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嫌です。別れません
32話
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目覚めたらいつもの部屋にいた。
ううん、この家はとうの昔に出て行った家。
なのにあの頃と変わらないまま。この家はわたしと同じで時間が止まったかのようだ。
おばちゃんの家に行き、それからあとは……必死でたくさんの病人の治療を行い……力尽きて倒れたはず。
そう言えば、懐かしい声が聞こえた気がする。
「おや?目覚めたの?」
おばちゃんが部屋に入ってきた。
「はい……ご迷惑をおかけいたしました」
「何言ってるの。マナが来てくれなかったらどれだけの人が死んでいたか。どんなに感謝しても足りないわ」
おばちゃんは涙ぐんでいた。
助けた人の中におばちゃんの孫もいたらしい。何度も『ありがとう』と言われて、リオが幼い頃いつもお世話になっていたのでもうこれ以上お礼の言葉はいらないと返した。
わたしのためにスープを作って持ってきてくれたおばちゃんはベッドの横にあった椅子に腰掛けた。
「マナ、みんなのために頑張ってくれたのは嬉しいけど、自分の身体のことも考えないと」
おばちゃんはいつもこうやってわたしのことを労ってくれていた。変わらない優しい言葉に「心配かけてごめんなさい」と謝る。
「マナはわたしにとって娘のような子だから。突然いなくなって心配したのよ」
おばちゃんはあの頃を思い出すかのように言った。
「ごめんなさい、あの時はもうここにはいられないと焦ってしまっていたから」
わたしにとってはほんの一年も経っていない。あの頃の気持ちはまだそのまま。
「ダン様は………今はこの国の国王になられて腐敗した王家を立て直して、新しい国になってがんばられているの。わたし達はとても誇りに思っているのよ。マナにとってはあのお方は辛い思いでしかないと思うのだけどね」
えっ?
思わずおばちゃんの顔を見つめた。
「……知らなかったのかい?」
「わたし……他国にいてずっと体調が悪くて……眠り続けていたので」
15年も眠り続けていたなんて信じてもらえないだろうけど。
「だから16年経ってもあの頃のままなんだ?久しぶりに会った時は驚いたもの。最後に会った時と変わらない姿だからね」
「信じてくれるんですか?」
「だってあたし達はこんなに老けたのにあんたはそんな若いままなんだもん」
「はは、そうですよね?周りはみんな変わったのにわたしだけ変わらないままでなかなか心がついていかなかったんです」
「リオはじゃあもう大人になっているの?」
「はい、もう23歳です、あ、もうすぐ24歳になります」
忘れてた。リオの誕生日。
お祝いをしてあげなきゃ。
リオに何も言わずにこの国に来てしまった。リオが寂しそうな顔をしているだろうと考えると胸がズキッと痛む。
『勝手にどこにもいかないで』
そう言われていたのに、またリオを傷つけてしまう行動をとってしまった。
自分でもすぐ周りを見ずに前に突き進んでしまうこの性格を直さなきゃとは思うのだけど変わらない。
「おばちゃん、わたしスープをいただいたら薬だけ作れるだけ作って帰ります」
リオのところへ帰らなきゃ。でもまだ薬は足りない。だから自分ができることだけして帰ろう。
ダンが国王になったと聞いてなんと言っていいのか分からず曖昧に笑って誤魔化した。
もう離縁して別れた人。彼も16年も経ってわたしのことなど忘れているだろう。わたしにとってはまだ苦い思い出でしかないけど。今はリオと魔女さんのおかげでダンのことは思い出す時間も減ってきた。
少しふらつきながらもベッドから起き上がり、お腹にスープを流し込むと迷いの森へと向かう。
おばちゃんには止められたけど、あと少しだけ頑張ればリオと魔女さんのところへ帰れる。
「マナ!」
この声は……
「……………ダン?」
少し声が低くなっていたけどこの声はダンだった。
わたしは迷いの森へ入る道の手前で固まって……恐々と振り返った。
ううん、この家はとうの昔に出て行った家。
なのにあの頃と変わらないまま。この家はわたしと同じで時間が止まったかのようだ。
おばちゃんの家に行き、それからあとは……必死でたくさんの病人の治療を行い……力尽きて倒れたはず。
そう言えば、懐かしい声が聞こえた気がする。
「おや?目覚めたの?」
おばちゃんが部屋に入ってきた。
「はい……ご迷惑をおかけいたしました」
「何言ってるの。マナが来てくれなかったらどれだけの人が死んでいたか。どんなに感謝しても足りないわ」
おばちゃんは涙ぐんでいた。
助けた人の中におばちゃんの孫もいたらしい。何度も『ありがとう』と言われて、リオが幼い頃いつもお世話になっていたのでもうこれ以上お礼の言葉はいらないと返した。
わたしのためにスープを作って持ってきてくれたおばちゃんはベッドの横にあった椅子に腰掛けた。
「マナ、みんなのために頑張ってくれたのは嬉しいけど、自分の身体のことも考えないと」
おばちゃんはいつもこうやってわたしのことを労ってくれていた。変わらない優しい言葉に「心配かけてごめんなさい」と謝る。
「マナはわたしにとって娘のような子だから。突然いなくなって心配したのよ」
おばちゃんはあの頃を思い出すかのように言った。
「ごめんなさい、あの時はもうここにはいられないと焦ってしまっていたから」
わたしにとってはほんの一年も経っていない。あの頃の気持ちはまだそのまま。
「ダン様は………今はこの国の国王になられて腐敗した王家を立て直して、新しい国になってがんばられているの。わたし達はとても誇りに思っているのよ。マナにとってはあのお方は辛い思いでしかないと思うのだけどね」
えっ?
思わずおばちゃんの顔を見つめた。
「……知らなかったのかい?」
「わたし……他国にいてずっと体調が悪くて……眠り続けていたので」
15年も眠り続けていたなんて信じてもらえないだろうけど。
「だから16年経ってもあの頃のままなんだ?久しぶりに会った時は驚いたもの。最後に会った時と変わらない姿だからね」
「信じてくれるんですか?」
「だってあたし達はこんなに老けたのにあんたはそんな若いままなんだもん」
「はは、そうですよね?周りはみんな変わったのにわたしだけ変わらないままでなかなか心がついていかなかったんです」
「リオはじゃあもう大人になっているの?」
「はい、もう23歳です、あ、もうすぐ24歳になります」
忘れてた。リオの誕生日。
お祝いをしてあげなきゃ。
リオに何も言わずにこの国に来てしまった。リオが寂しそうな顔をしているだろうと考えると胸がズキッと痛む。
『勝手にどこにもいかないで』
そう言われていたのに、またリオを傷つけてしまう行動をとってしまった。
自分でもすぐ周りを見ずに前に突き進んでしまうこの性格を直さなきゃとは思うのだけど変わらない。
「おばちゃん、わたしスープをいただいたら薬だけ作れるだけ作って帰ります」
リオのところへ帰らなきゃ。でもまだ薬は足りない。だから自分ができることだけして帰ろう。
ダンが国王になったと聞いてなんと言っていいのか分からず曖昧に笑って誤魔化した。
もう離縁して別れた人。彼も16年も経ってわたしのことなど忘れているだろう。わたしにとってはまだ苦い思い出でしかないけど。今はリオと魔女さんのおかげでダンのことは思い出す時間も減ってきた。
少しふらつきながらもベッドから起き上がり、お腹にスープを流し込むと迷いの森へと向かう。
おばちゃんには止められたけど、あと少しだけ頑張ればリオと魔女さんのところへ帰れる。
「マナ!」
この声は……
「……………ダン?」
少し声が低くなっていたけどこの声はダンだった。
わたしは迷いの森へ入る道の手前で固まって……恐々と振り返った。
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