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離縁してあげますわ!
【23】
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「アリア、僕にチャンスを欲しいと言ったよね?」
「殿下、わたし今子供達の世話が忙しいのでそんなこと考える暇なんてありません」
「聞いてるよ、街の子達の世話をしているんだって?とてもいいことだと思う。本来なら僕たちがしなければならないことなのになかなかそこまで目が行き届かないのが本音だ。
親がいなければ孤児院や教会で世話をしてもらうように頼める。だけど親がいる子供にまで手は回らない」
「わたしもスレンが連れてくるまで孤児院や教会に寄付をすればいいと思っていました。今は知人や近所の人にも声をかけて服や靴、教科書とかも譲ってもらえるようにお願いしているところです。
ただ新しい服を買い与えてお金を渡しても親達は売ってしまうし、博打や借金の返済などに使ってしまいます。子供達には施しではなく生きていくため必要なもの以上は与えないことも大切なんだと知りました。それよりもやはり生きていくために知識を与えてあげることが一番なんです。
学校へ通えない子達のために少しでも字が読めるように、せめて自分の名前が書けるようにしてあげたいんです」
「……僕も顔出していいかな?」
「…………いい……わけないじゃないですか!迷惑ですよ!みんな殿下がいたら緊張して勉強にならないだろうし、大人達も不敬にならないかとビクビクしてしまいます」
「眼鏡と帽子、つけ髭、あとカツラ!全く違う格好で行くから!」
「眼鏡をかけたからって変わるわけじゃあるまいし、もう!やめてください!」
「目の前にいるだろう?眼鏡を外すとすごく変わる人……君はずっと眼鏡をかけているべきだよ。眼鏡を外した瞬間、君にいい顔するやつはたいてい人として最低なやつだからね?眼鏡をかけている君と付き合う人は、本当の君をちゃんとみてくれて君を好きな人だから、ね?わかった?」
「……………」
「アリア?聞いてる?」
「…………へんなことばかり言う殿下に呆れています」
何度となく断ったのに結局変装して屋敷にいる殿下。
周りは確かに気がついていない。
庶民が着る服にきちんと着替えてどこぞの商売人のような格好でくるのだもの。
「アリアちゃん、あのハルトさんって面白い人だね」
寮母のおばちゃんが殿下のことを気に入ってる。でもジークハルト殿下だとは気がついていない。
いつも仕事の時はクールで笑わない。でも普段の殿下は誰にでも笑顔で優しい対応。
ここでは、商売人のふりをしているとは言え、かなりの話術。
いろんな腹黒い人たちと渡り合っている殿下にとって相手に合わせて性格を変えるのはいつものこと。
だけどここにいる殿下は子供達といる時だけ、とても楽しそうに大きな声を出して笑っている。
だからあの殿下だと誰も思わない。
「アリアちゃんが自分の知人だと連れてきたのは職場以外の人ではハルトさんが初めてじゃない?どこで知り合ったの?」
「学生の時のライバルなんです……で………ハルトさんはどんなにわたしが頑張ってもいつもわたしより一つ上にいて、抜きたくても抜けなくて、毎回悔しい思いをした人なんです。
必死でわたしは頑張っているのに、向こうは飄々としていて大っ嫌いでした」
「あら?それって、アリアちゃん……ハルトさんのことをすっごく意識していたってことじゃない…………えっ………ええええ?アリアちゃんの唯一のライバルって……ジークハル…………ぐっ…うっ」
最後の殿下の名前を叫ぶのを口を塞いでやめさせた。
周りにはたくさんの人たちが勉強を教えにきているし、料理を作ってくれている人もいる。
もちろんわたし仕事仲間の人や寮に入っている人も。
普段殿下と関わりがある人もここにはきている。
変装しているから気がついていないのに、バレたらめんどくさい。
わたしとおばちゃんのやり取りが耳に入った人もいるけど、詳しくは誰も聞いていない。
ーーよかった。
「おばちゃん、あっちで話しましょう」
「ごめん、ごめん」
二人で屋敷の庭に出た。
「あのハルトさんはジークハルト殿下だよね?うまく変装してるからわからなかった」
「あーー、子供達を教えにきたいと言われたけど、殿下がいると色々面倒なことになるので断ったんです。そしたらちゃっかり変装してきたんです。知っているのは部下のオズマンとわたしだけなんです」
「アリアちゃんが殿下を意識していたのは話を聞いてわかっていたけど、殿下もやはりアリアちゃんを意識していたんだね」
「わたしが殿下を?」
おばちゃんの言っている意味がわからない。
「だって、うちの寮に入ってきた時か、最初の頃よく言ってたじゃない。どんなに頑張っても殿下を抜けない、一度でいいから勝ってみたいって。ずっと万年2位から脱出して殿下をギャフンと言わせたかったって、覚えていない?」
「それは………悔しいから。一度も勝てないんですもの」
「うん、もちろん負けず嫌いでそう言ってるのもあるのだろうけど、アリアちゃんが殿下の話をする時はとても楽しそうだったよ」
「楽しそう?」
あの頃の気持ち……?
「殿下、わたし今子供達の世話が忙しいのでそんなこと考える暇なんてありません」
「聞いてるよ、街の子達の世話をしているんだって?とてもいいことだと思う。本来なら僕たちがしなければならないことなのになかなかそこまで目が行き届かないのが本音だ。
親がいなければ孤児院や教会で世話をしてもらうように頼める。だけど親がいる子供にまで手は回らない」
「わたしもスレンが連れてくるまで孤児院や教会に寄付をすればいいと思っていました。今は知人や近所の人にも声をかけて服や靴、教科書とかも譲ってもらえるようにお願いしているところです。
ただ新しい服を買い与えてお金を渡しても親達は売ってしまうし、博打や借金の返済などに使ってしまいます。子供達には施しではなく生きていくため必要なもの以上は与えないことも大切なんだと知りました。それよりもやはり生きていくために知識を与えてあげることが一番なんです。
学校へ通えない子達のために少しでも字が読めるように、せめて自分の名前が書けるようにしてあげたいんです」
「……僕も顔出していいかな?」
「…………いい……わけないじゃないですか!迷惑ですよ!みんな殿下がいたら緊張して勉強にならないだろうし、大人達も不敬にならないかとビクビクしてしまいます」
「眼鏡と帽子、つけ髭、あとカツラ!全く違う格好で行くから!」
「眼鏡をかけたからって変わるわけじゃあるまいし、もう!やめてください!」
「目の前にいるだろう?眼鏡を外すとすごく変わる人……君はずっと眼鏡をかけているべきだよ。眼鏡を外した瞬間、君にいい顔するやつはたいてい人として最低なやつだからね?眼鏡をかけている君と付き合う人は、本当の君をちゃんとみてくれて君を好きな人だから、ね?わかった?」
「……………」
「アリア?聞いてる?」
「…………へんなことばかり言う殿下に呆れています」
何度となく断ったのに結局変装して屋敷にいる殿下。
周りは確かに気がついていない。
庶民が着る服にきちんと着替えてどこぞの商売人のような格好でくるのだもの。
「アリアちゃん、あのハルトさんって面白い人だね」
寮母のおばちゃんが殿下のことを気に入ってる。でもジークハルト殿下だとは気がついていない。
いつも仕事の時はクールで笑わない。でも普段の殿下は誰にでも笑顔で優しい対応。
ここでは、商売人のふりをしているとは言え、かなりの話術。
いろんな腹黒い人たちと渡り合っている殿下にとって相手に合わせて性格を変えるのはいつものこと。
だけどここにいる殿下は子供達といる時だけ、とても楽しそうに大きな声を出して笑っている。
だからあの殿下だと誰も思わない。
「アリアちゃんが自分の知人だと連れてきたのは職場以外の人ではハルトさんが初めてじゃない?どこで知り合ったの?」
「学生の時のライバルなんです……で………ハルトさんはどんなにわたしが頑張ってもいつもわたしより一つ上にいて、抜きたくても抜けなくて、毎回悔しい思いをした人なんです。
必死でわたしは頑張っているのに、向こうは飄々としていて大っ嫌いでした」
「あら?それって、アリアちゃん……ハルトさんのことをすっごく意識していたってことじゃない…………えっ………ええええ?アリアちゃんの唯一のライバルって……ジークハル…………ぐっ…うっ」
最後の殿下の名前を叫ぶのを口を塞いでやめさせた。
周りにはたくさんの人たちが勉強を教えにきているし、料理を作ってくれている人もいる。
もちろんわたし仕事仲間の人や寮に入っている人も。
普段殿下と関わりがある人もここにはきている。
変装しているから気がついていないのに、バレたらめんどくさい。
わたしとおばちゃんのやり取りが耳に入った人もいるけど、詳しくは誰も聞いていない。
ーーよかった。
「おばちゃん、あっちで話しましょう」
「ごめん、ごめん」
二人で屋敷の庭に出た。
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「あーー、子供達を教えにきたいと言われたけど、殿下がいると色々面倒なことになるので断ったんです。そしたらちゃっかり変装してきたんです。知っているのは部下のオズマンとわたしだけなんです」
「アリアちゃんが殿下を意識していたのは話を聞いてわかっていたけど、殿下もやはりアリアちゃんを意識していたんだね」
「わたしが殿下を?」
おばちゃんの言っている意味がわからない。
「だって、うちの寮に入ってきた時か、最初の頃よく言ってたじゃない。どんなに頑張っても殿下を抜けない、一度でいいから勝ってみたいって。ずっと万年2位から脱出して殿下をギャフンと言わせたかったって、覚えていない?」
「それは………悔しいから。一度も勝てないんですもの」
「うん、もちろん負けず嫌いでそう言ってるのもあるのだろうけど、アリアちゃんが殿下の話をする時はとても楽しそうだったよ」
「楽しそう?」
あの頃の気持ち……?
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