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出て行け!
今更……
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もうさすがに元夫はいないだろう。
あれから数時間はたっていた。
息子は疲れて昼寝をしていた。
ソファに座りわたしの仕事の邪魔にならないように絵本を読みながら疲れて眠ってしまったみたい。
そばにあった膝掛けを毛布代わりにかけてあげると、口をむにゃむにゃさせて寝顔はまだまだ赤ちゃんみたい。
元夫と離婚したことは後悔していない。あのまま一緒に暮らしていたらわたしは大爆発してどうなっていたか……
みっともない姿を元夫にも周囲にも曝け出してしまっていただろう。
嫉妬という醜態を。
感情を抑えることもできずに、泣き喚いていたかもしれないし、元夫に向かって暴力を加えていたかもしれない。
今わたしの生活は穏やかでとても幸せ。
あの時のことを思い出すと今もとても辛い。だから、もう元夫が姿を現しても……わたしは玄関の扉は開けない。もう窓に目をやることもしない。
ただひたすら今ここにある大切な……わたしの大切な息子の小さな手を握り、この幸せだけを噛み締める。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
今更なのだけど、手紙が届いた。
元夫が離婚届を今日提出したと。
「えっ」
ずっともう離婚していると思っていた。
確かに……きちんと確かめてはいなかった。だけどもうあれから6年も経っているのだもの。
彼ももう新しい女性と再婚でもしたのだろうと思っていた。届いた手紙にはどこで調べたのか息子の名が書かれた預かり書が入っていた。
金額を見て驚いた。息子がこれから貴族院の学校を卒業できるだけのお金だった。
どんなに働いてこれだけの金額を貯めたのだろう。
平民ならこのお金があれば一生贅沢して生きていける。貴族でもこの金額を簡単に用意はできない。
王宮騎士の収入は確かに高給だけど、それでも、この金額は……流石に受け取ることはできない。
外の庭で遊ぶ息子を窓から眺めた。
「はあーー」
手紙と一緒に送りつけようか……でも、今日が離縁日だと分かったことだし、この大金のこともある。
やはり最後に一度話をしようかと息子を見ながら悩み始めた。
息子を連れて隣の屋敷に顔を出した。
友人の息子たちが走って来て「あそぼう」と息子に声をかけた。
「うん」
「なにしてあそぶ?」
「きしごっこ、しよう」
「うん!!」
やっぱり男の子は騎士に憧れる。
息子にあなたのお父様も騎士様なのよ。ふとそう言ってあげたくなった。
もちろんその言葉は飲み込んだけど。
「おかあちゃん!あそんできていい?」
「もちろんよ。でも気をつけてね」
友人の子ども達に混ざり庭で遊び始めた。
伯爵家の子供達のそばには護衛やメイドが控えている。
わたしはみんなに頭を下げてから屋敷へと入って行った。
友人が「またあの馬鹿夫?」といきなり聞いて来た。
「元だと思っていたら、今日離婚届を出したといきなり手紙をもらったの」
ため息を吐きながら友人に手紙を見せた。
「はあああ?何、この手紙!」
「ねっ?だから相談に来たの。どう思う?お金だってこんなに……慰謝料としては高すぎるのもなんだか気持ち悪いの」
「貰っておきなさいよ!貰えるものは!」
「でも……この金額はちょっと……」
「まぁ確かに一般の平民では稼げるお金じゃないわ。でも彼……投資で成功しているらしいの」
「どうしてそれを?」
「………夫も金融のことには敏感で常に情報を集めているの。あなたの夫はそれなりの財産を築いているわ。でも家は以前のままだし、使用人も雇っていないらしいわ」
「……そう」
「もちろん離婚していないから……愛人になるのかしら?元旦那さんにはそんな人いないわよ」
「なんでそんなことまであなたが知っているのよ」
「大切な友人のことだもの。だけど離縁していないとは思っていなかったわ。そこ前提でしか調べていなかったもの」
友人と二人顔を合わせて「ねぇ?」となんとも言えない顔になった。
だってもうとっくの昔に縁は切れていたと思っていたのに。
今頃?って感じなんだもの。
あれから数時間はたっていた。
息子は疲れて昼寝をしていた。
ソファに座りわたしの仕事の邪魔にならないように絵本を読みながら疲れて眠ってしまったみたい。
そばにあった膝掛けを毛布代わりにかけてあげると、口をむにゃむにゃさせて寝顔はまだまだ赤ちゃんみたい。
元夫と離婚したことは後悔していない。あのまま一緒に暮らしていたらわたしは大爆発してどうなっていたか……
みっともない姿を元夫にも周囲にも曝け出してしまっていただろう。
嫉妬という醜態を。
感情を抑えることもできずに、泣き喚いていたかもしれないし、元夫に向かって暴力を加えていたかもしれない。
今わたしの生活は穏やかでとても幸せ。
あの時のことを思い出すと今もとても辛い。だから、もう元夫が姿を現しても……わたしは玄関の扉は開けない。もう窓に目をやることもしない。
ただひたすら今ここにある大切な……わたしの大切な息子の小さな手を握り、この幸せだけを噛み締める。
✴︎✴︎✴︎✴︎✴︎
今更なのだけど、手紙が届いた。
元夫が離婚届を今日提出したと。
「えっ」
ずっともう離婚していると思っていた。
確かに……きちんと確かめてはいなかった。だけどもうあれから6年も経っているのだもの。
彼ももう新しい女性と再婚でもしたのだろうと思っていた。届いた手紙にはどこで調べたのか息子の名が書かれた預かり書が入っていた。
金額を見て驚いた。息子がこれから貴族院の学校を卒業できるだけのお金だった。
どんなに働いてこれだけの金額を貯めたのだろう。
平民ならこのお金があれば一生贅沢して生きていける。貴族でもこの金額を簡単に用意はできない。
王宮騎士の収入は確かに高給だけど、それでも、この金額は……流石に受け取ることはできない。
外の庭で遊ぶ息子を窓から眺めた。
「はあーー」
手紙と一緒に送りつけようか……でも、今日が離縁日だと分かったことだし、この大金のこともある。
やはり最後に一度話をしようかと息子を見ながら悩み始めた。
息子を連れて隣の屋敷に顔を出した。
友人の息子たちが走って来て「あそぼう」と息子に声をかけた。
「うん」
「なにしてあそぶ?」
「きしごっこ、しよう」
「うん!!」
やっぱり男の子は騎士に憧れる。
息子にあなたのお父様も騎士様なのよ。ふとそう言ってあげたくなった。
もちろんその言葉は飲み込んだけど。
「おかあちゃん!あそんできていい?」
「もちろんよ。でも気をつけてね」
友人の子ども達に混ざり庭で遊び始めた。
伯爵家の子供達のそばには護衛やメイドが控えている。
わたしはみんなに頭を下げてから屋敷へと入って行った。
友人が「またあの馬鹿夫?」といきなり聞いて来た。
「元だと思っていたら、今日離婚届を出したといきなり手紙をもらったの」
ため息を吐きながら友人に手紙を見せた。
「はあああ?何、この手紙!」
「ねっ?だから相談に来たの。どう思う?お金だってこんなに……慰謝料としては高すぎるのもなんだか気持ち悪いの」
「貰っておきなさいよ!貰えるものは!」
「でも……この金額はちょっと……」
「まぁ確かに一般の平民では稼げるお金じゃないわ。でも彼……投資で成功しているらしいの」
「どうしてそれを?」
「………夫も金融のことには敏感で常に情報を集めているの。あなたの夫はそれなりの財産を築いているわ。でも家は以前のままだし、使用人も雇っていないらしいわ」
「……そう」
「もちろん離婚していないから……愛人になるのかしら?元旦那さんにはそんな人いないわよ」
「なんでそんなことまであなたが知っているのよ」
「大切な友人のことだもの。だけど離縁していないとは思っていなかったわ。そこ前提でしか調べていなかったもの」
友人と二人顔を合わせて「ねぇ?」となんとも言えない顔になった。
だってもうとっくの昔に縁は切れていたと思っていたのに。
今頃?って感じなんだもの。
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