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嫌です。別れません
31話
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一人の力で治せる病人は限られていた。
それでも持ってきた薬を全てみんなに配り、重症な人から治療を始めた。
「疲れた」
どれくらいの時間が経ったのだろう。
国についてから必死で流行り病の人々の治療を始めて無理をしていたのだろう。
体に力が入らなくなっていた。
「マナ!」
わたしを呼ぶ声が聞こえる。
どこか懐かしい声。
でも返事をすることもできずにそのまま意識を失った。
「おい!マナ!」
駆けつけたのはダンだった。意識を失ったマナを優しく抱きかかえてマナが治療中寝泊まりしている、昔住んでいたダンの家へと連れて帰った。
そこは15年以上経っているのに、いつ戻ってきてもいいようにと家の中は以前のまま残されて常に掃除や換気もされていた場所だった。
「陛下、わたしがやります」
「触るな!マナのことはわたしがする」
ダンはこの国で新たな国王となり早5年が経っていた。
今この場には騎士達や側近がダンを心配して見守っている状況だった。
ダンは一度乱れ衰退したこの国の復興のためにひたすら尽くしてきた。
それこそ自分のことなど顧みずに。
マナに離縁状を送られてきて、自分から彼女を手放したくせにショックを受けた。
自業自得だと思いつつ。
この国の前国王だった父親にリオは魔道具を借りにきた。それなのにダンはリオのそばにいてあげることはできなかった。
そしてその理由も知らず、リオから伝言された言葉にショックを受けた。
『とうちゃんは要らない』
マナがリオのために病を引き受け、自らの寿命をリオに渡したことや、魔女がマナの時を止めて治療薬を作ろうとしていることを知ったのはかなり後だった。
前国王に命じられ全王妃の恋人として過ごしたり、マナにアイリスとの関係を誤解されたままだったりと、もう夫として認めてもらえないことは理解していた。
自分が二人のそばにいれば起きるであろう事件や問題を言い訳にマナに向き合うことを恐れた。
今まで適当に女と付き合ってきた。本気の恋愛など馬鹿馬鹿しいと思ってきた。
女なんて遊ぶ以外で必要性を感じなかった。
まさか年下のマナに本気で惚れてしまうなんて思ってもみなかった。
ベッドに横たわるマナは自分の記憶の中のまま、歳をとることなく可愛らしい寝顔で眠っていた。
でもよく見ると痩せ細り疲れ切っていた。
「マナ、お前はこの国のために戻ってきてくれたんだな」
流行り病は迷いの森の近くの村から街へと蔓延して王都へと広がり始めていた。
薬はあるにはあるが病人が多すぎて足りない状態に陥っていた。
このままではたくさんの死者が出ることは予想された。癒しの力を持つ者も数人いたが貴族を中心に治療を施すことしかできず、庶民にまで手が回ることはなかった。
それでもなんとか医師を集め薬を諸国から仕入れ庶民の治療を始めようとした時、ダンに報告が入った。
『聖女』が現れたと。
ダンは騎士や医師、看護をする女性を連れて『聖女』の元へ向かうと、そこにいたのは会いたくてももう二度と会うことはないと思っていたマナだった。
「マナ、すまない。またお前に借りができた。昔俺を助けてくれた。そしてこの村でリオを育てながらこの国のために薬師としてみんなを助けてくれた。そしてまたこの国のために助けてくれた。おかげで死ぬしかなかった者達を助けることができた。ありがとう」
眠り続けるマナに語りかけるダン。
本当はか細い手を握りしめ抱きしめたい。
でも汚い自分には、清廉で美しすぎるマナに触れることはできない。
マナが倒れた時に抱きかかえたはずなのに、今は躊躇われてしまう。
この国の国王になっても、未だマナに向き合えないでいた。
「おばちゃん、マナを頼む」
隣のパン屋のおばちゃんにダンはマナを頼み、自らが流行り病の終息に向けて動くことにした。
「陛下、かしこまりました」
隣のおばちゃんは頭を下げた。
ダンは一度だけマナに振り返り頭を下げ家を出て行った。
騎士達も陛下にならい、マナのいる家へ頭を下げると患者のいる場所へと向かった。
それでも持ってきた薬を全てみんなに配り、重症な人から治療を始めた。
「疲れた」
どれくらいの時間が経ったのだろう。
国についてから必死で流行り病の人々の治療を始めて無理をしていたのだろう。
体に力が入らなくなっていた。
「マナ!」
わたしを呼ぶ声が聞こえる。
どこか懐かしい声。
でも返事をすることもできずにそのまま意識を失った。
「おい!マナ!」
駆けつけたのはダンだった。意識を失ったマナを優しく抱きかかえてマナが治療中寝泊まりしている、昔住んでいたダンの家へと連れて帰った。
そこは15年以上経っているのに、いつ戻ってきてもいいようにと家の中は以前のまま残されて常に掃除や換気もされていた場所だった。
「陛下、わたしがやります」
「触るな!マナのことはわたしがする」
ダンはこの国で新たな国王となり早5年が経っていた。
今この場には騎士達や側近がダンを心配して見守っている状況だった。
ダンは一度乱れ衰退したこの国の復興のためにひたすら尽くしてきた。
それこそ自分のことなど顧みずに。
マナに離縁状を送られてきて、自分から彼女を手放したくせにショックを受けた。
自業自得だと思いつつ。
この国の前国王だった父親にリオは魔道具を借りにきた。それなのにダンはリオのそばにいてあげることはできなかった。
そしてその理由も知らず、リオから伝言された言葉にショックを受けた。
『とうちゃんは要らない』
マナがリオのために病を引き受け、自らの寿命をリオに渡したことや、魔女がマナの時を止めて治療薬を作ろうとしていることを知ったのはかなり後だった。
前国王に命じられ全王妃の恋人として過ごしたり、マナにアイリスとの関係を誤解されたままだったりと、もう夫として認めてもらえないことは理解していた。
自分が二人のそばにいれば起きるであろう事件や問題を言い訳にマナに向き合うことを恐れた。
今まで適当に女と付き合ってきた。本気の恋愛など馬鹿馬鹿しいと思ってきた。
女なんて遊ぶ以外で必要性を感じなかった。
まさか年下のマナに本気で惚れてしまうなんて思ってもみなかった。
ベッドに横たわるマナは自分の記憶の中のまま、歳をとることなく可愛らしい寝顔で眠っていた。
でもよく見ると痩せ細り疲れ切っていた。
「マナ、お前はこの国のために戻ってきてくれたんだな」
流行り病は迷いの森の近くの村から街へと蔓延して王都へと広がり始めていた。
薬はあるにはあるが病人が多すぎて足りない状態に陥っていた。
このままではたくさんの死者が出ることは予想された。癒しの力を持つ者も数人いたが貴族を中心に治療を施すことしかできず、庶民にまで手が回ることはなかった。
それでもなんとか医師を集め薬を諸国から仕入れ庶民の治療を始めようとした時、ダンに報告が入った。
『聖女』が現れたと。
ダンは騎士や医師、看護をする女性を連れて『聖女』の元へ向かうと、そこにいたのは会いたくてももう二度と会うことはないと思っていたマナだった。
「マナ、すまない。またお前に借りができた。昔俺を助けてくれた。そしてこの村でリオを育てながらこの国のために薬師としてみんなを助けてくれた。そしてまたこの国のために助けてくれた。おかげで死ぬしかなかった者達を助けることができた。ありがとう」
眠り続けるマナに語りかけるダン。
本当はか細い手を握りしめ抱きしめたい。
でも汚い自分には、清廉で美しすぎるマナに触れることはできない。
マナが倒れた時に抱きかかえたはずなのに、今は躊躇われてしまう。
この国の国王になっても、未だマナに向き合えないでいた。
「おばちゃん、マナを頼む」
隣のパン屋のおばちゃんにダンはマナを頼み、自らが流行り病の終息に向けて動くことにした。
「陛下、かしこまりました」
隣のおばちゃんは頭を下げた。
ダンは一度だけマナに振り返り頭を下げ家を出て行った。
騎士達も陛下にならい、マナのいる家へ頭を下げると患者のいる場所へと向かった。
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