もうギャザたちと仲良く過ごすことはない。
帰ってこないハンクスを待つことも、また女の人と夜を過ごしているのだろうとやきもちを焼くこともなくなった。
愛していない、好きではない、もうハンクスのことなんてどうでもいい。
ずっとそう思うことでなんとか過ごしてきた。
だけどやっぱり初恋は簡単に忘れられず、なぜか心が痛い。
「アリア様?」
オズマンが驚いた顔をしてわたしを見た。
ふと気がつくとみんながわたしの顔を驚いた顔をして見つめていた。
「えっ?」
手に落ちる雫。
ーー涙?
自分では気づかなかった。
涙が出ていた。
恥ずかしさとそして苦しさからわたしは駆け出した。
どこへ行けばいいのかわからない。だけど泣いている姿を見られたくない。
強がって頑張っていたのに。
こんな弱い自分を他人に見られたくない。
廊下を走っているといきなり腕を掴まれた。
「アリア!」
聴き慣れた声。でも今は聴きたくない声。
「離して!触らないで!」
殿下に声を荒げてしまった。
「アリア!」
わたしは殿下の手を振り払い走り出そうとした。
すると殿下がわたしを抱きしめた。
◆ ◆ ◆
いつも読んでいただきありがとうございます。
【裏切られたあなたにもう二度と恋はしない】
久しぶりに辛く切ないお話を始めました。
よろしくお願いします。
殿下からのダメ出しで手直しをした。気がつけば朝までみんなで過ごした日もあった。
「アリア様、ご主人に叱られませんか?」
オズマンが心配そうに聞いてきた。
うん、ここ最近仮眠室か職場でしか生活していない。
流石に周りに心配され始めた。
そろそろみんなに伝えるべき?
「うーん………わたしハンクスと離縁したの。だから屋敷に帰らなくても大丈夫なの」
「えっ?」
「うそっ?」
「やっぱり⁈」
う、うん?やっぱり?
わたしがその声の方へと視線を向けるとバツが悪そうに顔を背けた部下。
「気がついてた?」
「あーー、いや、ただ、カラ元気?に見えていたので」気不味そうに部下が返事をした。
「そっか、元気に明るく仕事をしようと思って頑張ってたつもりだったけどわかっちゃうものなのね」
「え?気づきませんでしたよ?」
何人かはそう言ってくれた。
「わたし、一応書類上、子爵位だけは残っているの。だからまだ貴族として生きていくことになると思う。仕事の能力に爵位は要らないと思ってはいるけど、上のお方達は爵位でしか人をみないから、あって損はないもの」
「確かに。王城勤めは爵位がものを言いますもんね」
みんな「うんうん」と頷いた。
ほんと、もっと実力がものを言う世界になって欲しい。それならわたしはもっともっと頑張るのに。
たぶんわたしは補佐以上の昇進はない。
こうして上の人たちからダメ出しをされながら必死で部下たちのお尻を叩いて仕事をしていくしかない。
そんな話をしていると
「アリアは実力でここまで這い上がってきたんだ。十分すごいと思うよ」
殿下が話に混ざってきた。
「殿下……」
話を聞かれていると思っていなくて思わず唖然としたけど、我に返った。
「あっ、あ、ありがとうございます」
「まぁいつも僕の下でうろちょろしていたアリアがここまできたんだ」
一言余計だと思う。思わず小さくチッと舌打ちしてしまった。
殿下はそれに気がついていたみたいで、チラッとわたしを横目で見てフッと笑った。
なんだかその笑顔が悔しい。
またつい負けず嫌いが出てしまう。
「アリアの離縁は一昨日許可されたよ」
わたしの方をポンっと叩いて耳打ちした殿下。
ギャザがハンクスから受け取った書類を提出したと連絡が来ていた。
離縁の承諾書を事前に準備していたとはいえやはり数日かかったようだ。
ああ、ハンクスと本当に離縁したんだ。
殿下の言葉を聞いて、実感が湧いてきた。
これからは一人。もうギャザたちと仲良く過ごすことはない。
帰ってこないハンクスを待つことも、また女の人と夜を過ごしているのだろうとやきもちを焼くこともなくなった。
愛していない、好きではない、もうハンクスのことなんてどうでもいい。
ずっとそう思うことでなんとか過ごしてきた。
だけどやっぱり初恋は簡単に忘れられず、なぜか心が痛い。
「アリア様?」
オズマンが驚いた顔をしてわたしを見た。
ふと気がつくとみんながわたしの顔を驚いた顔をして見つめていた。
「えっ?」
手に落ちる雫。
ーー涙?
自分では気づかなかった。
涙が出ていた。
恥ずかしさとそして苦しさからわたしは駆け出した。
どこへ行けばいいのかわからない。だけど泣いている姿を見られたくない。
強がって頑張っていたのに。
こんな弱い自分を他人に見られたくない。
廊下を走っているといきなり腕を掴まれた。
「アリア!」
聴き慣れた声。でも今は聴きたくない声。
「離して!触らないで!」
殿下に声を荒げてしまった。
「アリア!」
わたしは殿下の手を振り払い走り出そうとした。
すると殿下がわたしを抱きしめた。
◆ ◆ ◆
いつも読んでいただきありがとうございます。
【裏切られたあなたにもう二度と恋はしない】
久しぶりに辛く切ないお話を始めました。
よろしくお願いします。
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