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嫌です。別れません
6話
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「リオ!危ないだろう!」
「ばあちゃ!だいじょうぶ!」
リオと魔女さんは会ってすぐに仲良しになった。
マントを着たリオは空を飛ぼうと箒に跨る。
「と、とべないの」
「飛べるわけがないだろう?リオには魔力がないんだから!」
「ぼく、ないの?」
うるうるした目でわたしを見るリオ。
「うーん、リオには難しいかな」
「いっぱい、たべてる!きらいなもの!」
「そうだね、人参さんもピーマンさんも食べてるものね」
「嫌いなもの食べたら魔法が使えるんなら魔法使いがゴロゴロいるよ」
鼻で『ふん!』っと鳴らしながら魔女さんが馬鹿にしながらリオに言うと、リオも負けていない。
「ばあちゃ!ぼく、とぶの!う、うわあああああああーーーーん!!」
わたしも魔女さんも手で耳を急いで塞いだ。
「ああああ、もう!リオ!欝陶しい子だね。わかったよ、あたしの前に乗りな!ほら、空を飛んでやるから!」
毎回毎回、そう言って結局魔女さんがリオを箒の前に乗せて空を飛んで回る。
あんな細い棒に二人で乗っても落ちないし、リオが横を向いたり後ろを向いたり、手を離しても落ちない。
魔女さんの魔法は本当に凄い。
わたしは聖力なので癒しの力が強い。だからどちらかと言うと防御や修繕修復の方が得意みたい。
壊れたものを直したり、敵からの攻撃を守ったりする魔法が使えるみたい。
空を飛んでいる二人を下から見上げながら大きく手を振る。
リオはわたしに向けて両手でブンブンと振っているけど、落ちない。
うん、魔女さん凄すぎ!
二人が空の散歩をしている間、わたしは部屋のお掃除をしたり昼食を作ったりしていた。
薬草もいつものように天日干ししてのんびりとした時間を過ごした。
ダンの家にいる時もたいして変わらない生活だったけど、あの頃はいつ帰ってくるかわからないダンをひたすら待っていた。
食べてもらえないのに彼の分まで料理を作って。今はもうここに来ることはないので、気が楽。
変な視線も感じないしリオに危険が及ばないという安心感もある。
迷いの森に住み始めて一年が過ぎた。リオも3歳になってあと数ヶ月したら4歳になる。
舌ったらずで、可愛い喋り方をしていたはずのリオが今では生意気なことを言う。
「かあちゃん、たまには肉が食いたい!」
「ぼく、もう、おおきいんだからね!なんだってできるんだから!」
そう言ってわたしがすることをなんでもしたがる。
危ないから包丁を持ったり火の近くには行かないように言ってもすぐ反抗する。
「このくらいの子はそんなもんさ」
魔女さんは『クククッ』と楽しそうに笑いながら言うけど、母親としては心配だし、あまりにも生意気なことを言うので泣きたくなる。
一度「うるさい!」とリオに言われて、悲しくて嘘泣きしたらリオが慌ててわたしを抱きしめて「ごめんなさい、泣かないで」と言ってくれた。
その言葉が嬉しすぎて本当に泣いてしまった。
「リオ、愛してるわ」
わたしも思わず抱きしめ返した。
そしていつの間にかリオの中でダンのことは忘れていったみたい。
もう『とうちゃんは?』『いつくるの?』『あいたい』とか言わなくなった。
多分わたしが困った顔をするから。リオはとても優しくて賢い子供だから、わたしがダンのことを聞かれても答えられないことがわかっているから気を遣って何も言わなくなった。
そして、彼の存在すらわたしとリオの中にはなくなった。
思い出はあるけど、彼のことを思い出す物は魔女さんの家には何一つない。
体も大きくなりダンの家から持ってきた数枚の服も靴も小さくなったので、売って新しい服を買った。
わたし自身は着の身着のまま魔女さんのところへ来たので、何もない。
あるのはその時着て来た服だけど、その服も着すぎてボロボロになってしまった。
ダンはもう思い出の中だけの人になってしまった。
今頃どこか知らない女の家に転がり込んで、幸せに暮らしているのかな。
『待っててくれないか』
ねえ?ダン。
わたし、まだ、ダンのこと待ってていいのかな?
ダンからわたしへの連絡手段はただ一つ。
わたしのペンダントに、わたしの聖力を流すこと。
ダンにわたしの力を込めた魔石を渡した。その魔石を壊せば、わたしのペンダントは反応する。
そしたら迷いの森を出てダンの家に帰る約束になっているのに、全く反応はない。
一度こっそりダンの家に行ったけど、そこは寂しいくらいひっそりとしていて、誰もいないことがわかった。
隣のおばちゃん達に会いに行きたかったけど、隠れているわたしが顔を出すわけにもいかず急いで山に帰った。
そして、わたしとリオはひたすら待った。
ダン、リオは元気で明るくて優しくて逞しい男の子に育ったよ。
最近は読み書きを始めたし、簡単な計算もできているわ。
『うちの子天才⁈』って、親バカになるくらい賢くて、そして、ダンよりも超美男子になるかも⁉︎
「マナ、何してるんだい?」
「ごめんなさい、急いで夕食作るから!」
魔女さんが「やれやれ」とわたしの顔を見て言うと背中をポンっと叩いた。
「あんたはリオのお母さんとして頑張ってる。たまには泣いていいよ。あたしがリオの相手はしてるから、な?」
「……………」
わたしは黙ったまま頷くと、そのまま地面に座り込んで膝を抱えて泣いた。
ダン、もう顔を忘れてしまいそうだよ。
声を聞きたいよ。
ねぇ、リオはもう5歳になるよ。
あれからニ年が経ったのに、ダンからの連絡は途絶えたまま。
「ばあちゃ!だいじょうぶ!」
リオと魔女さんは会ってすぐに仲良しになった。
マントを着たリオは空を飛ぼうと箒に跨る。
「と、とべないの」
「飛べるわけがないだろう?リオには魔力がないんだから!」
「ぼく、ないの?」
うるうるした目でわたしを見るリオ。
「うーん、リオには難しいかな」
「いっぱい、たべてる!きらいなもの!」
「そうだね、人参さんもピーマンさんも食べてるものね」
「嫌いなもの食べたら魔法が使えるんなら魔法使いがゴロゴロいるよ」
鼻で『ふん!』っと鳴らしながら魔女さんが馬鹿にしながらリオに言うと、リオも負けていない。
「ばあちゃ!ぼく、とぶの!う、うわあああああああーーーーん!!」
わたしも魔女さんも手で耳を急いで塞いだ。
「ああああ、もう!リオ!欝陶しい子だね。わかったよ、あたしの前に乗りな!ほら、空を飛んでやるから!」
毎回毎回、そう言って結局魔女さんがリオを箒の前に乗せて空を飛んで回る。
あんな細い棒に二人で乗っても落ちないし、リオが横を向いたり後ろを向いたり、手を離しても落ちない。
魔女さんの魔法は本当に凄い。
わたしは聖力なので癒しの力が強い。だからどちらかと言うと防御や修繕修復の方が得意みたい。
壊れたものを直したり、敵からの攻撃を守ったりする魔法が使えるみたい。
空を飛んでいる二人を下から見上げながら大きく手を振る。
リオはわたしに向けて両手でブンブンと振っているけど、落ちない。
うん、魔女さん凄すぎ!
二人が空の散歩をしている間、わたしは部屋のお掃除をしたり昼食を作ったりしていた。
薬草もいつものように天日干ししてのんびりとした時間を過ごした。
ダンの家にいる時もたいして変わらない生活だったけど、あの頃はいつ帰ってくるかわからないダンをひたすら待っていた。
食べてもらえないのに彼の分まで料理を作って。今はもうここに来ることはないので、気が楽。
変な視線も感じないしリオに危険が及ばないという安心感もある。
迷いの森に住み始めて一年が過ぎた。リオも3歳になってあと数ヶ月したら4歳になる。
舌ったらずで、可愛い喋り方をしていたはずのリオが今では生意気なことを言う。
「かあちゃん、たまには肉が食いたい!」
「ぼく、もう、おおきいんだからね!なんだってできるんだから!」
そう言ってわたしがすることをなんでもしたがる。
危ないから包丁を持ったり火の近くには行かないように言ってもすぐ反抗する。
「このくらいの子はそんなもんさ」
魔女さんは『クククッ』と楽しそうに笑いながら言うけど、母親としては心配だし、あまりにも生意気なことを言うので泣きたくなる。
一度「うるさい!」とリオに言われて、悲しくて嘘泣きしたらリオが慌ててわたしを抱きしめて「ごめんなさい、泣かないで」と言ってくれた。
その言葉が嬉しすぎて本当に泣いてしまった。
「リオ、愛してるわ」
わたしも思わず抱きしめ返した。
そしていつの間にかリオの中でダンのことは忘れていったみたい。
もう『とうちゃんは?』『いつくるの?』『あいたい』とか言わなくなった。
多分わたしが困った顔をするから。リオはとても優しくて賢い子供だから、わたしがダンのことを聞かれても答えられないことがわかっているから気を遣って何も言わなくなった。
そして、彼の存在すらわたしとリオの中にはなくなった。
思い出はあるけど、彼のことを思い出す物は魔女さんの家には何一つない。
体も大きくなりダンの家から持ってきた数枚の服も靴も小さくなったので、売って新しい服を買った。
わたし自身は着の身着のまま魔女さんのところへ来たので、何もない。
あるのはその時着て来た服だけど、その服も着すぎてボロボロになってしまった。
ダンはもう思い出の中だけの人になってしまった。
今頃どこか知らない女の家に転がり込んで、幸せに暮らしているのかな。
『待っててくれないか』
ねえ?ダン。
わたし、まだ、ダンのこと待ってていいのかな?
ダンからわたしへの連絡手段はただ一つ。
わたしのペンダントに、わたしの聖力を流すこと。
ダンにわたしの力を込めた魔石を渡した。その魔石を壊せば、わたしのペンダントは反応する。
そしたら迷いの森を出てダンの家に帰る約束になっているのに、全く反応はない。
一度こっそりダンの家に行ったけど、そこは寂しいくらいひっそりとしていて、誰もいないことがわかった。
隣のおばちゃん達に会いに行きたかったけど、隠れているわたしが顔を出すわけにもいかず急いで山に帰った。
そして、わたしとリオはひたすら待った。
ダン、リオは元気で明るくて優しくて逞しい男の子に育ったよ。
最近は読み書きを始めたし、簡単な計算もできているわ。
『うちの子天才⁈』って、親バカになるくらい賢くて、そして、ダンよりも超美男子になるかも⁉︎
「マナ、何してるんだい?」
「ごめんなさい、急いで夕食作るから!」
魔女さんが「やれやれ」とわたしの顔を見て言うと背中をポンっと叩いた。
「あんたはリオのお母さんとして頑張ってる。たまには泣いていいよ。あたしがリオの相手はしてるから、な?」
「……………」
わたしは黙ったまま頷くと、そのまま地面に座り込んで膝を抱えて泣いた。
ダン、もう顔を忘れてしまいそうだよ。
声を聞きたいよ。
ねぇ、リオはもう5歳になるよ。
あれからニ年が経ったのに、ダンからの連絡は途絶えたまま。
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