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嫌です。別れません
4話
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「あの女がここにくることは二度とない」
そうきっぱりと言い切ったダンに「ふうん」と冷たく答えるわたし。
「本当だ、あの女はもう切ったから大丈夫だ」
「そう……わたし、そろそろこの家を離れようと思うの」
「………なんで?」
動揺を隠さないダン。
「だって女の人が怒鳴り込んできてわたしが叩かれるのはまだ我慢できるけど、もしリオが叩かれたらどうするの?それに最近変な視線を感じるのよね?もちろんあなたには理由がわかっているのでしょう?、あなた?わたし?」
わたしは祖国から逃げて来た。
『聖女』と呼ばれあの国でずっと神殿の奥に囚われ、逃げ出すこともできずに幼い頃から過ごしてきた。
外の景色を見に行けるのは神殿の裏山にある薬草を採りに行く時だけ。
わたししか見つけ出せない薬草があるので、代わりがいなかった。おかげでたまに外の空気を吸うことができた。
そこで知り合ったのがダンだった。
裏山で大怪我をして倒れていたダン。
わたしが摘む薬草は女であるわたし一人しか通れないような道を歩いたりするので、体が大きな男性はついて来れない。
おかげでその時だけは一人っきりで過ごすことができる。
ていうか、わざとそんなところに薬草を採りにいつも行っていた。
誰かの視線を感じながら生活するのに疲れていた。
だけどあの神殿から逃げ出すことも考えたことはなかった。だって、どこへ行けばいい?逃げるところなんてない。
神殿と裏山しかわたしの知っている場所はなかったんだもの。
親もいない。兄弟もいない。友達もいない。
わたしが知っているのは神殿の人たちだけなんだもの。
そんな時、いつもの場所で薬草を採ろうとしたら血だらけで倒れているダンを見つけた。
わたしは「だ、大丈夫…?」と尋ねた。
たくさんの人を助けてきたわたしだけど、流石に血だらけで倒れている人を見るのは初めてで、どうしようかと迷ったけど、そっと近づくと息をしていた。
ただ、呼吸はとても弱くてこのままだと死んでしまうだろうとわかった。
周囲を見渡すと誰もいない。
「待ってて」
わたしはすぐに背中にからっていたカゴを置いて、「よし、わたしならできる!」と震える手を彼の体にあてた。
ここまで酷い怪我の治療はしたことがなかった。
少しずつ聖力を流し込む。少しずつ出血が止まる。
様子を見ながらまた聖力を流した。
呼吸が安定したのがわかる。
あんまり遅くなると神官が怪しんで神殿での生活が今以上に厳しくなるかもしれない。
あの人達はわたしに罰を与えるのを楽しみにしている。
「……ぐっ……うっ………」
「大丈夫?血は止まったはずよ?傷も酷いところは治したわ。体の中がかなり酷くてある程度治したけど、体の外に出てしまった血は回復はしていないの。だから貧血が酷いと思うからまだしばらくはじっとしていてね?」
わたしはカゴの中にある水の入った瓶と昼食用に持ってきたパンとりんごをダンの横においた。
ついでにスカートのポケットに隠して入れていたチョコレートを渡した。
「食べれるようになったら食べてね?」
わたしは彼から離れてすぐに薬草を摘んでカゴに入れると、走って神官のところへ戻った。
「遅いぞ!」
その後神殿に戻り、遅かった罰として食事をもらえなかった。
次の日の朝も、神官の一人が目の前でわたしの朝食のお盆をわざとに落とした。
丸一日食事をもらえずにフラフラしながら神殿の掃除をして、数人の貴族の治療をさせられた。
疲れて力が出ない。
バタッと倒れたわたしに一人の神官は、「ったく、手間がかかるな」と言ってわたしの片腕を持つと引き摺って部屋にバサっと入れられた。
わたしには聖力がある。だけど自分を治すことはできない。
床の上でそのまま倒れるように眠り続けるわたしに、誰かが優しく声をかけてきた。
「おい!」
こんな声知らない。
「おい!起きろ!」
誰かが優しくわたしを抱き抱えたのがわかる。
ーー誰?
そう聞きたいのに声が出ない。
体が重たくて怠い。
空腹の中掃除をして聖力まで使ったので身体が思うように動かない。
「俺なんか助けるからだ」
口が悪い言葉なのに不思議と優しさしか伝わってこない。
そしてしばらくすると目が覚めて、目の前にいたのは……
「…………誰?」
そうきっぱりと言い切ったダンに「ふうん」と冷たく答えるわたし。
「本当だ、あの女はもう切ったから大丈夫だ」
「そう……わたし、そろそろこの家を離れようと思うの」
「………なんで?」
動揺を隠さないダン。
「だって女の人が怒鳴り込んできてわたしが叩かれるのはまだ我慢できるけど、もしリオが叩かれたらどうするの?それに最近変な視線を感じるのよね?もちろんあなたには理由がわかっているのでしょう?、あなた?わたし?」
わたしは祖国から逃げて来た。
『聖女』と呼ばれあの国でずっと神殿の奥に囚われ、逃げ出すこともできずに幼い頃から過ごしてきた。
外の景色を見に行けるのは神殿の裏山にある薬草を採りに行く時だけ。
わたししか見つけ出せない薬草があるので、代わりがいなかった。おかげでたまに外の空気を吸うことができた。
そこで知り合ったのがダンだった。
裏山で大怪我をして倒れていたダン。
わたしが摘む薬草は女であるわたし一人しか通れないような道を歩いたりするので、体が大きな男性はついて来れない。
おかげでその時だけは一人っきりで過ごすことができる。
ていうか、わざとそんなところに薬草を採りにいつも行っていた。
誰かの視線を感じながら生活するのに疲れていた。
だけどあの神殿から逃げ出すことも考えたことはなかった。だって、どこへ行けばいい?逃げるところなんてない。
神殿と裏山しかわたしの知っている場所はなかったんだもの。
親もいない。兄弟もいない。友達もいない。
わたしが知っているのは神殿の人たちだけなんだもの。
そんな時、いつもの場所で薬草を採ろうとしたら血だらけで倒れているダンを見つけた。
わたしは「だ、大丈夫…?」と尋ねた。
たくさんの人を助けてきたわたしだけど、流石に血だらけで倒れている人を見るのは初めてで、どうしようかと迷ったけど、そっと近づくと息をしていた。
ただ、呼吸はとても弱くてこのままだと死んでしまうだろうとわかった。
周囲を見渡すと誰もいない。
「待ってて」
わたしはすぐに背中にからっていたカゴを置いて、「よし、わたしならできる!」と震える手を彼の体にあてた。
ここまで酷い怪我の治療はしたことがなかった。
少しずつ聖力を流し込む。少しずつ出血が止まる。
様子を見ながらまた聖力を流した。
呼吸が安定したのがわかる。
あんまり遅くなると神官が怪しんで神殿での生活が今以上に厳しくなるかもしれない。
あの人達はわたしに罰を与えるのを楽しみにしている。
「……ぐっ……うっ………」
「大丈夫?血は止まったはずよ?傷も酷いところは治したわ。体の中がかなり酷くてある程度治したけど、体の外に出てしまった血は回復はしていないの。だから貧血が酷いと思うからまだしばらくはじっとしていてね?」
わたしはカゴの中にある水の入った瓶と昼食用に持ってきたパンとりんごをダンの横においた。
ついでにスカートのポケットに隠して入れていたチョコレートを渡した。
「食べれるようになったら食べてね?」
わたしは彼から離れてすぐに薬草を摘んでカゴに入れると、走って神官のところへ戻った。
「遅いぞ!」
その後神殿に戻り、遅かった罰として食事をもらえなかった。
次の日の朝も、神官の一人が目の前でわたしの朝食のお盆をわざとに落とした。
丸一日食事をもらえずにフラフラしながら神殿の掃除をして、数人の貴族の治療をさせられた。
疲れて力が出ない。
バタッと倒れたわたしに一人の神官は、「ったく、手間がかかるな」と言ってわたしの片腕を持つと引き摺って部屋にバサっと入れられた。
わたしには聖力がある。だけど自分を治すことはできない。
床の上でそのまま倒れるように眠り続けるわたしに、誰かが優しく声をかけてきた。
「おい!」
こんな声知らない。
「おい!起きろ!」
誰かが優しくわたしを抱き抱えたのがわかる。
ーー誰?
そう聞きたいのに声が出ない。
体が重たくて怠い。
空腹の中掃除をして聖力まで使ったので身体が思うように動かない。
「俺なんか助けるからだ」
口が悪い言葉なのに不思議と優しさしか伝わってこない。
そしてしばらくすると目が覚めて、目の前にいたのは……
「…………誰?」
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