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幼馴染が大切ならわたしとは離縁しましょう。
愛とか恋とか。
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「ミズナ!大丈夫?」
ダレンの大きな声が聞こえる。
頭が痛い。気分が悪い。
なのに………
「うるさい!ほんとダレンって昔っから病弱なくせに声だけは大きいのよね」
「えっ?」
ダレンの声にわたしも……
「あれ?」
「ダレン………助かったのね?」
ダレンは記憶より大きくなっている。
目の前にいるのは大人の男性……なのに記憶の中のダレンは弱くて守ってあげなければならない存在だった。
頭の中が混乱しつつ、ダレンの服を鷲掴みにしてジロジロと見つめた。
「はあああ、思い出したわ。わたしあなたを助けるためにダレンの記憶を失ったのよ」
「ミズナ!」
「触らないで!」
思わずダレンから離れた。
思い出したからこそ「気持ち悪!!」と叫んだ。
「ダレンはアデリーナが好きなのにわたしと結婚してアデリーナとベタベタして過ごしてたのよね?わたしがダレンのことを忘れたから見せびらかしたかったの?やだ、無理!きもっ!!」
鳥肌が立ってゾワっとした。
ーーうん?でもアデリーナが突然……魔女さんに?うん?
叫ぶだけ叫んで周囲を見回す。
魔女さんはゲラゲラ笑って涙まで流していた。
「あははははっ、ひぃーー、ああ、面白い!」
わたしの隣に立ちすくむダレンは、表情が死んで、無になって動かない。
「魔女さんがアデリーナだったの?魔女さんって本当は美しい若い女性だったんだ!」
「そうかい?あたし、綺麗かね?」
「ええ、アデリーナの性格は微妙だけど、とっても美しいと思うわ。
ダレンと幸せになってね?」
「へっ?そうきたかい?」
「そうきた?よくわからないけど、二人が愛し合ってるんだもの。わたしはやっと離縁できると思うとホッとするわ。
これでアデリーナの友人達に嫌味を言われなくて済むし、ね?」
「ああ、あの子達はちょっと性格悪すぎたね」
魔女さんがうんざりした顔をする。やっぱり愛するダレンにむらがる女性が嫌だったのかしら?
「うーん、でも、ダレンに群がるくらいだから愛人枠に納まりたかったんじゃないかしら?アデリーナは愛人ではなく本妻になりたかったんでしょう?
政略的なものだったからそろそろ離縁しても両家とも困らないと思うの。記憶が戻ったから今ならわかるわ。友人だった両親達なら離縁してもうまく仕事の付き合いは続くと思うの」
「そうかい、そうかい。ミズナはダレンと離縁したいんだ?」
「そうね、互いに愛も恋もない、冷めた夫婦生活だったんだもの。いくら記憶が戻ってももう駄目だと思うの」
「じゃあ、離縁だね」
魔女さんが楽しそうに言った。
「ええ、それがいいと思うの、それに………「ちょ、ちょっと、待って!」
固まって動かないダレンが突然、口を挟んできた。
「ミズナ!俺がアデリーナと仲良くしていたのは、ミズナの記憶を取り戻してミズナを嫁にするためだ!なのに離縁なんかしたら俺はなんのためにこの10年以上の月日を耐えてきたんだ?
絶対、離縁はしない!」
「記憶を取り戻す?」
「ミズナがダレンを忘れてダレンを思い出そうとすると体調を崩す、だからダレンはあんたに自分を思い出して欲しくてあたしと契約したんだ。20歳になるまであたしの言うことを優先して聞くこと。それが条件だったんだ」
「え?でもこんな綺麗なアデリーナとずっといればアデリーナを好きになるんじゃないかしら?それにわたしに対してた態度、あれは酷すぎるもの」
だって今は魔女さんの姿だけどアデリーナに戻れば、やっぱり美人で、わたしなんかよりアデリーナを選びたくなるわよね?
「ミズナ……ごめん。でもアデリーナから優先するのはアデリーナだと言われていたんだ。それにミズナと話したらどうしても思い出して欲しくなる。だけどそれは出来ない。ミズナの体調が悪くなってしまう。だから……」
「あははははっ、ダレンは拗らせて素直にミズナと接することも出来なくなっていたのさ。それに、ミズナのそばにいると襲いたくなるんだろう?」
「ええっ?」
襲うって……
「俺だって男だ。妻になったミズナを抱きたいしキスだってしたい。だけど記憶を取り戻してから一から始めたいと思ってた」
顔を真っ赤にしたダレン。
思わずわたしは……
「やだ、気持ち悪い!アデリーナにあんなにベタベタしていた男に今更好きと言われても……無理だわ」
と吐き捨てた。
それからはダレンが毎日わたしに愛を乞う。
「ミズナ愛してる」
「ねぇデートしよう」
「一緒に食事をしよう」
「綺麗だよ」
そんな彼をジトっと見つめ「はあー」っとため息をつく。
記憶がしっかり戻り、ダレンが苦しんだ日々も理解した。
だけどわたしの中のダレンはやはり女の子に囲まれてアデリーナだけを愛している男としか見れない。
アデリーナの姿は変身魔法で魔女さんの姿が本物だった。でも、それでも、愛や恋はなかったけど、だからこそ二人の愛を見せつけられて、彼を愛することはもう出来なかった。
「ダレン、わたしではない、他に愛する人を見つけて欲しいの」
「い、嫌だ」
「ごめんなさい、わたしはあなたを愛することはできない」
わたしは離縁状にサインして実家に帰った。
平民とはいえ、白い結婚。
わたしは結婚したこと自体始めからなかったことになった。
「ああ、ゆっくり眠れた!大好きなお花のお世話でもしよう」
わたしはのんびりと独身生活を過ごすことになった。
時折り、「ミズナ!プレゼント!」と言って花束を抱えてくる幼馴染。
「わたしは今花の世話をしているの!そのわたしに花を贈ってどうするの?」
呆れながらも花束を受け取る。
いつかわたしの中に彼を愛する日は来るのか、来ないのか。
『ミズナ、俺の嫁さんにしてやるよ!』
幼い頃のダレンの声がどこからか聞こえた気がする。
そして……
『あんた達、もっとあたしを楽しませておくれ』
そんな声も聞こえてくる。
終
ダレンの大きな声が聞こえる。
頭が痛い。気分が悪い。
なのに………
「うるさい!ほんとダレンって昔っから病弱なくせに声だけは大きいのよね」
「えっ?」
ダレンの声にわたしも……
「あれ?」
「ダレン………助かったのね?」
ダレンは記憶より大きくなっている。
目の前にいるのは大人の男性……なのに記憶の中のダレンは弱くて守ってあげなければならない存在だった。
頭の中が混乱しつつ、ダレンの服を鷲掴みにしてジロジロと見つめた。
「はあああ、思い出したわ。わたしあなたを助けるためにダレンの記憶を失ったのよ」
「ミズナ!」
「触らないで!」
思わずダレンから離れた。
思い出したからこそ「気持ち悪!!」と叫んだ。
「ダレンはアデリーナが好きなのにわたしと結婚してアデリーナとベタベタして過ごしてたのよね?わたしがダレンのことを忘れたから見せびらかしたかったの?やだ、無理!きもっ!!」
鳥肌が立ってゾワっとした。
ーーうん?でもアデリーナが突然……魔女さんに?うん?
叫ぶだけ叫んで周囲を見回す。
魔女さんはゲラゲラ笑って涙まで流していた。
「あははははっ、ひぃーー、ああ、面白い!」
わたしの隣に立ちすくむダレンは、表情が死んで、無になって動かない。
「魔女さんがアデリーナだったの?魔女さんって本当は美しい若い女性だったんだ!」
「そうかい?あたし、綺麗かね?」
「ええ、アデリーナの性格は微妙だけど、とっても美しいと思うわ。
ダレンと幸せになってね?」
「へっ?そうきたかい?」
「そうきた?よくわからないけど、二人が愛し合ってるんだもの。わたしはやっと離縁できると思うとホッとするわ。
これでアデリーナの友人達に嫌味を言われなくて済むし、ね?」
「ああ、あの子達はちょっと性格悪すぎたね」
魔女さんがうんざりした顔をする。やっぱり愛するダレンにむらがる女性が嫌だったのかしら?
「うーん、でも、ダレンに群がるくらいだから愛人枠に納まりたかったんじゃないかしら?アデリーナは愛人ではなく本妻になりたかったんでしょう?
政略的なものだったからそろそろ離縁しても両家とも困らないと思うの。記憶が戻ったから今ならわかるわ。友人だった両親達なら離縁してもうまく仕事の付き合いは続くと思うの」
「そうかい、そうかい。ミズナはダレンと離縁したいんだ?」
「そうね、互いに愛も恋もない、冷めた夫婦生活だったんだもの。いくら記憶が戻ってももう駄目だと思うの」
「じゃあ、離縁だね」
魔女さんが楽しそうに言った。
「ええ、それがいいと思うの、それに………「ちょ、ちょっと、待って!」
固まって動かないダレンが突然、口を挟んできた。
「ミズナ!俺がアデリーナと仲良くしていたのは、ミズナの記憶を取り戻してミズナを嫁にするためだ!なのに離縁なんかしたら俺はなんのためにこの10年以上の月日を耐えてきたんだ?
絶対、離縁はしない!」
「記憶を取り戻す?」
「ミズナがダレンを忘れてダレンを思い出そうとすると体調を崩す、だからダレンはあんたに自分を思い出して欲しくてあたしと契約したんだ。20歳になるまであたしの言うことを優先して聞くこと。それが条件だったんだ」
「え?でもこんな綺麗なアデリーナとずっといればアデリーナを好きになるんじゃないかしら?それにわたしに対してた態度、あれは酷すぎるもの」
だって今は魔女さんの姿だけどアデリーナに戻れば、やっぱり美人で、わたしなんかよりアデリーナを選びたくなるわよね?
「ミズナ……ごめん。でもアデリーナから優先するのはアデリーナだと言われていたんだ。それにミズナと話したらどうしても思い出して欲しくなる。だけどそれは出来ない。ミズナの体調が悪くなってしまう。だから……」
「あははははっ、ダレンは拗らせて素直にミズナと接することも出来なくなっていたのさ。それに、ミズナのそばにいると襲いたくなるんだろう?」
「ええっ?」
襲うって……
「俺だって男だ。妻になったミズナを抱きたいしキスだってしたい。だけど記憶を取り戻してから一から始めたいと思ってた」
顔を真っ赤にしたダレン。
思わずわたしは……
「やだ、気持ち悪い!アデリーナにあんなにベタベタしていた男に今更好きと言われても……無理だわ」
と吐き捨てた。
それからはダレンが毎日わたしに愛を乞う。
「ミズナ愛してる」
「ねぇデートしよう」
「一緒に食事をしよう」
「綺麗だよ」
そんな彼をジトっと見つめ「はあー」っとため息をつく。
記憶がしっかり戻り、ダレンが苦しんだ日々も理解した。
だけどわたしの中のダレンはやはり女の子に囲まれてアデリーナだけを愛している男としか見れない。
アデリーナの姿は変身魔法で魔女さんの姿が本物だった。でも、それでも、愛や恋はなかったけど、だからこそ二人の愛を見せつけられて、彼を愛することはもう出来なかった。
「ダレン、わたしではない、他に愛する人を見つけて欲しいの」
「い、嫌だ」
「ごめんなさい、わたしはあなたを愛することはできない」
わたしは離縁状にサインして実家に帰った。
平民とはいえ、白い結婚。
わたしは結婚したこと自体始めからなかったことになった。
「ああ、ゆっくり眠れた!大好きなお花のお世話でもしよう」
わたしはのんびりと独身生活を過ごすことになった。
時折り、「ミズナ!プレゼント!」と言って花束を抱えてくる幼馴染。
「わたしは今花の世話をしているの!そのわたしに花を贈ってどうするの?」
呆れながらも花束を受け取る。
いつかわたしの中に彼を愛する日は来るのか、来ないのか。
『ミズナ、俺の嫁さんにしてやるよ!』
幼い頃のダレンの声がどこからか聞こえた気がする。
そして……
『あんた達、もっとあたしを楽しませておくれ』
そんな声も聞こえてくる。
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